住みたい街ランキング首都圏版、大宮初のトップ3に–郊外ニーズ高まり千葉人気も

CNET Japan

 リクルートは3月3日、「SUUMO住みたい街ランキング2022 首都圏版」を発表した。大宮が初のトップ3入りを果たしたほか、流山、船橋など千葉が上位に食い込んできたという。東京駅から30~50km圏の多数の駅が、ランキング圏外から初のランクインを遂げた背景などをSUUMO編集長の池本洋一氏が解説した。

 SUUMO住みたい街ランキング2022 首都圏版は、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県に居住している人を対象に実施したウェブアンケートを集計したもの。2022年は調査精度を上げるため調査数を7000人から1万人に拡大したという。

 住みたい街(駅)ランキングでは、横浜が5年連続の1位を獲得。従来2位だった恵比寿は4位に交代し、吉祥寺が2位、大宮が3位という結果になり、神奈川、東京、埼玉がトップ3を占めた。

[首都圏]住みたい街(駅)ランキング

[首都圏]住みたい街(駅)ランキング

SUUMO編集長の池本洋一氏

SUUMO編集長の池本洋一氏

 池本氏は「埼玉として初めて大宮が3位に入った。東京以外という動きは今回顕著で、過去最高位になった街は東京都以外が多い。『得点ジャンプアップした街(駅)ランキング』では、流山おおたかの森、船橋が1、2位を獲得。流山おおたかの森は、住みたい街ランキングでも16位と過去最高位となっている」と東京以外の人気が高まっていると説明した。

 1位となった横浜は、全年代、全ライフステージから人気を集めたほか、神奈川県以外の都県いずれもトップ10前後に選ばれるなど、根強い人気を見せた。池本氏は「横浜駅西口の再開発は一段落。今後は新高島駅周辺の開発が中心になる」と再開発が進んでいる点もポイントとした。

 一方、はじめて3位にランクインした大宮は「シングル男性、夫婦のみといった世帯から支持が高い。大宮は5沿線が集中している中核駅。東京、上野方面にも、新宿、渋谷方面に行けるマルチアクセスが魅力。人口流入データを見ても、隣接市、都内からも人が動いてきている」(池本氏)と魅力を分析。

 加えて「さいたま市はスイーツの一大消費地。ケーキとプリンに対する支出が全国2位となっている。そのためか、駅周辺には洋菓子、和菓子屋がたくさんある。魅力あるお店が多いこと、コロナで増加した街歩きがしやすいような工夫もされており、歩いて楽しい街に変わりつつある」とコメントした。

 大宮駅周辺における再開発にも言及。4月に「大宮門街」、2024年に「大宮サクラスクエア」のオープン、大宮図書館跡地に、観光、地域ビジネス、発信の拠点となる「Bibri」が開設することなどに触れ「新たなショップが生まれてくるほか、公民連携、空き店舗活用など市民が自発的に街づくりに参加できる仕組みが整っている」とした。

 「今回のランキングにおけるキーワードの1つ」と紹介した千葉県勢の躍進については「(千葉県に住んでいる人が投票する)自県投票率が過去最高になっている。流山おおたかの森、船橋、柏、津田沼など、千葉県の人気駅は『雰囲気やセンスのいい、飲食店やお店がある』『人からうらやましがられそう』など、都内の人気駅と魅力が相似しており、地元を見直す人が多かったのでは」と分析した。

 注目は、得点ジャンプアップの駅、自治体ともに1位を獲得した流山おおたかの森、流山市。30代女性、子育て世代からの投票率が高いことが特徴だ。池本氏は「東京都民の千葉県内の駅への投票で4位に入っている。そのほかの駅は舞浜、浦安など東京にほど近い駅だが、隣接していない流山おおたかの森の駅がランクインしている点は大変興味深い」とした。

[首都圏]得点ジャンプアップした街(駅)ランキング

[首都圏]得点ジャンプアップした街(駅)ランキング

[首都圏]得点ジャンプアップした自治体ランキング

[首都圏]得点ジャンプアップした自治体ランキング

 駅周辺には、ショッピングモールやデパートなど大規模商業施設があるが、2021年3月には「流山おおたかの森S・C FLAPS」が開業するなど、大型商業施設はさらに増えており、ワンストップ性が高く子育て施設や公園が充実していることが特徴だ。

 「子育て世代に人気の高い流山だが、よくあるパターンとしては人気が出ることによって、待機児童が増える問題を抱えてしまうことが多い。流山市はこれにすばやく対処し、保育園は10年余で5倍、定員も4倍強に増加させた。保育士の採用にインセンティブをつけるなど、多くの手を打っている。また、東京駅への高速バスも運行するなど、アクセス利便性も高い」と評価した。

 一方、船橋は20代男性、シングル、夫婦+子ども世帯に人気が高いという。「『ふなっしー』が有名で人気があったが、今回ランキングが上がった要因の1つはバスケットボール チーム『千葉ジェッツ』の優勝。企業、街、市民が続々と応援して盛り上がっている」と地元愛が盛り上がっていることを強調。加えて「イオンモール、ららぽーと、IKEAと車で行ける大型商業施設も多い。駅近と駅外とも整った買い物環境が魅力」とした。

 そのほかの傾向としては、遠隔地の人気が高まったことを特徴として挙げた。「2021年は10km超圏の人気が高まったが、2022年は京王多摩センター、川越、上尾、木更津、千葉ニュータウン、大和、藤沢など、30~50km圏の人気が増加。これらの人気駅を地図上に落とし込むと、ちょうど国道16号線のエリアの少し外に位置する」と東京に集中していた人気が、他県に流れている現状を説明した。

 池本氏は「郊外中核駅や国道16号線エリアなど、住みたい街は広がっている。一方で、東京都内のタワーマンションは人気があり、駅近物件が相変わらずの人気。賃貸や戸建ては郊外傾向の人気が高まっている」とまとめた。

ゲストとして登場した中尾彬さんと3時のヒロインのお二人

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