12人で1人を支える設計自体が詐欺だった年金制度

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またまた政府は年金制度の延命に走る

飲食、宿泊業に厚生年金拡大検討 25年法改正目指す、経営反発も

政府は夏以降、飲食、宿泊業について、従業員の厚生年金加入を義務付ける個人事業所の範囲を拡大する制度改正の本格検討に入る。2025年の通常国会で必要な法改正を目指す。厚生年金が加われば年金額が手厚くなる。老後の生活安定を狙う。保険料は労使折半で負担が増す経営側の反発が予想される。

年金制度が未来永劫ちゃんとして今と同じ額をもらえるものなら確かに安定するだろうが、人口激減していてそんなことはあるわけがない。

1945年生まれは払った額の4.3倍も厚生年金がもらえる・・・・金利で計算したら11%!!!
1995年生まれはたったの2.3倍

そもそもの元凶はあり得ないほど甘すぎる人口将来予測

が、たったの2.3倍にはM1エイブラムス戦車が落ちるくらいの落とし穴があります。
この計算は「人口推移予測が中位」で試算されているのです。

この中位予測というのは、国立社会保障・人口問題研究所というところが出しているのですが、楽観的過ぎて妄想に近く、必ず外れて現実は予測より低くなります。中位どころかいままで低位でしかあたっていないし、あたらないものだからどんどん年代ごとに予想を下げていきます。これはもう、ずっと時の政権に忖度しているとしか思えない予想値。これをもとに年金や税金やGDP予測をしている各官公庁はなんで文句を言わないのか・・・・

いったいどんな人たちがこの組織にいるのだろう。スタッフを見ると、ほぼ全員が部長か室長。ww 平が殆どいない。こんな組織ありますか? 天下り専門機関なのかな。知らんけど。

例えば内閣府の人口予測が

になっていて、前提は中位で予測されているがその前提が(合計特殊出生率について、2010年に1.39の実績値が2013年まで推移し、その後、2024年までに1.33に下降、その後、2060年までに1.35まで上昇)になっているわけですが2021年に1.30となり、6年連続で前の年を下回っているわけです。どうして2024年から2060年までに上昇するのかも謎。で、結局

もう中位どころかやはり低位です。

21年の出生率1.30 少子化対策見劣り、最低に迫る

つまり人口予測は内閣府の公表よりはるかに速いスピードであり、1945年生まれは払った額の4.3倍も厚生年金がもらえるが、1995年生まれはたったの2.3倍というのも中位予測ですから、実際には1995年生まれは1.5倍以下とかかもしれません。もう普通預金みたいなもんです。

年金制度が続く前提は税金と国債で永遠に穴埋めすることになっている

しかしここにも落とし穴があり、

この差額を税金や国債を発行して埋めてきたわけですが、今後、益々高齢者が増えて現役が減る訳なので、保険金収入は減って支払いは増え、差額を国債で埋めようにもすでに1000兆円に達したおかげで金利が上げられないからどんどん円安が進むから無理筋。これ以上無制限に国債を発行すると永遠に金利が上げられないから円安がどんどん進んで景気が悪いのにインフレが止まらない。

要するにここ20年少子化対策をしないで足りない年金を国債で補填してきたわけですが、もうどうにもこうにもならないところまで来ている。そもそも年金制度が根本的に間違っていた。人口が永遠に増え続けてるという設定で減ることを想定していなかったという馬鹿みたいな制度です。新規会員から集めた金で古い会員に金を配るポンジスキームは詐欺の一種ですが、ほとんど同じです。

これまた中位予測なので未来の部分はもっと悪化するとして

1960年は11.2人の現役が高齢者1人を支えたのが1.4人で支える(中位予測で!!)未来なわけなんだから、

同じレベルの年金が払えるわけないじゃん

というのが子どもでも分かります。

年金制度は崩壊しないというが、それはメチャクチャに減額するか、または穴埋めする国債を永遠に発行するということであってそんなことは無理。実際に年金を補填するはずだった企業年金は積立不足でバンバン破綻した。

破綻するというのはもらえなくなるということではない

国債発行を止めて保険金収入が減ったら年金支給額は激減する。わたしはそれを破綻というと思うが、少なくとも払われるうちは破綻ではないという年金援護をする人もいる。でもねえ、企業が破綻したって資産を分配するんだから基本的にはタダにはなりませんよ。それと同じです。支払った金を返して新しい仕組みをスタートさせる。または積み立てた分に運用分をくわえてそれを新年金とする手もありますが、70代の年金は1/4になります。若い世代はもともと支払いが少ないのでたいして変わりません。これも従来型の年金制度の破綻です。

本来ならばここまで悪化するまでに歴代の総理なりが

すみません。年金制度は昔のままでは維持できません

と、はっきり言うべきだった。しかし言わなかった。言えなかった。選挙で負けるからです。この卑怯者めが。私はこの点で安倍さんを全く評価しません。野党も同罪です。年金を守れとか何言ってんだ、こいつらは。

公約でそれに触れているのはまずは維新で、50代がメインの支持層なので

ベーシックインカムを基軸として年金制度を含めた社会保障制度を見直します。と言っている。

国民民主は公約で

「世代間の公平と最低保証制度(ベーシックインカム?)の新しい基地年金と言っている。維新と似ています。

高齢者の半数近くが年金はろくに払ってもいない積み立てだと思っている

では、高齢者を主要な支持層とする他党はどうしてそう言えないのかというと、高齢者の多くはこう考えているからです。

内閣府の調査をグラフにしました。

現役が高齢者を支えていると分かってるのは、70歳以上の女性で52.8%、男性で62.5%しかいません。つまり

高齢者の40%は積立金を返して貰ってる

としか考えていないのです。50代の8割が理解しているのと真逆です。年金を積立金と思ってるバカがこんなにいるのです。ついでに若い男ってどうしてこんなに馬鹿なんだ。高齢女性と同じじゃないか。1000万しか払ってないのに4400万になる積み立てなんぞあるわけないこともわからない。ざっくりシミュレーターで計算すると

金利11%の金利商品ですよ!!サラ金かよ!!!
※1年複利でもなんと金利7%くらいになる積み立てではあり得ないレベル・・・・株式の運用だってこんなに儲からんわ。

年金を積み立ててたと思ってた人は、サラ金でもやってたつもりなのか。正座させて問いただしたい!!!

まあ、若くてもいるんですけどね・・・・年金制度作ったのはポンジスキームで詐欺のようなものだけど、いまの高齢者までの世代はめちゃくちゃ得したんですよ!!!

維新以外の政党の年金についての考え方

各党のサイトから持ってきました。

★自民

これだけ。何もする気はありません。以上! 優先度が最も高い年金改革、少子化対策は数万字の中でこれだけ。

★立憲

さらに手厚くするんだって。馬鹿なんかな

★公明

払ってない人まで救済

★共産

年金制度を無視した減らない年金。www

維新のすべての政策に賛成はしない。とくに地方にもっと権限を与える件についてはコロナで地方の首長は本当に馬鹿ばかりと実感した。選挙もせずにずっと居座り、人口が激減しても市や町のままで居座る。中央集権にして優秀な中央の人材で仕切った方がまだよい。その前に令和の大合併で人口100万以下の県、5万人以下の市、8000人以下の町を全てなくして合理化しないと経費がかかりすぎてもうやっていけないです。

普通に考えて日本の課題は緊急度の高いほうから

1 人口問題・・・・子どもを産める女性の数がそろそろ限界
2 景気対策・・・・補助金よりはやく国境を開けないと大不況が
3 健康保険の破綻問題・・・・・制度改革して不正使用をなくす
4 年金制度の抜本的見直し・・・・・毎年数十兆円規模の借金が積み上がる

であって、これらは100%確実に来る。しかも数年〜10年以内に手が付けられなくなるのに全部先送り。

安倍さんは憲法改正にご執心だったが、他国が侵略してくる可能性は100%ではない。しかしこの4つは100%ですぐにくるのだ。なのに先送りしているような政治家には投票したくない。

思いを淡々と書き記した本です。危機感を煽ってどうすると言われるが、危機感なさ過ぎの日本の政治と国民です。


編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2022年6月7日の記事より転載させていただきました。