オウガ・ジャパンは6月16日、おサイフケータイ対応のミドルレンジスマホOPPO「OPPO Reno7 A」を発表、23日からキャリアや量販店などより順次販売を開始する。一足早く試用する機会に恵まれたのでレポートをお届けしたい。
6.4型OLED、Snapdragon 695 5G、6GB/128GB、おサイフケータイ対応で4万4,800円!
今回ご紹介するOPPO Reno7 Aは、約1年ほど前に販売された「OPPO Reno5 A」の後継機に相当する。そう言えば間の「Reno6 A」はなかったの? と、調べてみると「Reno6」、「6Pro」、「6Pro+」はあったようだが、6 Aは存在しなかった。
大きく変わったのはSoC、デザイン、重量、バッテリ容量、OLEDへ、カメラは画素数が少し減りモノクロなしへ。もちろんおサイフケータイは引き続き対応している。価格は若干上がった感じか(Reno5 Aは3万4,950~3万9,800円)。
ただこの点は、構成的に上がったのか、円安の影響で上がったのかは不明だ。最近IT関連に関わらず軒並み値上げ。加えてIT系に関しては半導体不足で納期も結構かかっている。欲しい人は現物がある内に早めの買う方が無難そうだ。主な仕様は以下の通り。
OPPO「OPPO Reno7 A」の仕様 | |
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SoC | Qualcomm Snapdragon 695 5G(オクタコアCPU 2.2GHz×2+1.8GHz×6)、Adreno A619を内包 |
メモリ | 6GB/PDDR4x @ 2133MHz |
ストレージ | 128GB |
OS | ColorOS 12(Android 11) |
ディスプレイ | 6.4型OLED(2,400×1,080ドット)、アスペクト比20:9、リフレッシュレート最大90Hz、100% DCI-P3/136% sRGB |
ネットワーク | Wi-Fi 11ac、Bluetooth 5.1、NFC(FeliCa対応) |
SIM | Nano SIMカードスロット×2(1つmicroSDと排他)、eSIM |
対応バンド | 5G:n3/n28/n41/n77/n78 4G:LTE-FDD Band 1/3/4/5/8/12/17/18/19/26/28 TD-LTE Band 38/40/41/42 3G:UMTS(WCDMA) Band 1/4/5/6/8/19 2G:GSM 850/900/1800/1900MHz |
インターフェイス | USB 2.0 Type-C、microSD、FMラジオ、モノラルスピーカー、3.5mmジャック |
センサー | 地磁気センサー、近接センサー、光センサー、加速度センサー、ジャイロセンサー、重力センサー、ステップカウント機能対応、ディスプレイ指紋認証、顔認証 |
位置情報サービス | GPS、BeiDou、GLONASS、GALILEO、QZSS |
カメラ | 前面:約1,600万画素/F2.4 背面: 広角:約4,800万画素/F1.7、超広角:約800万画素/F2.2、マクロ:約200万画素/F2.4 |
サイズ/重量 | 約73.4×159.7×7.6mm(幅×奥行き×高さ)/175g |
バッテリ/駆動時間 | 4,500mAh、8Wの急速充電対応。最大39時間オーディオ再生/最大20時間ビデオ視聴 |
そのほか | IPX8/IP6X |
カラー | ドリームブルー、スターリーブラック |
価格 | 4万4,800円(OPPOオンライン) |
SoCはQualcomm Snapdragon 695 5G。オクタコアCPUでクロックは2.2GHz×2+1.8GHz×6。GPUとしてAdreno A619を内包している。Reno5 AはSnapdragon 765 5Gだったので、型番的にはランクダウンしている。ただし、同社によると世代が新しいので、ベンチマークテストのスコアは本機の方が上とのこと。後半のベンチマークテストで少し違うがSnapdragon 730Gと比べるとSnapdragon 695の方が若干速かった。
メモリはPDDR4x @ 2,133MHzの6GB。ストレージは128GB。なお仮想記憶に対応し、メモリを+2/3/5GBの3段階に拡張できるようになっている。仮想記憶はPCの世界では当たり前の技術であるが、ついにスマホへ降りてきたという感じだろうか。OSはAndroid 11ベースのColorOS 12。Android 12ベースのColorOSへも対応するとのこと。
ディスプレイは6.4型OLED(2,400×1,080ドット)、アスペクト比20:9、リフレッシュレート最大90Hz、100% DCI-P3/136% sRGB。Reno5 Aが6.5型IPS式液晶パネルだったので、気持ち小さくなったものの、OLEDなのは嬉しいポイントと言える。
ネットワークはWi-Fi 11ac、Bluetooth 5.1、そしてNFC(FeliCa対応)と、おサイフケータイ対応だ。最近他社も含め続々とこのクラスで対応モデルが出てきており、なかなか良い傾向だ。スマホにおいて唯一のガラパゴス的な部分であり、これがあるのとないのでは使い勝手が大きく変わる。
SIMはNano SIMカードスロット×2(1つmicroSDと排他)、eSIM。しっかりeSIMにも対応している。対応バンドは表をご覧いただきた。若干少なめだろうか。
インターフェイスはUSB 2.0 Type-C、microSD、FMラジオ、モノラルスピーカー、3.5mmジャック。モノラルスピーカーが個人的には残念なところ。センサーは、地磁気センサー、近接センサー、光センサー、加速度センサー、ジャイロセンサー、重力センサー、ステップカウント機能対応、ディスプレイ指紋認証、顔認証。位置情報サービスはGPS、BeiDou、GLONASS、GALILEO、QZSSを搭載する。
カメラは前面が約1,600万画素/F2.4。背面は広角:約4,800万画素/F1.7、超広角:約800万画素/F2.2、マクロ:約200万画素/F2.4。マクロはともかく、広角と超広角の画素数が異なるのは気になる部分だ。
サイズ約73.4×159.7×7.6mm(幅×奥行き×高さ)、重量175g。4,500mAhのバッテリを内蔵し、8Wの急速充電対応。最大39時間オーディオ再生/最大20時間ビデオ視聴。防塵/防水のIPX8/IP6Xにも対応する。
カラーバリエーションはドリームブルー、スターリーブラックの2色。そしてこれだけの構成にもかかわらず価格は4万4,800円(OPPOオンライン)と、なかなかのコストパフォーマンスを誇る。
手元に届いたのはスターリーブラック。独自の背面加工「OPPO Glow」がほかとは違う雰囲気を醸し出す。また指紋が付きにくいのもGoodだ。そしてとにかく薄くて軽い。実測で176g。200g前後のスマホが多い中、この軽さは特筆に値する。
前面は左上にパンチホール式の前面カメラ。フチは上左右がある程度狭い。これ以上狭いと持った手でパネルの端が隠れてしまうのでちょうどいい。背面は左上にカメラ群。その横にFeliCaマークがある。左側面にSIM/microSDスロット、音量±ボタン。下側面に3.5mmジャック、Type-C、スピーカー。左側面に電源ボタン。上側面は何もない。
付属品は、今回本体のみ送られてきたので写真は撮れなかったが、仕様によるとイジェクトピン、保護フィルム(貼付済み)、保護ケース。ACアダプタ、USBケーブル、イヤフォンなどは付属しない。
6.4型OLED(2,400×1,080ドット)のパネルは、iPhoneなどと比較すると少しランクは落ちる感じだが、それでも液晶パネルと比較すると断然良い。明るさ、コントラスト、視野角、発色も良好。明るさは最大にすると炎天下の写真撮影でも十分見える。今回ずっとリフレッシュレート最大90Hzで試用したが表示は滑らか。余談になるが、たまに8~11型クラスのWindowsタブレットを操作すると、そのガタガタさに驚いてしまう(笑)。
発熱はベンチマークテスト中も含めほとんど熱を持たなかった。サウンドはスピーカーがモノラルなのは残念だが、パワーも十分あり、50%でも結構煩い。3.5mmジャックからの出力は、SONY MDR-EX800STで視聴したところ、パッと聴いた瞬間、ベースやバスドラの音が前に出る。その分、高域の抜けがイマイチだが、このピラミッドバランスがマッチするジャンルであればハマるだろう。またギターなどの弦を弾く感じがリアルだ。
よく写るがOISなしなので暗いとことは手ぶれ注意!
カメラは、前面は約1,600万画素/F2.4。背面は、超広角:約800万画素/F2.2、広角:約4,800万画素/F1.7、マクロ:約200万画素/F2.4。
出力画素数は前面3,468×4,624ピクセル、背面は、順に2,448×3,264ピクセル、3,000×4,000ピクセル、1,200×1,600ピクセル。広角はデジタルズームしても出力画素数は変わらない。動画は、前面1080P/720P@30fps(AIビューティーON:720P@30fps)、背面1080P/720P@30fps(スローモーション:720P@120fps)。H.265とH.264を切り替え可能だ。
元の写真に好きな写真の色合いを合成できる「AIパレット」、夜景の明かりを玉ボケにして人物を撮影できる「ネオンポートレート」が前面カメラでも利用できるようになった。
撮影モードは夜景、動画、写真、ポートレート、その他。その他にはアウト/イン同時撮影、スローモーション、タイムラプス、エキスパート、超高解像度、パノラマ、テキストスキャナー、マクロ、ステッカー。
写真/ポートレートは背面カメラはAI美化処理0-100%。前面カメラだと、ナチュラル、リセット、スキンテクスチャ、頬、目のサイズ、鼻、顎、頭、タッチアップ、3Dと言ったビューティー機能=いわゆる盛れる機能が入っている。マクロは4cm程度離れて撮るよう、メッセージが出る。
設定は、アスペクト比、タイマー、48MP(OFF)、透かし、音量ボタンの機能、位置、構図、詳細設定など。以前からそうだったが難しい機能は入っておらず、iPhone同様、サクッと撮って綺麗な写りを目指している感じだ。
表示/編集は写真アプリを使う。編集機能は豊富でトリミングと回転、調整、フィルター、マークアップ、テキスト、モザイク、レタッチ、AIパレット、ステッカー、消しゴム、ぼかし……とこれだけある上に、レタッチやぼかしはさらに細々調整が可能だ。AIパレットは火星、ゴシック、レッドオレンジとアルバムから追加することもできる。
実際の使用感は、とにかくシャッターボタンを押すだけでよく撮れる。起動、AF、確認……引っかかることなくスムーズだ。ただOISがないため暗い場所では手ぶれに注意しないと結構ぶれる。ここだけは仕方しと言ったところか。
以下作例を日中10点、夜10点、人物(前面/背面)2点の計22点掲載する。基本写真モードでオート(HDR/Auto、ストロボ/OFF)。白い車はデジタルズームx5、人形/恐竜/看板/バイクはポートレート、人物/前面はデフォルトのスキンテクスチャ:30%、頬:30%、目のサイズ:30%、鼻:30%、顎:0%、頭:0%、タッチアップ:30%、3D:30%。人物/背面はAI美化処理:50%で撮影した。
一部露出補正を必要としたがシャッターを押すだけでこれだけ撮れれば十分。日中はもう少しコントラストが高くても良さそうだが、後から編集でどうでもなる範囲だ。x5のデジタルズームは等倍で見ると少し絵のような感じになっているが、ソーシャルに上げる程度の解像度になれば分からない範囲だろう。いずれにしてもこの価格帯でこの写なら文句なし。
肌色系は前面/背面ともデフォルトで効果が入っておりちょっと盛った感じとなる。とは言え、OFFで撮っても後からアプリで盛るケースが多く、それを撮影時にできるのであれば楽なのには違いない。
ストレスを感じないSnapdragon 695 5Gでバッテリ駆動は16時間超え!
ベンチマークテストは簡易式だが、GeekBench 5とGoogle Octane 2.0、そしてバッテリ駆動時間はWi-Fi経由でフルHDの動画を輝度50%、音量50%で全画面連続再生した結果となる。
まずGeekBench 5は、Single-core: 688、Multi-core: 2,031、Vulkan: 1,259と今年のSnapdragon 6系だとこの程度……か的なスコアだ。Google Octane 2.0は17,498。参考までにReno5 A搭載のSnapdragon 765 5Gに近いと思われるSnapdragon 730Gのスコアは順に525/1,680/1,050/18,663。本機はGoogle Octaneだけ負けているものの他は結構な差が出ている。
バッテリ駆動は16時間少し過ぎて電源が落ちた。これまでいろいろなスマホで同じテストを行なったが16時間超えは初ではないだろうか? いずれにしてもこれだけ動けば十分以上と言える。
以上のようにOPPO「OPPO Reno7 A」は、Snapdragon 695 5G/6GB/128GB/最大90Hzの6.4型OLEDを搭載し、厚み7.6mm、重量175gと薄くて軽いスマホだ。加えて防塵・防水IPX8/IP6X、eSIM、そしておサイフケータイ……とツボを押さえた上で4万4,800円。非常にリーズナブルな価格に設定されている。
ベンチマークテストの結果だけ見るとハイエンドに遠く及ばないものの、実際使ってみると、かなり普通に使うことが可能。カメラもよく写り、特に欠点らしい欠点もない(あえてあげればスピーカーがモノラル)。5万円未満で全部入りのスマホを探しているユーザーにお勧めしたい逸品だ。
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