本連載では【使いこなし編】の第48回から第53回まで、Amazonの「Fire TV Stick」と、アイ・オー・データ機器の「REC-ON」シリーズを組み合わせて、録画したテレビ番組をWi-Fi経由で視聴する環境を紹介した。
これと似ているが、バッファロー版の「nasne(ナスネ)」と、「PS5」やAmazon「Fire TV Stick」、または、スマホや「Chromecast with Google TV」向けの「torne mobile」アプリを組み合わせて、自宅内のWi-Fiだけでなく、外出先のモバイル回線やホテルで提供されているWi-Fiにつなぎテレビで視聴する方法や便利な使い方などを紹介している。
前回までに、WindowsやmacOSから、nasneをドライブとして使えるようにしてみた。今回は、前回PCでnasneに保存したファイルに、iOSとAndroidのスマホからアクセスしてみよう。自宅LAN内で、PCで使っているファイルを、手軽にチェックできるようになる。
前回までのPCからのアクセス方法では、nasneの「ファイルサーバー名」でも固定したIPアドレスでも接続可能だったが、もっとも確実なのは固定IPアドレスを指定することだ。スマホから接続する場合、これがもっとも確実な方法だ。
LAN内で頻繁にアクセスされる側となるネットワーク機器は、IPアドレスを固定しておくと便利になるのでオススメだ。この例では、nasneのIPアドレスを「192.168.1.12」に固定しているが、nasneのIPアドレスを固定していることを前提としている。
自宅LANでのIPアドレス固定化については、連載の第38回以降で詳しく解説しているので、参考にして欲しい。
iPhoneでは、iOS 11以降標準で搭載された「ファイル」アプリでnasneの共有フォルダーにアクセスできる。iOSが持つクイックルックの機能で、写真やプレーンテキストはもちろん、Microsoft Officeドキュメント、PDFファイルなどを直接表示できる。
MP3やM4Aなどの音楽ファイル、MP4といった動画ファイルも再生できる。必要なら、ファイルをロングタップしてiPhone内の[ダウンロード]フォルダーに保存しておくことも可能だ。
外出先で必要になるファイルは、ロングタップすると表示されるメニューで[移動]を選ぶと、iPhone内の[ダウンロード]フォルダーに保存できる。
クイックルックでは編集はできず、表示のみとなるが、Microsoft Officeドキュメントは、標準で付属する「Pages」(ワープロ)や「Numbers」(表計算)で開けば編集することもできる。ただ、互換性を保ってOfficeファイルを編集したい場合は、ExcelやWordのモバイルアプリを使うといいだろう。
ファイルはiPhoneに一時保存してもいいし、共有フォルダーのファイルを直接開いて編集することもできる。
[*1]……10.1インチより大きいタブレットで編集するには、有料のMicrosoft 365の有料ライセンスが必要
自宅内のLANには限られるが、PC作業に疲れたときにでもベッドに寝転がって、ちょっとしたお仕事をこなすこともできてしまう。
こういった作業は、クラウドストレージディスクを経由して行うのが一般的だが、容量を増やして長期間使うとけっこうなコストになる。nasneの共有フォルダーに保存するなら、容量次第では外付けHDDの購入などは必要だが、長く活用すれば安価。LAN内でファイルを共有する程度なら、ぜひ活用して欲しい。
次回は、Androidスマホで同じような作業をしてみよう。