杜撰内容で回収の「Web3教本」起業家著者が謝罪 「私の至らなさが原因」「一から勉強し直します」

J-CASTニュース

   内容の誤りを指摘され回収が決まった書籍『いちばんやさしいWeb3の教本―人気講師が教えるNFT、DAO、DeFiが織りなす新世界』をめぐり、著者の田上智裕氏が2022年8月1日、「多大なるご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪した。


  • インプレスウェブサイトより

「書籍制作時に行う外部有識者によるチェックを怠った」

   『Web3の教本』は7月20日にインプレス社から発行した。累計70万部を超える同社の人気シリーズ「いちばんやさしい教本」の一つで、次世代のインターネットとされる「Web3」を解説している。

「日本におけるWeb3事業の発展をリードしてきた若手起業家のひとり、田上智裕氏が渾身の力で書き下ろしたWeb3の解説書です(中略)これまでの豊富な知見をもとに、Web3の特徴やなりたち、仕組み、開発手法、収益構造、NFTやDAOなど各要素の関係性、日本における課題と未来について、一般のビジネスパーソンでも理解できるよう、『いちばんやさしく』そして『いちばんくわしく』解説しました」(販売ページより)

   田上氏はチームラボ、リクルートを経て2018年にIT企業を設立した。書籍販売ページによれば、内閣官房主催「ブロックチェーンに関する関係府省庁連絡会議」および「ブロックチェーン官民推進会合」に有識者兼オブザーバーとして参画経験がある。

   発売キャンペーンで内容の一部がネットで無料公開されると、SNSでは誤りが続々指摘された。根本的な理解が足りていないとの厳しい意見もあり、著者や出版社に説明を求める声が少なくなかった。

   インプレスは7月25日、著者や外部有識者、編集部で検証をしたものの、「ご意見いただいた誤りやわかりづらい表現箇所を修正・反映しての本書の販売継続は難しい」と判断し、販売終了と回収を発表した。誤りに気付かなかった原因は「書籍制作時に行う外部有識者によるチェックを怠った」と説明している。

   田上氏は8月1日、ツイッターで事態を報告し「多大なるご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪した。

   「何か自分にできることはないかと長らくこの業界で活動してきましたが、結果的に今回このような騒動を招いてしまい大変申し訳ありませんでした。ひとえに、私の至らなさが原因です」と事情を伝え、「また応援していただける取り組みができるように、改めて一から勉強し直します」としている。

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