ブロードバンドの通信速度を計測しているOoklaが「Speedtest Intelligence」ブランドで調査した世界の5Gパフォーマンスに関する最新のレポートによると、5Gは世界中で対応地域が増え続けているものの、世界の平均通信速度は減速しているという。
2021年第3四半期における世界の5Gパフォーマンス中央値に関するレポートによると、世界の5G平均ダウンロード速度は166.13Mbpsで、前年同期の同じテストで記録した206.22Mbpsより13%低かった。アップロード速度も21.08Mbpsに低下し、前年同期の29.52Mbpsより39%低かった。これらの低下の理由としては、長年にわたり通信速度の遅かった国々が新たに5Gの速度計算に加えられたことや、動的周波数共有(DSS)が世界の通信速度に影響を及ぼしたことなどが挙げられる。
5G対応地域の拡大に伴い、ネットワーク技術やネットワークの発展度合いが国や地域によって異なるため、5G通信速度が向上するペースは全体として変動しやすくなっている。Ooklaは、「特にテクノロジーサイクル初期の導入拡大期」において、この種の減速はよくあることだと指摘している。
Ooklaは、利用できる周波数帯が一気に広がることや世界の5Gサービス導入計画により、2022年には通信速度が回復すると予測している。
5Gの速度別ランキングで首位に立ったのは韓国で、ダウンロード速度の中央値は492.48Mbpsを記録し、3位だった前年同期の411.31Mbpsから大きく改善した。2位のノルウェーは前年同期に549.02Mbpsを記録して首位になったが、今回は426.75Mbpsと大幅に低下した。3位のアラブ首長国連邦(UAE)も、2位だった前年同期の516.58Mbpsから409.96Mbpsへと低下した。
4位以下は、サウジアラビア(366.46Mbps)、カタール(359.64Mbps)、クウェート(340.62Mbps)、スウェーデン(305.72Mbps)、中国(299.04Mbps)、台湾(296.63Mbps)、ニュージーランド(296.15Mbps)の順となっている。
米国は、ダウンロード速度の中央値がわずか93.73Mbpsで、速度別ランキングでは大差でトップ10入りを逃したが、サービス普及率は人口の49.2%に達しており、5Gの可用性で首位を獲得した。2位はオランダで45.1%、3位は韓国で43.8%だった。
米国などが引き続き5Gの普及に努める中、第3四半期には13カ国が初めて5Gサービスを導入し、5Gに対応する国や地域は合計112になった。Ooklaによると、70カ国では依然として人口の20%以上が2Gまたは3G技術に依存しており、中でも8カ国では人口の過半数が2Gまたは3Gを利用しているという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。