いま、私、P.K.サンジュンはこの上なく清々しい気持ちでいる。ペヤング愛ゆえ、これまで散々「獄激辛シリーズ」にダメ出しをしてきたが、2022年3月7日から発売となった『ペヤング 獄激辛やきそばFinal』を食べ終えた今、心から “ありがとう” と申し上げたい。
泣けるほど辛い「獄激辛やきそば」より2倍辛いという『獄激辛やきそばファイナル』を完食できる人類など存在するのか? 獄激辛ファイナルよ……お前を倒すのは俺しかいない。天に滅っせいっ、獄激辛ファイナル!
・6作目にしてファイナル
世間を驚かせた第1弾の「獄激辛やきそば」を皮切りに、これまれ「獄激辛カレーやきそば」「獄激辛坦々やきそば」「獄激辛にんにくやきそば」「獄激辛麻婆やきそば」と、5つの味が展開されてきた獄激辛シリーズ。どれも体が硬直するほど辛く、経験上、完食できる確率は10%に満たないハズだ。
また不本意ながら申し上げるが、第1弾の「獄激辛やきそば」こそ大きな話題を集めたものの、シリーズとしては第2弾のカレー以降、尻すぼみになった感も否めない。売れずに数カ月コンビニの棚にある獄激辛を何度目撃したことだろう? でも仕方ない……辛すぎて誰も食えないんだもの。
・ファイナルならアリ
冒頭でもお伝えした通り、私は強烈な “ペヤング愛” ゆえ、獄激辛の新作が出るたびに「いい加減にしろ」「食えないものを作るな」「安易に獄激辛を出すんじゃねえ」などとお伝えしてきた。……が、『獄激辛やきそばファイナル』の情報を耳にした際、率直に「アリだな」と感じた次第だ。
というのも「ファイナル」と名付けたことにある種の潔さを感じたし、ペヤング史に残る獄激辛シリーズの終止符の打ち方としては素直に「いい幕引きだな」と思う。でも大仁田みたいに「獄激辛 リターンズ」みたいな引退詐欺はやめてくれよ。
・獄激辛は完食したが
さて、辛さに対してはかなり強いと自負している私は、過去に「獄激辛やきそば」を完食している。だが、あの時もかなりギリ。他のメンバーが全員脱落したため頑張ったが「出来れば食べたくなかった」というのが正直なところだ。
しかも今回は「獄激辛やきそば」の2倍も辛いというから震えざるを得ない。それでも最終決戦である以上、俺が相手をするしかないだろう。獄激辛ファイナルよ……お前の引退試合の相手は俺が引き受けた。全力でかかってくるがイイ──。
・俺しかいないだろ
で、いつも通りにペヤングを作っていると、ソースを開封した瞬間の酸っぱ辛い香りが以前よりも遥かにヤバシング! 相手を寄せつけさえしない圧倒的なオーラとでも言おうか? 食べる前から過去最大級の凶暴性を感じざるを得なかった。
それでも──。
生まれながらにして ほとんどの人に完食してもらえない運命(さだめ)の『獄激辛やきそばファイナル』の気持ちを考えれば、この世に1人くらいコイツに真剣に立ち向かう漢(おとこ)がいてもいいハズ。よっしゃ、かかってこいや獄激辛ファイナル!
ゾゾゾッ。
ススッ。
グフッ。
からっっっ!
かっっらッッッ!!
かれぇぇぇぇっぇぇえええ!!!!!!
予想にたがわぬ圧倒的な辛さ。辛いとか痛いとかそういう次元じゃない、獄激辛が触れた全ての箇所が爆発を起こしている。これは食べ物ではない……完全なる兵器と呼んで差し支えないだろう。
・ありがとう、獄激辛
それでも私は一心不乱に食べ続けた。というか、マジで涙が出てきやがった。心が折れそうな瞬間は「これを食べ切れなかったら娘がヒドいめに遭う」と自分に言い聞かせ、結果『獄激辛やきそばファイナル』を完食したことをご報告したい。
余談ではあるが、獄激辛やきそばファイナル最大の特徴は “残存性” がとんでもなく強いということ。要するに口に入れた瞬間よりも、後から来る辛さの方が圧倒的にヤバい。私は水だけで何とかなったが、挑戦者たちはメープルシロップをがぶ飲みするつもりで用意してもいいハズだ。
自然と涙がこぼれ落ち、大量の鼻水が噴き出し、胃はマグマのように熱い。それでも私の気持ちは清々しかった。それは死力を尽くして戦った者同士しかわかり合えない “友情” にも似た感情を覚えたからかもしれない。サンキュー、獄激辛。これにて成仏しろよ──。
というわけで『獄激辛やきそばファイナル』はマジでヤバい代物だったが、それでも「食べてみたい」という方は体調と心を整えたうえで、ぜひチャレンジして欲しい。ペヤング獄激辛やきそばファイナルは、メーカー希望小売価格税別250円で発売中だ。