毎日のように燃料を投下している橋下徹さんが、今度は戦争を「津波対策と同じ」とツイートして大炎上。
ブチャの大虐殺を見て「津波のような自然災害」と語る神経はどうなっているのか。虐殺を防ぐ方法はある。全世界が一致してロシアを制裁して圧力をかけ、撤兵させることだ。無内容な「政治的妥結」を語ることではない。 https://t.co/pOwB9XNtiF
— 池田信夫 (@ikedanob) April 5, 2022
好意的にみると「戦争は逃げられない天災のようなもの」という意味で使ったんでしょうが、ロシア軍の大虐殺が世界に大反響を呼んでいるときに、何を考えてるんでしょうか。
津波から逃げるために沿岸部の住民の方々がいち早く高台に行くことの重要性は、それとしてとても大事。
しかしあたかもウクライナ人がジェノサイドから逃げることがそれと全く同じ思考と方法でできたのに、誰かの怠慢で発生してしまったかのように主張するのは、無意味であるのみならず、有害。— 篠田英朗 Hideaki SHINODA (@ShinodaHideaki) April 5, 2022
これは橋下さんの持論らしく、「戦争は津波のようにいずれ終わるから逃げて、プーチンが死んだら戻ればいい」という話は「津波理論」と呼ばれています。
橋下徹さんは津波理論を主張してますが、どのタイミングで国外避難を出すかは言えない中途半端な主張ですね。
①国境付近に部隊の集結が確認された時点で出す。
②実際に攻め込まれてから国外避難を出す。
③戦闘状況が悪化したら出す。等、出すタイミングは色々なのに言えない。
津波理論なら①か?— テリアス (@TERIASU7) April 4, 2022
このように戦争を一過性の天災のようなものと考えるのは、終わったらGHQのおかげで豊かになった日本の幸福な占領統治の経験から来てるんでしょう。
「ウクライナ人は早く降伏すれば助かるのに」って言う人は「いざその時になったら自分は逃げ出すつもりだからだ」というより
①GHQの比較的寛大な統治が基準になってる
②民族的アイデンティティの喪失の危機を味わったことがない、想像したことが無い
のいずれかだと思うな— こなたま(CV:渡辺久美子) (@MyoyoShinnyo) March 5, 2022
でもロシア(ソ連)の占領統治は、津波のように生やさしいものではないのです。
キーウ郊外のブチャなどで残虐な殺害が行われたことが明らかになったこの日は、1940年にソ連がポーランドのカチンの森で将校や知識人の大虐殺を始めた日。80年以上経っても同じことが繰り返される世界。 https://t.co/yxskogXL3j
— Kazuto Suzuki (@KS_1013) April 4, 2022
日本人も終戦直後の満州では、今回のウクライナのような経験をしたのですが、戦後教育の中で「理想の国ソ連がそんな悪いことするはずがない」ということで教えられなかったのです。
ソ連が北方領土に侵攻してきたのはまだ日ソ中立条約が有効だった時。満州から60万人もの日本兵がシベリアに抑留(拉致)されたのは日本がポツダム宣言を受諾した後。ソ連と後継国のロシアは「条約や国際法を守らない」「人の命など何とも思っていない」。ウクライナで起きているのはまさにこのこと。
— 加藤清隆(文化人放送局MC) (@jda1BekUDve1ccx) March 29, 2022
歴史を勉強することは大事です。日本人も他人事ではないので、今回の戦争でロシア軍が何をするか、よく見ておきましょう。
【追記】戦争を津波にたとえる橋下さんの不思議な発想の根拠は「国民保護法」だそうです。あくまでも大阪ローカルの政治しか知らないんですね。
憲法には非常事態条項がないので、本来の意味での有事法制=戦時体制は存在しない。「国民保護法」はそれを自治体の災害対策とごちゃごちゃにしてごまかしたもの。戦時体制の指揮権が自治体にあるはずがない。地方政治の発想でウクライナ戦争を語るのはやめたほうがいい。 https://t.co/4ltCDqLUgR
— 池田信夫 (@ikedanob) April 5, 2022