先日、某TV番組をきっかけに、ネットでファミマのツナマヨ(美味いよね)に関する話題がバズっていたとき、恐らく関西在住であろう方の投稿で、「味付け海苔だから~」的なものを目にした筆者。
コンビニのおにぎりの話題でなぜ味付け海苔が出てくるんだ? と思いググってみると、関西のコンビニのおにぎりは味付け海苔らしい。は? マジで? ちょうど関西に行く用事があったので、東と西のコンビニおにぎりを持ち寄り、食べ比べてみることに。
・食文化
セブンイレブンの公式Twitterによれば、関東がノーマル海苔で関西が味付け海苔な理由は「地域の嗜好性や食文化にあわせるため」とのこと。
また、どうでもいいことかもしれないが、タイトルでは「味付のり」なのに本文中では「味付け海苔」なのは、タイトルはトップの写真的にパッケージの表記に合わせ、本文中ではセブン公式ツイートの表記に合わせたからだ。この先は「味付け海苔」でいくぞ!
\#セブンの豆知識/
本日は、意外と知られていない「おにぎりの海苔のこだわり」についてご紹介🍙#セブンイレブン では、地域の嗜好性や食文化に合わせるため、主に東日本では「焼き海苔」、西日本では「味付け海苔」を使用しているんです🧐
皆さんは、どちらの海苔のおにぎりがお好みですか😉? pic.twitter.com/0SeuOIG84J— セブン‐イレブン・ジャパン (@711SEJ) August 6, 2021
ちなみに現在、筆者は都内を中心に仕事をしているだけの関東在住者。生まれは北海道。数年で引っ越しまくる転勤族だったため、育ちは関東半分九州半分といったところ。夏休みなどを過ごした祖父母宅は四国だった。
10代ラストでは渡米し、週7でブリトーとピザとバーガーを食う日々。この食歴的に、筆者は関東の食文化に染まった生粋の関東人ではないと思う。もちろん関西の食文化にも疎い。
関東Verと関西Verのコンビニおにぎりをジャッジするにあたり、食文化的に関東と関西のどちらの派閥にも属していないことから、我ながらそこそこ適任な気がする。
・京都
まずは東京駅近くのセブンにて、おにぎりを片っ端から購入。タイミングが悪かったのか、味は5種類しか残っていなかった。まあいいだろう。
そして新幹線に乗り込み、やってきたのは京都。
ホテル近くを散策し、見つけたセブンのおにぎりコーナーを見ると……
すげぇ、マジで味付け海苔じゃん……! 店員さんに撮って良いか聞いたが、おにぎりを撮って何になるんだと不思議そうだった。それより金閣寺でも見に行けよと言いたげな感じ。きっと関西では普通の光景なのだろう。
全てのフレーバーが味付け海苔というわけではなく、ノーマル海苔Verしかみあたらないものもいくつかあるもよう。今回はとりあえず、東京で買ってきたものと同じフレーバーを購入することに。
こうして買い集めた西と東のおにぎりがこちら。東京で買ってきた5種類のうち、「熟成紅しゃけ」だけは味付け海苔Verが見つからなかったが、他4種類はイイ感じにノーマル海苔と味付け海苔に二分された。ちなみに、海苔が変わっても値段はどちらも同じだった。
・西vs東
それではさっそく、味付け海苔Verを食べてみよう。最初は「焼き鮭」、お前だ!
あっ
なるほど……
まずは「焼き鮭」のみに限定した感想として、味はウマい。関東のノーマル海苔Verもウマいが、焼き鮭と味付け海苔の相性はマジでグッドだ。おにぎり単体として、関西の方が味わいが豪華になっている感がある。
しかし、決定的な短所も。手がめちゃくちゃベタつくのだ。コンビニのおにぎりをどういうシーンで食べることが多いのかを考えた場合、これは東も西も関係なく、短所とみなされる可能性は高いと思う。
皿に乗せて箸か、あるいはナイフとフォークで食べるなら全く問題は無いだろうし、味付け海苔で手がベタついても全く気にならないという方にとってもそうだろう。
しかし、コンビニのおにぎりは素手でそのまま食べることが多いのでは。そして多くの人類は、手がベタつくことを厭(いと)うと思う。これがOKなら、パンの表と裏にマヨネーズが塗られたサンドイッチとて許せそう。
どうにか海苔に手を直接触れずに食べる方法は無いかと頑張ってみたが、筆者には無理だった。しかも、複数食べる場合の手のベタ付き度は、購入時にコンビニにて無料で貰えるペラいウェットティッシュ1枚では対処不能。
厚めの、しっかりとアルコールで湿ったウェットティッシュが数枚欲しい。味付け海苔Verは、食べ易さという点でノーマル海苔Verに激しく劣ると思う。
・味は
しかし、これはあくまで「食べ易さ」にのみフォーカスしたジャッジだ。味はまた別である。「焼き鮭」に関してはすでに述べた通り、味付け海苔Verの方がウマいと思う。
他の味も個別にみていこう。次は「海老マヨ」だが、これも個人的に味付け海苔の方が好きだ。「焼き鮭」といい「海老マヨ」といい、主張が控えめなものには味付け海苔が合うのかもしれない。
続いて「ツナマヨ」にいってみよう。これも味付け海苔は悪くない。が、ノーマル海苔も悪くない。どちらも同じくらいウマい。味では甲乙つけがたい感じ。
「辛子明太子」はノーマル海苔の方がウマいと思った。具材の主張がしっかりしており、しかもどちらかというとピリ辛なタイプ。そこに甘い味付け海苔というのは、あまり合っていないように思った。両方の味が互いに邪魔し合ってる感じ。
ということで結果をまとめると、「食べ易さ」に関してなら味付け海苔Verの敗北は必至だと思う。しかし、ウマさに関しては具材との相性次第。
関西の味付け海苔は、海苔もまた味の彩りをより豊かにするための具材の1つというスタンスをそれとなく感じた筆者。対して関東のノーマル海苔は、ベタつくご飯を素手で食べやすくするための工夫という側面がメインではないかと。
最後に、これはセブンだけの仕様なのかと思ったが、ローソンでも
そしてファミマでも、セブン同様に味付け海苔Verのおにぎりを確認した。
わりと厳しく食べ難さをディスったが、いざ味付け海苔版も選べるとなったら、例えばオフィスや家に持ち帰って食べる場合など、すぐに石鹸で手を洗える環境であれば、相性がいいと感じた一部フレーバーについては味付け海苔Verを選ぶと思う。
大手コンビニ3社で同様の施策が行われているということは、間違いなく安定した需要があるのだろうしな。それに……もしかしたら関西民は、素手のまま味付け海苔Verを手を汚さずに食べる術を発明している可能性も否定できない。そういうのがあれば教えていただきたい。どうなのだろう。