単刀直入なタイトルに驚いた。しかしこのタイトルは、本書の内容にぴったり合致している。人によって考え方や意見が違ったり、一般に言われていることと真実が異なったりするとき、私たちは「~とは何か」という問いかけをする。本書の内容を的確に表現した、まさに「頭のよさ」を感じるタイトルである。
本書の著者は、脳科学者の中野信子氏と精神科医の和田秀樹氏だ。“頭がいい”とはどういうことか、どうすれば言語能力を上げられるのか、頭をよくするためには何をしたらいいか、年齢を重ねても幸せに生きるには――。お互いにこうした興味深い問いを投げかけながら、「頭のよさ」について語り合っている。
話題は、大学受験から政府・自治体の新型コロナウイルス対応、セクハラ問題までと幅広い。ときには専門的知見で日本社会の現状を鋭く分析し、ときには爽快感のある毒舌で私たちを楽しませてくれる。もちろん、読んでいて楽しいだけでなく、頭をよくするためのヒントも満載だ。
不確実性の時代と呼ばれる現代にあって、「知」とは何か、「頭のよさ」とは何かを考え、どのように生きていくべきかに思いをめぐらす。そして、考えたことを実践に移し、習慣化する。こうした振る舞いこそ、今を生きる私たちに求められるものだと思う。知的好奇心を満たしたい人や、いつまでも魅力的であり続けたい人におすすめしたい1冊である。
今回ご紹介した「頭のよさとは何か」の要約記事はこちら。この記事は、ビジネスパーソンのスキルや知識アップに役立つ“今読むべき本”を厳選し、要約してアプリやネットで伝える「flier(フライヤー)」からの転載になります。