日本を代表する遺伝子検査・研究会社であるジェネシスヘルスケア株式会社は、日本初となる全ゲノムシーケンシング遺伝子検査キット「GeneLife WGS」の販売に先立ち、その新商品発表体験会を2022年7月28日(木)に開催した。新商品発表体験会では、マネックスグループでグローバルアンバサダーを務めるイェスパー・コール氏による「健康とイノベーションの未来」についての講演、遺伝子検査の解析をしている研究所の見学、「GeneLife WGS」の体験が実施された。
■診断しづらい病気を早期に発見できる
新商品発表体験会は、ジェネシスヘルスケア株式会社 共同創業者 取締役副会長 佐藤 バラン 伊里氏の挨拶から始まった。
同社は2004年以来、遺伝子研究のパイオニアとして、遺伝子検査を通じた予防医療と健康増進を推進するバイオテクノロジーのリーディングカンパニーとして活動してきた。ジェネシスヘルスケアは、18年以上にわたる遺伝子研究開発の成果を活かし、医療機関や消費者の皆様に、個別化された健康・医療への進化を支援する。ジェネシスヘルスケアとジーンライフは、長年にわたり130万人以上の利用者に信頼され、遺伝子検査を行なっている。
クリントン米大統領によるヒトゲノム解析の終了宣言から今年で20年になる。そこから研究者は、遺伝子のタンパク質の解明に追われていた。
昨年、今まで解明できなかった約8%のDNAを明らかにし、2022年3月、ヒトゲノムのマッピングに成功したことが正式に発表された。
同社も18年にわたる遺伝子の研究開発を続けており、日本初となる全ゲノムシーケンシング遺伝子検査キット「GeneLife WGS」を2022年8月1日より発売する。
佐藤 バラン 伊里氏は、「診断がなかなかつかない病気でも、遺伝子疾患を通じて早期に発見できることから、この事業を発表させていただく運びとなりました。」と、新規事業となる「GeneLife WGS」について語った。
■健康も豊かさのひとつ
引き続き、マネックスグループ グローバルアンバサダーであり、同社取締役 イェスパー コール氏が登壇し、「健康とイノベーションの未来」 についての講演が実施された。
同氏は1986年より日本在住。経済学者、投資家、後援者、プロデューサー。米国投資銀行のチーフストラテジストおよび調査部長を務め、日本のトップストラテジスト エコノミストの 1 人。現在、マネックスグループおよび日本カタリストファンドのエキスパートディレクター、沖縄科学技術大学院大学(OIST)の理事を務め、アジア・ソサエティ・ジャパンの創設者兼理事、政策委員会の委員長であり、経済同友会の数少ない外国人会員の一人でもある。
「健康とイノベーションの未来」と題した講演では、本当の豊かさはお金だけでなく、健康も豊かさのひとつであることを強調した。
日本のヘルスケアは、世界的にみても高く、世界一であるという。実際、日本の平均年齢は世界でもトップクラスであり、平均寿命も高い。
「遺伝子とAIは健康革命の起爆剤」であるとし、ヒトゲノムの最後の8%を解読したことで、その人のかかりやすい病気がわかり、病気を未然に防げるようになる。
イェスパー コール氏は、「ゲノムを解析すれば、エビデンスベースで自分の健康をチェックできます。何の病気になるのか、ピンポイントでわかります。」と、「GeneLife WGS」の優位性について語った。
■スマートフォン並みの価格で、全ゲノムを解析
最後に、ジェネシスヘルスケア株式会社 執行役員 プロダクト&イノベーション担当 ミシェルモメジャ氏から新商品「GeneLife WGS」の説明があった。
「GeneLife WGS」は、日本初となる全ゲノムシーケンシング遺伝子検査キットであり、同社の18年におよぶ遺伝子研究を経て提供するものだ。価格は14万9,990円(税込)。2022年12月31日まで毎月500キットを販売する予定。
※1…本邦初のDTC(消費者向け)全ゲノム解析遺伝子検査。2022年7月、同社調べ
同社の遺伝子検査キット「Genesis2.0 Plus」では約360項目が解析可能だったのに比べ、「GeneLife WGS」は最先端の全ゲノムシーケンシング技術に基づき、国際エキスパートパネルClinVar※2に登録された6,130以上の疾患項目の解析に加え、ACMG※3が被験者に結果を開示すべきであると提示した62の疾患項目を含む約6,200の疾患項目や、約360の予防・ウェルネス項目など6,500項目以上を解析する。
※2…米国国立生物工学情報センターのヒトゲノムの多様性と関連する疾患のデータベース
※3…米国臨床遺伝・ゲノム学会
〇ClinVarに登録された疾患項目例
がん:胃がん、大腸がん、肺がん、膵臓がん、骨肉腫、メラノーマ、卵巣がん、前立腺がん、肝細胞がん、食道がんなど
心血管系疾患:心筋梗塞、高血圧症、先天性心疾患、動脈瘤、血管腫など
希少疾患:免疫不全、筋ジストロフィー、肥大型心筋症、高コレステロール血症など
その他:アルツハイマー病、認知機能障害、糖尿病、メニエール病、鼠径ヘルニア、脳性麻痺、慢性腎臓病、パーキンソン認知症症候群など
〇ACMGが被験者に結果を開示すべきであると提示した疾患項目例
がん:家族性乳がん・卵巣がん症候群、リンチ症候群、ウィルムス腫瘍、若年性ポリポーシス症候群、神経線維腫症2型、結節性硬化症など
心血管系疾患:家族性高コレステロール血症、マルファン症候群、拡張型心筋症1A、家族性肥大型心筋症など
先天性代謝異常症:ファブリー病、オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ欠乏症など
その他:悪性高熱症、ウィルソン病など
<製品概要>
正式名称:GeneLife WGS(https://www.genelife.jp/products/wgs)
販売価格:149,990円(税込)
対象年齢:18才〜(18才未満は親権者の同意が必要)
検査期間(目安):6~8週間 (検体到着後)
結果の閲覧方法:アプリ(URL:https://www.genelife.jp/pages/app)
キットの有効期限:出荷翌月から2か月
販売開始日:2022年8月1日
※2022年12月31日まで毎月500キットを発売予定
ミシェルモメジャ氏は、「2003年に初めて行われた全ゲノムの配列決定には、13年の年月と30億ドルの費用がかかりました。技術の進歩に伴い、スマートフォン並みの価格と数週間で全ゲノムのシーケンスを行うことができるようになりました。実際は、ひとりのゲノムを解析するのに48時間かかりません。価格とスピードがテクノロジーの進歩とともに大きく進化しました。」と、同社の遺伝子解析技術の高さを強調した。
ジェネシスヘルスケア株式会社 最高技術責任者 宮原武尊氏が語る!全ゲノムシーケンシング遺伝子検査キット「GeneLife WGS」の魅力
YouTube:https://youtu.be/2XGQfL8e1Jo
■最新設備が揃った研究所を見学&「GeneLife WGS」体験会
今回、特別に研究所を見学することができた。
人のDNAはA・T・G・Cの4種類の塩基から構成される。塩基の配置は人類共通であり、約30億ある。このうちの約0.1%にあたる300万〜1000万カ所は、個人によって異なる。
「GeneLife WGS」では、DNAを解析する装置(シーケンサー)を使用して、人間のDNAに存在する約30億の塩基対のすべてを調べられる。これにより、遺伝子が原因となり発症する病気がわかる。
体験会では、希望者は「GeneLife WGS」を体験できた。唾液を採取して提出すれば、6〜8週間ぐらいで検査結果が出る。
検査結果はスマートフォンアプリ「GeneLife3.0」にて確認ができる。ClinVarおよびACMGの結果については、センシティブな内容が含まれる可能性があるため、事前に提携クリニックの医療従事者によるカウンセリングが提供される。
全ゲノムシーケンシング遺伝子検査キット「GeneLife WGS」は、遺伝的な疾患リスクや体質など6,500項目以上を解析できる。価格は14万9,990円(税込)であるため、検査に躊躇する人もいるだろう。しかし、健康は豊かさのひとつであり、病気になれば、それ以上のお金がかかるかもしれない。また病気によっては、発病してしまうと、一生付き合う必要がある。そうした病気を未然に防ぐという意味では、もっとも安価で確実な投資と言えるだろう。
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