2022年10月12日に開催されたMetaのオンライン発表会「Meta Connect 2022」で、スタンドアローン型MR(複合現実)デバイス「Meta Quest Pro」が2022年10月26日に発売すると発表されました。最新鋭のVRデバイス向けチップ「Qualcomm Snapdragon XR2+ Gen1」を搭載し、フルカラーパススルーや表情トラッキングが可能なインサイドアウトカメラ、Snapdragon 662とカメラ内蔵でセルフトラッキング可能なコントローラーなど、Meta Quest ProはMeta Quest 2から大きく性能が向上し、同時に価格も約3倍に跳ね上がりました。そんなMeta Quest Proは果たしてMeta Quest 2から買い替えるべきかどうかをさまざまなメディアが比較しながら検討しています。
Meta Quest Pro vs. Meta Quest 2: here’s how they stack up | Digital Trends
https://www.digitaltrends.com/computing/meta-quest-pro-vs-quest-2/
Meta Quest Pro Vs Meta Quest 2: Meta’s No Longer Being “Meta”
https://fossbytes.com/meta-quest-pro-vs-quest-2/
Meta Quest Pro vs. Meta Quest 2: Should you upgrade? | Android Central
https://www.androidcentral.com/gaming/virtual-reality/meta-quest-pro-vs-quest-2
Meta Quest Proの詳細なスペックについては以下の記事にまとめられています。
MetaのハイエンドVRデバイス「Meta Quest Pro」は2022年10月26日に発売、価格は22万6800円 – GIGAZINE
Meta Quest ProとMeta Quest 2のスペックを比較した表が以下。
Meta Quest Pro | Meta Quest 2 | |
ストレージ | 256GB | 128GB/256GB |
メモリ(RAM) | 12GB | 6GB |
チップセット | Qualcomm Snapdragon XR2+ Gen1 | Qualcomm Snapdragon XR2 |
重量 | 722g | 503g |
カメラ | ルームスケールに5基(外部) 表情トラッキングに3基(内部) 視線トラッキングに2基(内部) |
ルームスケールに4基 |
センサー | 近接センサー ジャイロスコープ 加速度計 環境光センサー 磁力計 気圧計 |
近接センサー ジャイロスコープ 加速度計 |
ディスプレイ | 量子ドット液晶(QD-LCD) 片目1800×1920ピクセル リフレッシュレート 最大90Hz 視野角106°×96° |
液晶(LCD) 片目1720×1890ピクセル リフレッシュレート 最大72Hz 視野角最大96° |
レンズ | パンケーキレンズ | フレネルレンズ |
瞳孔間距離 | 55mm~75mm | 58mm・63mm・68mm |
バックライト | LED500基以上 | LED2基 |
通信 | Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.1 |
コントローラー | Quest Touch Proコントローラー 充電池内蔵 |
Quest Touchコントローラー 単3乾電池使用 |
その他 | 視線トラッキング リアルタイム表情トラッキング マイク3基搭載 バッテリーはヘッドバンドに内蔵 専用充電台付き |
マイク2基 バッテリーはバイザー部分に内蔵 |
バッテリーの持ち時間 | 1時間半~2時間 | 2時間~3時間 |
価格 | 税込22万6800円 | 128GBモデル:税込5万9400円 256GBモデル:税込7万4400円 |
発売日 | 2022年10月26日(水) | 発売中 |
Meta Quest Proの大きな変更点は「搭載チップセットの性能向上」「搭載RAMの増量」「ストレージが256GBのみに」「レンズを含めたディスプレイ部分の性能向上」「内部にカメラセンサーを搭載したことで表情・視線のトラッキングに対応」「各種センサーの追加」「高解像度フルカラーパススルー対応」「バッテリーの位置と容量」「対応コントローラーの性能向上」で、ほぼすべてが大きく進化しており、スペックから見るとMeta Quest ProはMeta Quest 2の完全上位互換といっても過言ではありません。
もちろんスペックが大きく向上した分、価格も大きく跳ね上がりました。Meta Quest 2の256GBモデルが税込7万4400円であるのに対して、Meta Quest Proは税込22万6800円で、ほぼ3倍の価格となっています。また、重量も約500gだったのが722gに増加しましたが、バッテリーがバイザー部分ではなく後頭部に移動したことで、重心はMeta Quest 2よりも安定しています。
IT系ニュースサイトのDigital Trendsは「『Beat Saber』のようなシンプルなグラフィックを使うアクションゲームをプレイする場合、Meta Quest Proの高度なグラフィック機能はそれほど重要ではないかもしれません」と述べています。ただし、「Meta Questの人気ゲームの多くは、Meta Quest Proでプレイすると見た目や操作性が大きく変わる可能性があります。ダークでムーディーなゲームはダイナミックレンジの広さがいかされますし、カラフルなゲームは色域が30%広がるため、より鮮やかになるでしょう」ともコメントしています。
また、コントローラーの追従性が向上することで一部のゲームではVR体験が改善する可能性がありますが、他のタイトルでは見た目も性能も特に変わらないというものになる、とDigital Trendsは分析。結果として「VRゲームに興味があるだけなら、Meta Quest ProはMeta Quest 2に対して十分な付加価値はない可能性があります」と述べました。
また、IT系ニュースサイトのFOSSBYTESは、Meta Quest ProはPC接続不要のスタンドアローン型VRヘッドセットでありながら、Valve Index・HTC Vive Pro 2・Pimax 12Kなどと同じように20万円前後の価格帯のハイエンドモデルだと指摘。「ただし、2023年にMeta Quest 2と同価格帯の新型VRヘッドセットとなるMeta Quest 3の発売がウワサされていることも踏まえると、名前の通りエンタープライズ向けデバイスとしての用途も期待されているMeta Quest Proよりも、完全消費者向けのMeta Quest 3を待つか、Meta Quest 2とほぼ同程度の価格とスペックを持つPico 4を入手することをオススメします」と述べました。
Android関連のニュースを扱うAndroid Centralは、「Meta Quest Proはゲーマーではなくプロを念頭に置いて開発されています」とコメント。さらに「(記事作成時点で)VRの主な用途はゲームであり、Meta Quest 2は入手可能なデバイスの中でも最高のゲーム機の1つです。一方、Meta Quest Proはゲームを超えてメタバースの理想を広げるというMetaの野心を示すMRデバイスです」と述べ、ゲームを遊ぶだけであればMeta Quest 2で十分であるとしています。
Android Centralは、「VRゲーミングヘッドセット以上のものを求めているのであれば、Meta Quest Proはハードウェア面もソフトウェア面も感動的なアイテムなので、問題ありません。しかしそうでないのであれば、Meta Quest 2かPlayStation VR 2の方がより低価格でゲームに特化しているといえます」と述べました。
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