そもそも何かがおかしいゼレンスキー大統領の演説

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地震国家であることを改めて感じさせたのが今週の東北での地震。そして金曜日夜に再び岩手で余震とは思われない別の地震も発生しています。死者が出て新幹線が脱線するほどとなればもっと大きな話題になってもよい気もしますが、地震慣れした国家所以なのか、報道も淡々としていた感があります。私が小さい頃は東海沖地震がいつ起きてもおかしくないとされ、伊豆半島の危機ともいわれましたが、むしろそちらはこのところ無風状態。地震はないに越したことはありませんが、エネルギーの発散という地球活動とのお付き合いはずっと続くのでしょう。

では今週のつぶやきをお送りします。

市場のイベント終了、来週から新たなチャプターに

アメリカのFOMCと日銀の定例金融政策決定会合がおわり、ひと段落となりました。ほぼ想定通りの展開を受け、イベント内容の消化に1-2日かけ、今後の市場戦略と落ち着きどころを探すことになります。目先の株価は基本的には回復基調を辿れるとみています。株価対策は最大の経済対策の一つであり、最も手を付けやすいところです。日本はここが比較的鈍感で最近では安倍元首相の功績が光るぐらい。岸田氏においては就任以来ずっと株安でしたがPERなど実態面からもかなり安すぎるところまで売られたのでもう少し上昇の芽はあると思います。また戦時の株価は上昇がアノマリーです。

心配なのは私が少し前に振った円安傾向で、こちらも鈍感だなと思っています。日銀黒田総裁も円安を気にしない発言をしたことで今日、これを書いている時点で119円台前半まで円安が進んでいます。3月末決算絡みの円の需要もほぼ終わっており、これで124-5円が視野に入ってきたとみています。為替は節目を超えると「底抜け」で一気に動くことがあります。そもそも自国通貨が安い方がいいなんて言うこと自体、目先のメリットだけで長期的な国家の威信と構築という観点からはあまりにも情けない話です。

まずは株価が妥当な評価となるように外国人投資家に日本に向いてもらうようにしないといけません。そもそも国内機関投資家と個人投資家だけでは市場を支えられないほど力不足なので株価的には「外国人は神様です」となってしまいます。そしてその異国人を喜ばせるのは強い成長プランと配当です。そういえば東芝の2分割問題はおおもめ状態で、私の見立ては2分割案は廃案になるとみています。逆に言えば外国人投資家に乗っ取られると会社のガバナンスなんてここまでキューっとひねられてしまうとも言えます。日本企業にはあらゆる意味で世界に通用できるようになって欲しいものです。

ゼレンスキー大統領、国会演説

ゼレンスキー大統領が日本の国会で23日午後6時からリモート演説することが決まったようです。報道をちらっと見る限り、反対の声もあるようですが、大手メディアは表立ってそれを論じることができないせいか、スルーしています。鳥越俊太郎氏は「戦争の当事者」という表現で国会演説反対の強いボイスを上げています。ゼレンスキー氏自身はまるで演説活動が本業であるかのように欧米主要各国の議会で毎日のように演説をしています。個人的には私はそれをやることを制止はしませんが、冷めた目で見ています。

ゼレンスキー氏の話はそもそも何かがおかしい気がしています。まず、シナリオライターが誰で、何の目的で議会演説をアレンジしているのでしょうか?私は彼のそばにアメリカ人の補佐がいると聞いています。そして彼の演説には武器供与などの支援を求め、ウクライナへの賛同を呼び掛けていますが、これは主要国を戦争に巻き込む行為に近く、世界を二分化するリスクをはらみます。私は何か策略がある気がしてなりません。そもそもこの戦争が始まったとたん、在日本ウクライナ大使館も積極的な「営業活動」を展開しているのはご承知の通りです。

もちろん、現在、置かれている状況に対して皆さんと同様、深い懸念とただちの停戦を求めますが、先日もこのブログでちらっと書いたようにこの戦争はロシアもウクライナも負けだと思っています。なぜ、ウクライナがあんな事態にならなくてはいけなかったのか、政治的な判断ミスはなかったのか、外交的交渉でとどめることはできなかったのか、プーチン氏がなぜ、あそこまで踏み込んだのかなど、それらの背景が必ずあるはずなのです。ゼレンスキー氏はヒーローではないのです。ここまで混とんとさせた当事者だということは頭の片隅に置いておくべきでしょう。

毎日ロシアへの対抗を訴えるゼレンスキー大統領 同大統領FBより

60代の退職後の考え、楽観的過ぎる、らしい…

日経電子版に「退職後の生活、60代の考えは楽観的すぎる?」という記事があります。お読みになった方も多いでしょう。退職しても思ったほど生活費が減らない、という後戻りできない現実問題について掘り下げた内容となっています。さて、「生活費が減る」には物理的な減少事由と意識的な節約の二通りしかありません。物理的減少事由とは子供が巣立つ、相方が巣立つ、小さい家に引っ越す、人付き合いが減る…といった自分の生活環境そのものが変わることでの生活費減少を意味します。一方、意識的な節約努力とは外食を控える、華美な買い物をしないといったことです。ところが実は後者の意図的節約は極めて難しい行為なのです。

経済学的に一度身に着いた生活レベルは簡単には落とせないということが証明されています。例えばグルメの人が素食になるというのは病気でもしない限り難しいです。ファッションにこだわる人はもう外出先がそんなになくても洋服を買う手が止まりません。むしろ「退職して時間が出来たら…」と奥様とお約束をしている方も多いはずで、旅行だ、高級レストランだとむしろ出費がかかることをすることが多いぐらいなのです。つまり、退職しても生活費が減らないというのは当たり前なのです。

記事を読んでびっくりしたのは投資による収入がある人は退職者の40%に留まるというものです。私が毎回、「今週のつぶやき」でマネーの話を振っている一つの理由はお金に敏感になること、そしてお金に働いてもらうことに気が付いてもらいたいからです。記事の通り、退職後は年金、勤労収入、資産収入が主力です。ただ勤労収入は長期的に減少するし、年金の金額は基本的には変わりません。となれば以前と変わらぬ生活費を維持したいなら、資産収入を上げるしかないのです。しかし残念ながら退職してからそれを突如始めても大方失敗します。マネー教育は10代の時から行い、超長期投資することに我々は早く気が付くべきでしょう。

後記
最近、実に巧妙な詐欺行為に誘い込む内容のEメールが目立ちます。誰でも知っている日本の会社名で文面もしっかりしており、こちらをクリック、とあれば、普通の人ならやってしまうと思います。JRの「えきねっと」からのメールはさすがに私も騙されそうでした。メアドがおかしいというもあるのですが、人はそこまで注意深く見ていないものです。普段、来ないメールがきたら要注意です。ただ、一方で、仕事のメールを送ってもジャンクになって「メールもらっていないんですが」というやり取りも大変増えました。ある意味、コミュニケーションが取りにくい時代です。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2022年3月19日の記事より転載させていただきました。