IDCによると、2022年第1四半期のPC出荷台数は前年同期比で5.1%減少したが、サプライチェーンの制約にもかかわらず、8000万台を超えたという。
PCの年間出荷台数は過去2年にわたり、リモートワークやオンライン学習への移行などが要因となって2桁成長が続いていた。
IDCによると、今期、消費者と教育市場での購買は減速したが、商用業PCの販売は堅調であることを示す兆しがあったという。同社は、需要の飽和と価格上昇が減速の理由だとしている。
第1四半期にベンダーが出荷したデスクトップ、ノートPC、ワークステーションの合計は8050万台で、前年同期の8480万台から減少した。その一方で、世界の出荷台数が7四半期連続で8000万台を超えており、これは2012年以来となる。
IDCの世界モバイル端末トラッカー担当グループバイスプレジデントのRyan Reith氏は、「PC出荷台数が前年同期比で減少したのは、予測できたことなので注目に値しない。それよりも、物流とサプライチェーンの混乱が続き、地政学や新型コロナウイルスのパンデミックに関連した課題がある中、業界が8000万台以上のPCを出荷できたことに注目すべきだ」と指摘した。
レノボが出荷台数1830万台、シェア22.7%で首位に立ったものの、出荷台数は前年同期比9.2%減少した。HPは前年同期比17.8%減の1580万台で、シェアは15.8%。Dellは前年同期比6.1%増の1370万台で、シェアは17.1%となった。
Appleは前年同期比4.3%増の720万台で、シェアは8.9%。ASUSは17.7%増の550万台で、シェアは6.9%、Acerは5.9%減の540万台で、シェアは6.8%だった。上位5社以外のベンダーが、出荷台数全体の18%を占めた。
レノボは販売台数の減少にもかかわらず、2月に発表した第3四半期の売上高は200億ドルで、そのうち176億ドルはPC、スマートフォン、スマートデバイス事業によるものだった。また、Dellも第4四半期の売上高が前年同期比16%増の279億ドルとなり、好業績を達成した。HPも、パーソナルシステムズの売上高が大きく伸び、前年同期比13%増の118億ドルとなった。
「市場の一部は、需要の飽和とコスト上昇により減速したが、転換点に達して成長ペースが減速に向かう市場において、明るい兆しが見えている」と、IDCリサーチマネジャーのJay Chou氏は述べた。「PCの商業的な支出以外にも、パンデミック初期に需要が軽視されていた新興市場がまだあるほか、ハイエンドの消費者需要も持ちこたえているようだ」
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。