Wi-Fiでゲームをするとラグが大きい【“Wi-Fiの困った”を解決:トラブル編 第11回】

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【A】Ping値を確認し、Wi-Fiが原因かどうかを調べましょう

 オンラインゲームにおいて、自分の操作に対する反応が遅れたり、画面内のキャラクターの動きが一瞬止まったりする「ラグ」が発生すると、プレーに大きな影響が生じることになります。

 ラグが発生する原因としては、接続先であるサーバーのトラブルやゲームを実行しているPCの処理性能不足などいくつか考えられますが、ネットワークが原因となっていることも珍しくありません。そこでチェックしたいのが、通信速度と「Ping値」です。

 特に重要になるのはPing値で、これは通信先との間でパケットが往復する時間(遅延)になります。一般的には「10ms」のように、パケットの往復に要した時間をミリ秒で表します。

 Ping値が大きければパケットのやり取りに時間がかかっていることになり、ラグが発生する可能性が高まります。逆に数値が小さければパケットの往復にかかる時間が短く、ラグの発生を抑えられます。

 オンラインゲームを快適にプレーできるPing値はタイトルによっても異なりますが、FPS(First Person Shooting)や格闘ゲームなどの場合は15ms以下、そこまでシビアではない対戦型ゲームなら30ms以下といったところが目安となります。

Speedtest.netのウェブサイトでは、上りと下りの通信速度だけでなく、Ping値を計測することも可能だ

最新のWi-Fi規格に対応したWi-Fiルーターを使用するのも対策の1つ

 Ping値に影響を与える要素はさまざまですが、Wi-Fiで接続していることが原因となっている場合もあります。例えば、電波の干渉によって通信が不安定になっていて、エラーによるパケットの再送が発生しているなどといったことが考えられます。

 このため、もしWi-Fiで接続している環境でPing値が大きい場合は、有線LANで接続した上で改めてPing値を確認してみましょう。これでPing値が大幅に小さくなった場合、Wi-Fiが原因である可能性が考えられます。

 なお、最新のWi-Fi規格であるIEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)は、従来の規格よりも低遅延(Ping値が小さい)で通信することが可能になっています。

 IEEE 802.11ac(Wi-Fi 5)やIEEE 802.11n(Wi-Fi 4)、IEEE 802.11a/g/bなど、古いWi-Fi規格で通信を行っていて、Ping値が大きく、ラグが発生しているのであれば、最新のWi-Fi 6に対応したWi-Fiルーターや端末に買い換えることを検討してもよいでしょう。

 ゲーミングルーターと呼ばれる、オンラインゲームを快適にプレーするための機能を搭載したWi-Fiルーターを導入するのも1つの手です。

 こうした製品で提供されている機能の1つに、特定の通信のパケットを優先的に処理する「QoS(Quality of Service)」があり、これを利用してオンラインゲームのパケットを優先的に処理させることで、ラグの発生を抑制できる可能性があります。

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