神社って大体階段を上るものだと思う。アニメなどに登場するものも、長い上り階段がセットになっていて、それゆえの見晴らしの良さが “ならでは” な情景に繋がっているしな。今期で言うと、『サマータイムレンダ』の日都神社とか、モデルの淡嶋神社にはない上り階段が付け足されているくらいである。
上り階段の途中でイベントが起きることも多いので、アニメオタク的には社殿よりも階段の方がメインになっていると言っても過言ではない。しかし、熊本県阿蘇郡高森町にある「草部吉見神社」はそんなアニオタのロマンブレイカーだった。なぜならば、階段が上りではなく下りなのだ。そこは上らせてくれよ~!
・違和感が凄い
と、オタク視点で言うとガッカリスポットなのだが、立て看板によると、どうやらここは「日本三大下り宮」と呼ばれているらしい。へ~、下り宮って言うのか。初めて見た。それにしても……
なんか怖い。
社殿が頂上にあることに慣れているためか、入口の鳥居から社殿を見た時の違和感が半端じゃないのだ。足元よりもはるか下にあって埋もれているみたいに見える。個人的には、下から睨みつけられているような雰囲気すら感じられた。
・下りてみた
広場に下りると、少し薄暗くなった気がする。周りが木に囲まれているからかもしれない。森林浴的な気持ち良さよりも、閉塞感を感じるのは気のせいか。
散策してみると、山側に道があり「不老長寿の水」と書かれていた。山の中に入っていく遊歩道みたいな感じなのだが、進んでいってみると広場に謎の石像が。
説明も何もないが、おそらくこれは大蛇だろう。社殿に大蛇を退治する絵が飾られていたからだ。退治しているのはこの神社の祭神である神武天皇の第1皇子・日子八井命(ひこやいのみこと)だと思われる。
それにしても、この石像、ドラゴンボールの神龍(シェンロン)みたいな顔してる。その愛らしさゆえか、口に小銭が入っていた。社殿よりは身近な扱いを受けているが、大蛇もまた信仰の対象なのかもしれない。
・不老長寿の水の味
その像の近くに、これまた何の説明もなく水が湧き出ている。水場はここしかないので、これが不老長寿の水に違いない。念のため、飲んでみたところ……うん。
クセがない。
東京の水道水も余裕で飲める私(中澤)としては水道水みたいな臭みがないことは分かるのだが、逆に言うと、それ以外の感想も出てこない味だ。水だしな。強いて言うならサントリーの天然水に似ている。
・ゾッ……
というわけで、現地では何も起こらなかった。まあ、そういうこともあるさ。ゆえに、記事にしようかどうかも迷っていたのだが、調べてみたところ、どうやら下り宮は「祟り神を封印したもの」もしくは「神が祟り神にならないように封印したもの」という説があるらしい。
怖ッ! しかし、そう言われると、入口に立った時の違和感にも通じるものがある気がした。本当に睨まれてたのかなあ。汚らわしい人間どもめ。我が苦しみと憎しみを知るがよい……。はりつめた~弓の~♪
まあ、それは信じるか信じないかはあなた次第な話ではあるが、何はともあれ独特の雰囲気がある場所でした。もののーけーたちーだけー♪
・今回紹介したスポットの情報
店名 草部吉見神社
住所 熊本県阿蘇郡高森町草部2175