これで車が新車に?
新車の匂いの芳香剤というのを見つけた。
これさえあればうちの古い車だって新車に戻るのだろうか。
使ってみました。
新車の匂いの芳香剤とは
「新車の匂いの芳香剤」というスプレーを買った。
ケミカルガイズ(科学者)というアメリカのメーカーから売られている商品である。2000円くらいしたが、これでうちの古い車が新車に戻るのであればしめたものである。安い(うそちょっと高い)。
10年選手の車を新車にもどす
うちの車は10年くらい前に買ったものである。買った時からすでに中古車だったので、いったい今何年目なのかよく知らないけれど、とにかく新車からはほど遠い。
こう見えてわりとまめに掃除しているので車内はとくに嫌な匂いがするとかではないのだが、10年分の思い出がしみついており、それなりに貫禄のある雰囲気ではある。見た目はどうにもならないが、匂いだけでも新車に戻るのならばそれは素敵じゃないか。
新車気分を盛り上げるため、匂いにさきがけてシートにビニールをかけたりしてみた。
用法容量が書かれていなかったので5プッシュくらいしてみた。
車内に匂いをいきわたらせるためドアを閉めてしばらく置く。ドアを閉める際、ちょっと不穏な匂いが漏れてきたが、読者の期待を裏切ってはいけないと思い気づかないふりをした。
待つこと3分。新車に戻ったわが車に乗り込みマスクを外す。
!!!!!
びっくりして写真を撮るのを忘れて車から飛び出したが、しゃ、車内がとんでもない匂いになっていた。
まるで自宅近くに無慈悲な化学工場ができたみたいである。煙突から漏れるのは黒い煙、合皮とゴムとを工業用接着剤でひっつけたような匂いだ。ザ・害。
車は工業製品である。ならばまあ、工場ではこういう匂いだったのかもしれないが、誰がそこまで厳密に「新車」を希求しただろう。せめてディーラーに引き渡したあとの匂いを再現してほしかった。
クラクラしながらも再び乗り込み、しばらく窓をあけて走っていたら新車の匂いは徐々に薄れ、というか鼻が慣れただけかもしれないけれど「ああ、たしかに新車って言われたら新車かもな」という感じになってきた。新しく買ってもらった野球のグローブがうれしくて、枕元に置いて寝ていたら二段ベッドの上で寝ていた兄が屁をこいた、みたいな匂いだ。
実際に新車だったらこのくらいの匂いも許せるのかもな、と思った。
ほんの少しならアリかも
というわけで新車の匂いのスプレーはすごい効き目だった。
初めてだし興奮していたのだろう、車内に向けて5回くらいプッシュしたのがよくなかった。ものすごく少量を、運転席から遠い場所に吹きかけておけば、翌日車に乗り込んだときに(お、まだ新車の匂いが残ってるんだ)と思えたかもしれない。
そう考えるとかなり長く使えるので、やっぱり買ってよかったと思います。ほしい人いたらあげます。