ビデオ会議アプリでミュートをオンにしても、完全に音声が遮断されることはほとんどなく、バックグラウンドで行われている作業も識別可能――そんな衝撃的な調査結果が海外で話題だ。
これは、ウィスコンシン大学の調査によって明らかになったもので、主要なプラットフォームにおけるビデオ会議アプリについて、ミュートオンの状態でアプリがマイクにアクセスできるかを調査したところ、ほとんどの場合でアクセスを放棄していなかったという。また、ある人気アプリでは、ミュートされているかどうかに関わらずサーバーに音声を送信していることも分かり、その音声データと機械学習データを照合したところ、食事や掃除、タイピングといったバックグラウンドで行われている6つの作業を平均82％という高い精度で識別できたとしている。もともとは同大学の教授の兄弟がビデオ会議にミュートオンで参加しているときにマイクライトが点灯したままだったことがきっかけで始まったというこの調査、具体的なアプリの種類やその割合は現時点では明らかになっておらず、他大学と共同で実施したさらに詳細な調査の結果を、7月に実施されるシンポジウムで発表する予定とのこと。物理的に覆えば済むカメラと違い、データの送信を停止するための確実な手段が存在しないマイクにまつわるこの問題、国内でも発生している可能性が高く、今後の発表に要注目だ。