1. たび重なるインフラとサービスの障害
今週、多くの利用者に影響があったと考えられる著名なインフラとサービスの障害が続いた。
KDDIの携帯電話サービスでは8月24日21時13分ごろから通信障害が発生した。30分間ほどで回復した。原因は設備故障としている(ケータイWatch)。
NTT西日本の「フレッツ 光ネクスト」「フレッツ 光ライト」「フレッツ 光クロス」は、8月25日8時57分ごろから通信障害が発生した。14時44分には解消した。原因は設備故障としている(ケータイWatch)。
マイクロソフトの「Microsoft Teams」では、8月25日午前に障害が発生した。アジア太平洋地域の全てのユーザーに影響があった模様だ(ケータイWatch)。
PayPayは8月24日7時40分~13時15分に障害が発生していたと発表した。本人確認申請や利用可能額の設定・参照などができない状態になった(ケータイWatch)。
NTTドコモの「d払い」では8月19日10時2分ごろ~35分ごろにかけて障害が発生した。Android端末でサービスが利用しづらい状況だったとしている(ケータイWatch)。
原因はそれぞれで、近い時期に発生したのは偶然だとは思うが、この1週間に重要なサービスで障害が頻発したという印象が残った。幸い、短時間で解決はしているが、今後、社会活動にも影響を及ぼすような規模の障害がないともいえない。解決したので一段落というだけでなく、自然災害に備えるように、そのリスクに対して、どう向き合うかを念頭におくタイミングか。
2. 交通インフラDX推進コンソーシアム設立
JTOWER、住友電気工業、日本信号、NECの4社が「交通インフラDX推進コンソーシアム」を設立したことが報じられている(ケータイWatch)。参加組織はこれ以外にもNTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルと携帯大手4社に加えて、日本自動車工業会、パナソニックコネクト、東京大学、慶應義塾大学など全29団体である。この組織を通じて「信号機の高度化など交通インフラのDXを進める」ために、「信号機への5G基地局設置、自動運転などの社会実装を目指す」としている。
そもそも交通インフラのDXを検証する例としては、総務省による「PRISM事業」があった。ここでは「信号機への5G基地局設置や信号機の集中制御化の促進」が検討されたが、この事業が終了したことに伴い、「信号機から収集したデータの活用に対する社会ニーズや社会価値創出、社会課題解決などへの有効性の検証などの必要性」からこの新たな組織に設立となった報じられている。
ニュースソース
- 信号機に5G基地局、JTOWERやNECなどが交通インフラDXのコンソーシアム設立[ケータイWatch]
3. 「キャッシュレス法」11月施行
「情報通信技術を利用する方法による国の歳入等の納付に関する法律」、いわゆる「キャッシュレス法」は2022年5月9日に公布され、11月1日に施行される。これは「国の歳入の納付に関する他の法令の規定にかかわらず、インターネットバンキングなどの情報通信技術を利用しての納付を可能とさせる」法律である(Impress Watch)。ただし、施行日に一律に対応するわけではない。「あくまで各省庁が判断して準備が整ったものから順番に主務省令に手続きが加えられていく流れとなる。また利用可能な決済手段はポジティブリスト方式で定められ、手続きによって利用可能なものが異なり、すべてに一律適用されるわけではない」という。比較的早期に対応されそうな「検討中」のものとして「自動車検査登録手数料」「旅券発給手数料」「登記関連手数料」「交通反則金」が挙げられている。
記事によれば「日本のキャッシュレス対応は諸外国に比べて遅れているといわれる。例えばアジアだけを見ても、韓国の94.7%、中国の77.3%、シンガポールの57.6%に対し、2020年の日本のキャッシュレス決済比率は29.7%で、2021年の調査で32.5%とようやく30%の壁を乗り越えた」とされていて、キャッシュレス化を推進する余地は大きいとみられる。
また、2023年1月から国土交通省は車検証の電子化を開始する。「『自動車検査証情報』がICタグに含まれるようになり、スマートフォンなどで読み取れる」ようになるという(ケータイWatch)。これにあたり「電子車検証特設サイト」を開設した。
ニュースソース
- 「キャッシュレス法」11月施行。車検費用や交通反則金など[Impress Watch]
- 2023年から「車検証の電子化」、国交省が特設サイトオープン[ケータイWatch]
4. アップルが日本時間9月8日午前2時に発表会開催へ
かねてうわさされていた米アップルの新製品発表が9月8日午前2時(日本時間)に行われることが正式に発表された。内容はオンラインでも配信される。
記事によれば「例年9月のイベントでは、iPhoneの新モデルが発表されており、今回、どのような機種として発表されるか、注目が集まる。あわせてiOS 16の提供開始なども案内されると見られる」としている(ケータイWatch)。注目点は内蔵カメラの性能向上と、為替の変化の影響による価格設定か。
一方、新プロセッサー「M2」を搭載する「iPad Pro」「Mac mini」「Mac Pro」「MacBook Pro」はこの10月にも発表されるのではないかという推測記事も掲載されている(CNET Japan)。こちらの確からしさは不明だ。
いずれにしても、長期化する製品を製造するための半導体不足などの問題、製造に必要なエネルギーの問題など、今後のハードウェアの供給状況は明るい話題ばかりではない。
ニュースソース
- アップルが9月8日2時に発表会開催へ、新型iPhoneに期待[ケータイWatch]
- アップル、M2搭載の「Mac」「iPad Pro」を10月に発表か[CNET Japan]
5. 米国では動画配信の視聴がケーブルテレビの視聴を上回る
米国の動画視聴の動向に大きな節目が訪れたようだ。これは米国固有の出来事ではなく、日本における動画視聴動向の将来像になる可能性もあると考えられ、今後の動きには注目すべきだろう。
調査会社ニールセンが発表した調査結果によると、この7月、全テレビ視聴時間のうちの動画配信サービスが34.8%を占めたという。これはケーブルテレビの34.4%、従来のテレビ放送の21.6%を超えている。さらに、ネットフリックスは7月の全視聴時間の8%を占め、その他「『Amazon Prime』『YouTube』『Hulu』など、その他複数の配信サービスも、全視聴時間に占める割合が7月に過去最大を記録した」としている(CNET Japan)。
ニュースソース
- 米テレビ視聴、動画配信が初めてケーブルテレビを上回る–ニールセン[CNET Japan]