UFOがUAPに改名したので、焼きそばのほうもUAPにした

デイリーポータルZ

UFOといえば未確認飛行物体のことだが、それ以上に日本人にとっては、UFO=焼きそばである。でも最近、アメリカが未確認飛行物体をUAPと言いだした。UAPか…どんな焼きそばだ? とりいそぎUAP焼きそばを開発したところ、プリンなど3品が生まれた。説明したい。

京都出身のライターです。趣味は食レポを読んだり書くことです。

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UFOからUAPへ

焼きそばのUFO。U=うまい、F=ふとい、O=大きい、という意味だそう。
うまい。

UFO(Unidentified Flying Object)という言葉は、アメリカが考えたらしい。

だが最近アメリカは、UFOを「UAP」と呼んでいる。グーグル翻訳いわく、「Unidentified Aerial Phenomenon=​​未確認空中現象」。

UAPか…。一体どんな焼きそばだ? 私はそっちを想像してしまった。すまないアメリカ。

UAPについて考える

UFO(U=うまい、F=ふとい、O=大きい)にならい、UAPがどんな焼きそばか考えた結果、以下の3つに着地した。実際に作ってみた焼きそばの写真とともにお見せしたい。

Uの「うまい」は固定し、AとPは本家同様、「外見を説明する形容詞」とした。

Aはウィキペディアの辞書の「カテゴリ:日本語 形容詞=あ」から選択。Pはパ行から始まる形容詞が無くて焦ったが、なんとか英語版の形容詞から選んだ。翻訳はグーグル任せだ。ありがとうアメリカ。

たくさんの候補の中から、なんとか美味しくなってくれそうな組み合わせを厳選した結果、上の3つとなった。

焼きそばを作るにあたり、2つ厳守した。

1つ目は「美味しいこと」。「U=うまい」はレガシーでありリスペクトであり…というかぶっちゃけ、私の願いである。2つ目は「中華麺を焼くこと」。「そば」という日本語の自由度を畏れた。

こうして、3つのUAP焼きそば(スナック、ラニュイエトワール、プリン)が誕生した。

 

UAP焼きそば1:うまい、赤い、包装された

ふりかけのようなスナック菓子が誕生。

なぜこうなったか。「A=赤い」には辛いイメージが、「P=包装された」にはスナック菓子のイメージがあった。乾燥した中華麺のスナック菓子か…。似たような赤ちゃんの星があったような。まあいっか。

UAPやきそば1の材料:インスタントの中華麺、唐辛子を含む粉、パプリカパウダー、ガーリックパウダー、うまみ調味料。ぜんぶ混ぜて炒ると完成。
けっこう良い匂い。
袋に詰める。途中で目をこすってしまい、ちょっと泣いた。
宇宙を意識し、フューチャリスティックな袋に詰めた。
出荷する勢いで箱詰め。UAP焼きそば1、これにて完成。
うまい。「うまみ調味料」が効いている。
ふりかけとしても、うまい。
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UAP焼きそば2:うまい、青い、絵のような

シーフード焼きそばで、画家のゴッホの代表作「星月夜(ほしづきよ)」を再現する流れとなった。
星月夜。フランスの風景らしい。フランス語で「ラニュイエトワール/La nuit étoilée」。

なぜゴッホか。「A=青い」「P=絵のような」ときて、「青い絵」で思い浮かんだのが、ゴッホとピカソだった。

どちらの絵も美しいが、美味しそうかどうかで判断したら、まだゴッホだった。ピカソは人間の絵ばかりだったが、ゴッホは植物もあった。(私は人は食えないが野菜なら食える)

あと、むかし食べた青い塩味のジェラートが「海味」のようなことを謳っていて目から鱗だったのも思い出した。塩味で海味か…もうシーフードだな。となる。

そして誕生したのが、UAP焼きそば2:シーフード星月夜。フランス語で「フリュイドメール・ラニュイエトワール(Fruits de mer La nuit étoilée)」。うむ、なんか美味っぽい名前。

UAP焼きそば2の材料:中華麺、卵、キャベツ、ネギ、シーフード、食用色素。
食用色素で色付け。青じゃなければソースに見えたかもしれない。
着色された具材たち。お絵かきで例えるなら、絵の具を揃えたような状態。
パレットのように中華麺を配置し、星月夜の画像を見ながら、制作していく。
気分はアーティスト。
卵で星を表現だ! (ヘストン・ブルメンタール気分)
匂いはしっかりシーフード焼きそば。スルメ(左)のビジュアルが気に入っている。
うまい。というか、まずくはない。
スルメが食べにくかった。これは私の失敗だ。美味しさって見た目じゃないなと思った。
とはいえ美味しくいただきました。(これは写真)
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UAP焼きそば3:うまい、青白い、塔のような

クーゲル(kugel)という料理に行き着いた。イギリス人が見たら、プリン(pudding)と言いそうな料理である。

UAP3が誕生するまでの道のりは、長かった。

まず「青白い」の画像検索で、ゴッホやピカソに返り討ちにあう。グーグルが青い絵を引きずっている。「塔のような」では、青空に映える塔ばかり見せつけてきた。困った。

悔しいので「青白い」を英訳させたら、「pale(ペール)」と回答してきた。私の意訳だと「色が薄い」、ビールの世界だと「琥珀色」である。さようなら、青の時代!

こんにちは、琥珀色。「青白い」はグーグル経由で「黄色」になれる。すごいなグーグル。

つづいて「​​pale food」で検索すると、オーブンで焼くタイプの麺料理が出てきた。麺の色が主役の料理たちである(マカロニグラタンとか)。でかしたグーグル!

それを見ながら「麺を焼き固めてケーキタワーみたいにすれば美味しそう」と想像したとき、麺のケーキ「クーゲル」に行き着いた。これは積み重ねていきたい…。

模範的なクーゲル(エルサレム・クーゲルと呼ばれるタイプ)。(Photo by Peteravivangel

ちなみにクーゲルとは、ユダヤ教の伝統的なデザートのこと(ウィキペディアいわく)。麺と卵と黒胡椒の組み合わせが特徴的。材料だけなら、ほぼカルボナーラである。

UAP焼きそば3の材料:中華麺、卵、黒胡椒、シナモン、バター、砂糖。
全ての材料を混ぜて加熱した生地を、ケーキ型に入れて冷ます作戦をとった。
一晩冷やし、青空へのリベンジも完了★ クーゲルがだんだん月に見えてきた…。

それは人間にとっては小さな一歩ですが、焼きそばにとっては大きな飛躍ですーー!!
ケーキ入刀。
タワーの底で縁の下の力持ちだった器で食べた。みなさんおつかれさまでしたーー
味と食感は、アップルパイのような風味のおはぎ。後味は、無印良品のカレーくらいの辛さ。固めるために追加した牛乳と小麦粉が気になったが、結構うまい。
ついでに冷凍庫に眠っていたパナップも追加したら、うますぎて飛んだ。クーゲルサンデー、食ってみな。

どっちがうまい? UFO対UAP

改めて、自分の作ったUAPとカップ焼きそばのUFOを食べ比べてみる。

やっぱUFOかな…となる。悔しいが。

「焼きそば=ソース=UFO」と私の心がささやく。しかも3分で作れるときた。じっとしてるだけでウルトラマンに勝てるわけだ。人類の私、降参します。

でもUAPは未知との遭遇。焼きそばは、スナックにもアートにもデザートにもなれる。UFOもウルトラマンも、楽勝というわけにはいかない土俵だろう。

どちらにせよ「U=うまい」は不動だったので、みんな優勝していいと思います!!!!

ごちそうさまでした。

クーゲルのタワーを作るとき、土台から作ることを悟った時はびびったが、100円ショップで問題即解決だった。

しっかし買い物カゴからして、ぜんぜん焼きそば作りに見えない。心が折れそうだった。

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