Appleは、米国時間9月7日に開催された毎年恒例の秋の製品イベントで、「Apple Watch Series 8」を発表した。価格は、GPSモデルが399ドル(日本版は5万9800円)から、Cellularモデルが499ドル(同7万4800円)からとなっている。9月16日に発売予定で、すでに注文受付が開始されている。このほかに、頑丈な「Apple Watch Ultra」が799ドルから(同12万4800円)、より手頃な価格の「Apple Watch SE」の新バージョンが249ドルから(同3万7800円)という価格で発表された。
最も重要な変更点は皮膚温センサーの追加だ。Apple Watchに新しいヘルスセンサーが追加されるのは、2020年に血中酸素濃度測定機能を搭載した「Apple Watch Series 6」が登場して以降では、初めてのことだ。Series 8と新しいSEモデル、Ultraモデルから成る新しいApple Watchのラインアップは、自動車衝突事故検出機能を備える初めてのモデルでもあり、Appleがウェルネスと安全への取り組みをさらに強化していることを示している。Apple Watch UltraがアスリートをターゲットとするApple Watchの新しいアウトドア向けモデルであるのに対し、SEはAppleの低価格スマートウォッチの新型モデルである。
皮膚温センサーと自動車衝突事故検出
Apple Watch Series 8の皮膚温センサーは、2022年のApple Watchで最大のアップグレードだ。実際には2つのセンサーがあり、1つはディスプレイの下に、もう1つはより皮膚に近い背面に配置されている。これにより、ユーザーの手首の皮膚温と、皮膚温に影響を及ぼす周囲のほかの要因を区別しやすくなるので、精度が向上するはずだ。夜間には手首の皮膚温を5秒ごとに測定し、Appleの「ヘルスケア」アプリで追跡してくれる。
これは夜間に受動的に測定されるデータなので、Appleのデモルームで試すことはできなかった。しかし、この情報がヘルスケアアプリでどのように表示されるのかは確認できた。ヘルスケアアプリには、基準値からの体温の変動を示すグラフ、そして、そのデータが何を意味するのかが表示される、同社によると、基準値からの変動は、運動や時差ぼけ、病気を示している可能性があるという。また、ヘルスケアアプリの概要セクションには、手首皮膚温のタイルが新たに追加され、タップすればすぐにこのデータにアクセスすることができる。
Appleのヘルスケアアプリには、Series 8の温度測定値が表示される。
提供:Lisa Eadicicco/CNET
Appleは皮膚温センサーを、女性の健康の追跡に最も役立つものと位置づけている。皮膚温センサーを使用することで、Apple Watch Series 8は過去の推定排卵日を提供できるほか、月経予測の精度も向上する。
2022年のApple Watchには、新しい安全機能である自動車衝突事故検出機能も搭載されている。衝突事故の検出後、装着者が10秒間反応しなかった場合、緊急通報サービスと装着者の緊急連絡先に連絡する、というものだ。この機能は、アップグレードされたジャイロスコープと加速度計を使用するため、Series 8、新しいSE、およびApple Watch Ultra以外のApple Watchでは利用できない。