ドワンゴ、「ゆっくり茶番劇」商標登録に対して4つのアクションを表明

CNET Japan

 ドワンゴは5月23日、文字商標「ゆっくり茶番劇」に関連して、同社の今後の対応について、4つのアクションを発表した。

 これは「ゆっくり茶番劇」という文字商標が登録(登録6518338号/登録日2022/02/24)されたことにより、ネット上で心配の声が多く寄せられていること、そして多くのクリエーターが安心して創作を続けられる環境を作るためのものという。

 同社では先だって、5月20日付けで「【ゆっくり茶番劇】動画タイトル>」や「【ゆっくり劇場】動画タイトル>」のような動画をニコニコ動画に投稿することは、当該商標登録にかかる商標権を侵害することはなく、問題はないと考えている」との見解を表明している。

 5月23日には記者会見を実施。新たに実施するアクションとしては「『ゆっくり茶番劇』商標権の放棄交渉」「商標登録に対する無効審判請求」「使用料を請求されてしまった方への相談窓口の設置」「商標登録による独占の防止を目的とした商標登録出願」の4つ。


5月23日に行われた記者会見の映像より

 「ゆっくり茶番劇」の商標権者に対して商標権の放棄を交渉し、もし放棄に応じなかった場合は、商標登録に対して無効審判を請求するという。

 相談窓口の設置については、5月23日現在において当該商標権は権利放棄されておらず、今後商標使用料の請求を求められてしまう可能性は残っていること。また権利者になりすました者がクリエーターに対して無差別にメールを送りつけ、不当な請求を行うことが懸念されるという。これを踏まえ、本件に関して動画を投稿したことによって、実際に商標の使用料や損害賠償の請求が届いた方を対象とする無償の相談窓口を開設するという。

 また「ゆっくり」系動画において、ジャンル・カテゴリーを示す表示として広く使われている複数の文字列を対象として、商標登録の出願を行うという。ドワンゴによる権利行使を目的とした出願ではなく、インターネットを利用して行う映像の提供において、ジャンル・カテゴリーを示す表示として一般的に使用されていることを理由に、特許庁が商標登録を拒絶すれば、誰も商標登録を取得できないことが明らかになるとしている。

 一方で、その文字列について商標登録がなされてしまった場合において、取得したゆっくり関連の商標権について、ドワンゴ側は将来にわたり一切の権利行使をしないことを約束するとしている。

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