「攻殻機動隊 SAC_2045」と連携して「タチコマ・セキュリティ」アプリを無償配布、、ウェブ媒介型サイバー攻撃対策プロジェクト「WarpDrive」が再起動 

INTERNET Watch

 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は5月31日、ウェブ媒介型サイバー攻撃対策プロジェクト「WarpDrive(Web-based Attack Response with Practical and Deployable Research InitiatiVE)」を再起動。プロジェクト全体を「攻殻機動隊 SAC_2045」の世界観にアップデートするとともに、PC/モバイル用のセキュリティアプリの無償配布を開始した。

 WarpDriveは、アニメ「攻殻機動隊S.A.C.」シリーズとタイアップして2018年にプロジェクトを開始。これまでにも「攻殻機動隊S.A.C.」シリーズに登場するキャラクター「タチコマ」をモチーフにしたセキュリティアプリを無償配布し、ウェブ媒介型攻撃に関するデータを収集・分析するユーザー参加型の実証実験を行ってきた。

 再起動となった今回は、シリーズ最新作「攻殻機動隊 SAC_2045」の世界観にプロジェクト全体をアップデートしたという。なお、同作は、2020年4月よりシーズン1、2022年5月よりシーズン2が、それぞれNetflixで独占配信中だ。

 これまでと同様に、実証実験として配布されるPC用の「タチコマ・セキュリティ・エージェント(タチコマSA)」は、Windows/macOSのGoogle Chrome対応。閲覧中のウェブサイトの診断、悪性サイトのブロック、危険サイトに誘導される可能性が高いキーワード(危険検索ワード)のチェックなどが行えるほか、開いた新規タブに攻殻機動隊の壁紙を表示できる。

「タチコマSA」のサイト診断画面

 モバイル版の「タチコマ・エージェント・モバイル(タチコマ・モバイル)」は、Android向けのみの配布。ホーム画面にタチコマが表示されるようになるほか、セキュリティに関するアンケートへの回答および集計結果の表示を行う「タチコマの問い」、怪しいサイトやメールを報告する「タチコマへ報告」などの機能を持つ。

タチコマ・モバイルの「タチコマへ報告」画面

 ウェブ媒介型攻撃の被害は今も続いているが、悪性のウェブサイトを閲覧したユーザーのみに攻撃が行われるという特性から、正確な実態把握が困難だ。そこで、NICT内で2021年4月に発足した新組織「サイバーセキュリティネクサス(Cybersecurity Nexus: CYNEX:サイネックス)」においてWarpDriveを再起動。最新シリーズである攻殻機動隊 SAC_2045とのタイアップを開始したという。

 NICTでは、今後もタチコマSAとタチコマ・モバイルのユーザビリティ向上やゲーム要素の追加などの継続的なアップデートを行うことで、より多くの参加ユーザーを募り、ウェブ媒介型攻撃の実態解明や対策展開をさらに進め、ウェブ空間の安全性向上を目指すとしている。

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