京セラは10月5日、低ノイズのミリ波センサにより、マイクロメートル単位の微細な振動を非接触で高精度に検知・抽出できる「非接触インテリジェントミリ波センシングシステム」を開発したと発表した。2023年にサンプル出荷を目指す。
(1)非接触で微細振動の検出、(2)高精度な心拍間隔のセンシング、(3)さまざまな用途への機能拡張――の3点を特長とする。
「非接触インテリジェントミリ波センシングシステム」
プライバシーに配慮しながら浴室での異常検知、就寝時やリビングでの心拍計測、さらには生態認証用のセンサーとして活用することにより、不審者侵入、検知などさまざまなシーンで活用できるという。高額な測定器に比べて、比較的安いランニングコストで導入できるとしている。
非接触インテリジェントミリ波センシングシステムの特長
京セラでは、社会問題となっている感染症対策や介護現場などでの人手不足の解消、建造物の崩落や危険を防止するための検査や、工場設備の予知保全などに対する要望に応えるため、遠隔で振動を検知するIoTセンサーシステムの開発に力をいれてきた。
昨今取り沙汰される自動車事故や幼児の置き去りの事故においても、運転車や同乗者の心拍呼吸モーションをセンシングすることで事故を防ぎ、安心・安全な社会の実現を目指す。
京セラの技術
なお、心拍センシングの精度は、心拍間隔誤差はプラスマイナス10ms以内、心変動スペクトル誤差はプラスマイナス10%以下を実験では確認しているという。心拍を検出できる距離は、1.5mまでは実現できており、将来的に2m~3mにする。また、今後は自律神経分析や感情分析などもできるようにする方針だ。
非接触インテリジェントミリ波センシングシステムは、10月18日より幕張メッセで開催される「CEATEC 2022」に出展する。
システム概要