ゴミ袋が風で飛ばされているのをよく見る。屋根より高く舞い上がっていることもある。
青空に映える白い東京都指定の炭カル袋。ならばあれにひもを付ければ凧になるんじゃないか。
グッバイ正月気分、おとそ気分への惜別の念をこめて、河原でゴミ袋を飛ばしてきました。
※2005年1月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。
ということでまた河原だ
河原ではなにやらロードレース大会が開かれていて人がたくさんいた。ゴミ袋を飛ばす身としては非常にやりづらい。
しかもデイリーポータルZで凧あげをとりあげるのは2回目である。1回目はうまく飛ばず、3ページ目から別企画を載せてごまかした(「久しぶりのたこあげ」 3ページ目から「はまぐり刑事」になっている)。はまぐりに頼らずになんとか成功させたい。
まずはコンビニ袋だ
コンビニ袋のとってに凧糸をつけてみる。風でふくらんだ袋が宙に浮き、糸が地面と平行になる。風の力を手に感じる。高く上がらないので凧ではない。凧ではないのだが、不思議な手応えがおもしろい。
しかし端から見るとかわいそう感がぬぐえないのは確かだ。ラジコンを買ってもらえない子供がミニカーにひもを付けている。そんな類の切なさを感じる。
実際、見るに見かねた通りすがりのおじさんに
「もっとひもをひっぱらなきゃだめだよ」
とアドバイスされた。おじさん、ありがとうございます。でもこれゴミ袋なのでやっぱりあがらないみたいです。
はい次、ゴミ袋
東京都指定のゴミ袋に凧糸をつけて飛ばしてみた。鯉のぼりのようにはなるが高くは上がらない。
「なにやってるのー」
子供が話し掛けてくる。
「ゴミ袋飛ばしてるんだよ」
100%の笑顔で答えるがいっしょにいた大人がそそそと子供の肩を押して歩いていってしまった。
あとで写真を見て思ったのだが我ながらちょっとまずい人みたいな雰囲気が出ている。先日、新宿の中華屋で「うちの猫は犬をかみ殺す」と自慢してる人に話し掛けられたが、その人に似ている。
ちなみにその人はお金がなく、中華屋の主人に怒られていた。
はまぐり刑事が出てきそうな雰囲気なので
このままだと次のページから代替企画になりそうなので、素直にゴミ袋で凧を作ります。
あと、強風の河原はものすごく寒いです。寒さで顔の感触がなくなって鼻水が垂れているのかどうかも分かりません。
次のページで僕が鼻を垂らしていても見て見ぬふりをしてください。
ゴミ袋をひらいて凧にした
すなおに竹ひごを骨にしてたこを作った(図)。小学1年生の生活科で作る凧の図を参考にした。
でも、うまく飛ばない。くるくる回ってしまう。ほうっておくと飛んでいくのに、コントロールしようとするとだめになる。そういうやつ、いるよね。ゴミ袋もそうだったのだ。
でもなぜかシンパシーを感じる。
すこし工夫した
ゴミ袋に共感している場合ではない。ゴミ袋中央部に竹ひごをクロスさせてはりつけた。(図)
さらにバランスに考慮して凧にしっぽをつけた。竹ひごが入っていたビニール袋だ。
できてみて気づいた。これ、ふつうの凧だ。ゴミ袋を飛ばすという新しいことを始めるつもりでたどりついたのはオーソドックスだ。
先人の知恵ってすごいね。
いつの間にか垂れていた鼻水をぬぐい、凧を飛ばしてみる。
今回の教訓
・袋が飛ぶからといってそのまま凧になるわけではない
・先人の知恵はかなり正しい
・鼻を垂らした大人はかなり面白い
だ。ゴミ袋は凧の素材としてかなり適切らしいので、ぜひこれを読んだ皆さんも凧作りに挑戦していただきたい。