「京急油壺マリンパーク」をVRで再現–日本初の水族館バーチャル移転プロジェクト

CNET Japan

 Psychic VR Labは8月25日、路上博物館、京浜急行電鉄の2者が主催したクラウドファンディング企画「京急油壺マリンパーク3D化計画〜みんなで残そう思い出と歴史〜」で作成した「VR京急油壺マリンパーク」に参画したと発表した。

 VR京急油壺マリンパークは、2021年9月30日に53年の営業を終了した神奈川県三浦市の水族館「京急油壺マリンパーク」を、バーチャル空間上に移転。53年の歴史ある建物とその展示、これまで来場した人々の想い出、施設のこれまでの歴史を3種類のバーチャル空間上に構築し、8月25日からインターネット上で無料公開している。

 PCやスマートフォン、ヘッドマウントディスプレイなどを利用して、いつでも誰でも自由に来場可能。水族館をデジタル空間に再構築して保存(デジタルアーカイブ)する、日本初のバーチャル移転プロジェクトになるという。

 3種類のバーチャル空間のうち2つは、京急油壺マリンパークにあった施設を三次元計測などの技術で再現。当時東洋一の水族館として開園した水族館の水槽、巨大サメ「メガマウス」の剥製標本の3Dモデルなどを再現した「魚の国」と、イルカやアシカのショーをしていた劇場を再現した「VR屋内大海洋劇場ファンタジアム」を用意する。

 もう1つの資料館「想い出館」は、VR京急油壺マリンパークに伴い新たにデザイン。建設当時の貴重なアルバム資料や過去のパンフレットなどのアートワーク、クラウドファンディング支援者の写真、メッセージなどを展示し、京急油壺マリンパークの積み重ねてきた歴史や想い出を追体験できるという。

 京急油壺マリンパークは、1968年(昭和43年)に、魚類学の権威である末廣恭雄氏(初代館長)の構想の下、東洋一の水族館として開館。当時としては最先端の「魚類の持つ意外な能力や感覚に関する研究成果を展示する水族館」という教育普及をコンセプトに取り入れている。

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