牛丼チェーン「松屋」の豚汁はなぜ冷めづらいのか――。ある利用客が投げかけたこんな疑問に、松屋の関係者がツイッターで答えた。
なんでも、豚汁の脂の量を調整することで、温かさを保っているという。ネット上には、牛めしを食べ終えても温かかったという声もあるほどだ。
豚汁の秘密を解説した投稿には2万8000件を超える「いいね」が寄せられるなど、大きな注目が集まっている。J-CASTニュースは2022年1月19日、ツイートを投稿した松屋フーズ販売企画部の浜野隼さんに詳しい話を聞いた。
「松屋の豚汁は『湯気がでない!』」
冬の寒さを受けてか、ツイッターでは「松屋の豚汁はめっちゃ熱いけどおいしい!」といった声があがっている。その中には、「何であんな熱いんだろ」などと、冷めづらいことに疑問を持つ声もある。
こうしたツイートを受け、浜野さんは18日、自身のツイッターで、松屋の豚汁が冷めづらい理由を説明した。
「実は脂が表面を覆うように量を調節して放熱を防いでいます。
だから松屋の豚汁は『湯気がでない!』」
この投稿について、浜野さんは19日の取材に、油膜が気化を防ぐことで保温できるのだと改めて詳細を説明する。
「水分は蒸発するときに周囲から熱を吸収します。いわゆる気化熱です。つまり豚汁が空気に触れているとどんどん冷めてしまうのです。『脂でフタ』をすることで水分が蒸発しにくくなり、豚汁がいつまでもあつあつの状態でいられるのです」
なぜ、「あつあつの豚汁」にこだわったのか。浜野さんは、「『あつい物はあつく』『つめたい物はつめたく』が料理の基本であり真心だと思っています。例えば、めちゃくちゃ寒い日に松屋のあつあつの豚汁で『ホッと』心もお腹も満たされる、そんなおもてなしをしたいと思っています」と答えた。
一方でツイッターでは、「猫舌」に対応した熱すぎない豚汁を楽しみたいという声も上がっている。こうした声に対し浜野さんは、食べやすい食べ方を提案していくと意気込む。
「例えば、脂のフタがあるので『フーフー』するよりも『かきまぜる』ほうが冷めやすくなります。また『半熟玉子』を入れるというワザもあり、食べやすい温度になるばかりか、より一層おいしくなります」