アクエリアスが「1本50円」 工事現場・工場で広がる「熱中症対策自販機」、企業のねらいは

J-CASTニュース

   工事現場や工場など、夏場に高温になりやすい作業所で「熱中症対策自販機」の設置が進んでいる。事業者が飲料費用を負担することで、現場で働く人たちが安く飲料を買えたり、無料で飲料をもらえたりするシステムだ。

   2022年は各地で観測史上最速の梅雨明けを記録し、連日猛暑日が続くなど、現場労働者の熱中症リスクが心配されている。各社の取り組みを取材した。


  • ツイッターで拡散された「アクエリアス50円」自販機(sina_mtcさん提供)


  • 青森県の素材メーカーに設置された「DAKARA給水所」(サントリー食品インターナショナル提供)

設置先が費用負担し、現場で働く人に水分補給の機会を提供

   「これはありがたい」――。6月22日、仕事のため宮城県内の工事現場を訪れたツイッターユーザーのsina_mtc(@Sina_mtc)さんは、現場に設置されていた自販機を見て、感謝の思いを口にした。「熱中症対策自販機」と書かれた自販機で売られていたのは、清涼飲料水の「アクエリアス」。600ミリリットルサイズのペットボトルで、価格は50円だ。

   sina_mtcさんは6月23日、J-CASTニュースの取材に「規模が大きい工事現場なので、熱中症対策をしっかりしていて、業者のことを考えている素敵な現場だなと思いました」と話す。自動販売機を映した投稿は2.5万リツイート、19万いいねを超える反響を集めた。

   コカ・コーラグループで自販機事業を手がけるコカ・コーラボトラーズジャパンの広報担当者は6月29日、取材に「福利厚生の一環として設置先さまが費用負担をされ、設置先さまの現場で働く方に向けた水分補給の機会として、提供されているものになります」と説明する。話題になった工事現場以外にも同様の自販機は設置され、商品ラインアップは「設置先さまのニーズをお伺いしながら反映しています」とした。

   消防庁のデータによると、21年5月~9月にかけて熱中症により救急搬送された人は全国で4万7877人にのぼる。発生場所は住居(39.4%)、道路(17.5%)で半数を占め、次いで多かったのが道路工事現場、工場、作業所などの仕事場(11.2%)だ。屋外の仕事場は直射日光や強烈な「照り返し」を受け、風通しが悪い工場は熱がこもりやすい。

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