線路と道路の両方を走れる世界初のDMVを阿佐海岸鉄道で見てきた

GIGAZINE
2022年05月22日 23時55分
取材



“徳島をアソビ尽くす”周遊型エンタメイベント「チャレンジ!マチ★アソビ vol.3」の催しの1つ「グルメハント」で、こういった機会でもないと訪れないであろう徳島県と高知県の県境の町・海陽町へ行くことになったので、海陽町と高知県東洋町の間を走る阿佐海岸鉄道で運用されている「世界初」の線路と道路の両方を走れるDMV(デュアル・モード・ビークル)を見てきました。

DMV(デュアル・モード・ビークル)とは? | 阿佐海岸鉄道株式会社
https://asatetu.com/archives/156/

「海陽町」の場所はココ、徳島県内で最も南にある自治体です。公共交通機関だとJR牟岐線で町内の代表駅・阿波海南駅まで徳島駅から2時間強。自動車なら1時間30分ほど。

ということでJR牟岐線と阿佐海岸鉄道阿佐東線の連絡駅である阿波海南駅に到着。


駅舎に向けて上っていくスロープはまるで駐車場への誘導路のようですが、これがDMVの道路側入口。


駅のホームから見た阿波海南駅周辺。


徳島方面はこんな感じ。


そして次の海部駅方面はこんな感じ。


もともとJR牟岐線は次の海部駅までの路線でしたが、阿佐海岸鉄道にDMVが導入されるにあたり、阿波海南駅~海部駅間は阿佐海岸鉄道に編入され、レールの接続が絶たれました。


JRのレールから離れるように曲がった阿佐海岸鉄道のレールの先はモードチェンジインターを経て道路につながっています。ちょうどDMVが停車中。


モードチェンジインター部分には「撮影スポット」が設けられていました。


モードチェンジインターといっても、特別な設備はありません。


DMVはそのまま先ほどのスロープを降りて道路へ走り去っていきました。バスをベースに改造した車両に線路走行用の鉄車輪を取り付けたものなので、見た目は普通のバスと大差ありません。


バスが走り去った先は阿波海南文化村。DMVは阿波海南文化村から阿波海南駅まで道路を走行し、モードチェンジして阿波海南駅から甲浦駅まで線路を走行、再度モードチェンジして甲浦駅から海の駅東洋町、道の駅宍喰温泉と道路を走行します。また、土日に1往復だけ室戸岬まで行く全席指定の便もあります。


これが始発駅にあたる阿波海南文化村の駅。ごく普通のバス停です。


やがて、阿波海南駅にJR牟岐線の列車がやってきました。


そして連絡するようにDMVもやってきました。


停車。


モードチェンジインターで線路走行モードにチェンジ。チェンジ後、きっちり鉄車輪がレールに乗っているかどうかのチェックが行われてからDMVは発車します。


阿波海南駅から海部駅に向かうと「町内トンネル」という短いトンネルがあります。もともとは普通に山を貫くトンネルだったのが、宅地開発などで山が削られ、トンネルだけが残ったものだそうです。


阿佐海岸鉄道はかなり無駄の少ない線形で谷に橋を架け山をトンネルで貫いていくため、比較的地形に沿ってぐねぐねと走る平行道路の国道55号を何度か越えていきます。その中の1つの橋梁に「みんなで育てよう阿佐東線」のメッセージが。


いったん終端である「道の駅宍喰温泉」へ向かいます。


道の駅とホテルリビエラししくいが隣接して建っています。


海岸沿いを走っていくDMV。


DMVが向かった先である甲浦駅は、静かな住宅地の中に高架ととも現れます。


甲浦駅側のDMV出入口は、線路が高架上にあるため一気に高さを稼ぐ構造になっています。なお、スロープに包まれるように建っているのがDMVの甲浦駅。


高架に向けて階段が設置されていますが……


高架上のホームは鉄道時代のものでDMVは停車しないため、ホームへの立ち入りはできないよう封鎖されていました。


高架の先をもしそのまま作っていたとしたら、また山を貫くトンネルになっていたはず。


正直、高架がかなり似合わない場所です。


高架上にいるとDMVがやってくるのが遠くからでもよくわかります。


甲浦駅ではDMVがスロープを上がってきてモードチェンジインターで線路走行モードにチェンジして出発していくまでの一部始終を見守りました。

阿佐海岸鉄道のDMVが甲浦駅でモードチェンジして出発 – YouTube
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隣の宍喰駅へと向かう途中、車両が停車しているのを発見。隣にある大きな建物が阿佐海岸鉄道の車庫で、かつて運用されていた車両が留置されているようでした。


甲浦駅と同じく、高架上にある宍喰駅。


しかし宍喰駅はDMVも高架上のホームを利用するため、甲浦駅にはないエレベーターがあります。


宍喰駅の駅長は伊勢エビでした。


エレベーターは使わず、階段で上がっていきます。


海部・阿波海岸方面を見たところはこんな感じ。


甲浦側に一段低いDMV用のホームが設置されていました。


DMV用ホームからズームしてみると、さきほど駅に来る途中に見えていた車庫と車両が見えていました。


さらに1駅戻って海部駅。


海部駅では短いトンネルを抜けてDMVがやってくる姿が見られました。

阿佐海岸鉄道のDMVが町内トンネルを抜けて海部駅に到着 – YouTube
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ここも鉄道時代のホームよりも低いDMV用ホームに発着。


海部駅には鉄道車両が保存されているので、DMVが鉄道車両に比べてどれだけコンパクトなのかを感じられます。


阿佐海岸鉄道のDMVが海部駅を出発 – YouTube
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ちなみに、海陽町にあるグルメハント対象店舗の「宝来堂」の場所はココ。JR牟岐線の阿波海南駅からは海部川を越えて約20分。阿佐海岸鉄道海部駅からだと徒歩7分ほどです。

お店はこんな感じ。


裏手に駐車場があるため、公共交通機関以外で来ても大丈夫です。


グルメハントは店舗ごとの条件を満たすことでポストカードとスタンプがもらえる企画。宝来堂の条件は648円以上の注文ということで、対象商品はかなり幅広いのですが、たとえばこの「DMV最中」でもOK。


名前の通り、組み立てるとDMVになる最中です。


箱の中にはDMVの車体と車輪の最中、そしてあんこが入っています。


「DMVモナカのくみたてかた」に従って作っていきます。


まず車体の中にあんこを注入。「あんこはたっぷり使ってね」とあるように、あんこの量はぎっちり詰めても多少余るぐらいあります。


あんこを詰めたら車体を接着。


続いて、車輪にもあんこを詰めます。パーツが5つなので、1つだけはあんこが見えたままですがこれでOK。


その上に車体をのせます。


次に、箱を裏返します。


あとはほどよいところにDMVを置いて撮影すればOKです。


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