喪に服すのはヒトだけじゃない 仲間を亡くした犬に見られる行動の変化

GIZMODO

愛情深いだけに。

愛犬を亡くすのは辛いことです。辛いという一言で表せる気持ちではありません。でも、犬も同様に辛いんです。飼い主を亡くすという話ではなく、一緒に飼われていた犬が亡くなるのも辛いんです。最新の研究で、一緒に飼われていた犬がなくなるという体験は、残された犬にとっても辛く、深い悲しみがあることがわかりました。

調査のしかた

犬を実際に飼っている人なら、研究結果などなくても実体験として感じていることかもしれません。が、研究として科学者チームがこれを裏付けるレポートを公開。犬の愛情の深さがわかる内容になっています。

研究では、イタリア国内で犬の飼い主426人を対象に、複数飼っている犬が死亡した場合、残された犬の行動を記録するように依頼。アンケートでは残された犬と亡くなった犬の関係性、行動の変化などを書いてもらいました。回答者の93%で死亡した犬と残された犬は少なくとも1年以上一緒に暮らしていた、70%で関係性は良好で仲がよかったと回答。回答者の86%で、残された犬にネガティブな変化が見られたと答えました。チンパンジーやゾウなど、仲間を失った悲しみを行動に表す動物は多いので、この結果自体は特に驚くことではないのですけどね。

寄り添いましょう

調査では犬の行動の変化は2ヶ月から半年ほど続き、回答者の1/4で半年続いたという記録がみられました。行動の変化の多くは、かまってほしがったり、遊びが減ったりなど。アクティブに動かなくなる、睡眠が増える、怖がりになる、吠えるのが増えるという回答もありました。また、食べる量が増えたという声もあり、感情による食欲の変化は犬にもあるという別の研究を裏付ける内容もでてきました。少なくとも今回の研究では、犬同士が過ごした年月の長さと行動変化の期間には関連性が見られなかったという結果も。

研究チームが、これらの行動の変化=悲哀の感情=喪に服していると断言するものではないと注意するように、回答したのは飼い主であるというところは結果に影響していると思われます。愛情深い犬を、人間は擬人化しがちですし。行動の変化を記録した人間の思い込み、感情が含まれてしまいますからね。社会性をもつ動物なので、共に行動していた仲間がいなくなることで社会的行動パターンが崩れただけといいう捉え方もできるという冷静な補足もされてます。それを踏まえても、家族である飼い主は寄り添ってあがるのが大切ですよね。研究論文の執筆者の1人であるイタリアのパドヴァ大学の心理学者、Stefania Uccheddu氏は、犬も喪に服すとことを断言する結果ではないにしろ、仲間を無くした犬がこれからの生活に馴染めるようセンシティブに対応してあげるべきだと語っています。

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