プライバシー重視のDuckDuckGo、開発中のデスクトップブラウザーについて明らかに

CNET Japan

 プライバシー重視の検索エンジンを提供するDuckDuckGoは、今後提供するデスクトップアプリについて初めて明らかにした。設定が容易なデフォルトのプライバシー保護機能を実現するという。

 DuckDuckGoの最高経営責任者(CEO)Gabriel Weinberg氏は、2021年に実現したマイルストーンをブログ記事で振り返った。「iOS」「Android」向けのオールインワンのプライバシーアプリと「Chromium」拡張機能のダウンロード数は1億5000万件を超えたという。このブログの中で、デスクトップブラウザーについて説明している。現在クローズドベータだという。

 Weinberg氏はデスクトップ向けのDuckDuckGoについて、「プライバシーブラウザー」ではないとし、Chromiumベースの「Brave」やMozillaの「Firefox」などと区別しようとしている。複雑な設定や誤解を招くような警告はなく、プライバシー保護の「レベル」もない。検索、ブラウジング、電子メールなどで、デフォルトで「堅牢なプライバシー保護」を提供するのみだという。

 「これは、ユーザーのプライバシーを尊重する、日常的に使用できるブラウジングアプリだ。企業がユーザーの検索や閲覧履歴の監視を止めて都合が悪い時間などない」(Weinberg氏)

 Weinberg氏は、DuckDuckGoのデスクトップブラウザー(同氏は「アプリ」と呼んでいる)を支える内部の構造について、いくつかヒントを示しているものの、多くの詳細を明らかにしていない。

 Chromiumベースではないと同氏は述べている。ChromiumはGoogleの「Chrome」、Microsoftの「Edge」、「Brave」「Vivaldi」のほか複数のブラウザーを支えているオープンソースプロジェクトだ。

 Weinberg氏は、「Chromiumやその他のものをフォークするのではなく、(モバイルと同様に)OSが提供するレンダリングエンジンをベースにデスクトップアプリを構築しており、主要ブラウザーで年々蓄積する多くの不要な要素をそぎ落とすことができる」と説明する。

 DuckDuckGoのコミュニケーションマネージャーAllison Johnson氏は、The Vergeに対し、このレンダリングエンジンについていくつかの詳細を説明している。

 同氏は、「『macOS』と『Windows』はいずれも、どのアプリケーションでもウェブサイトのレンダリングに使用できる、ウェブサイトレンダリングAPI(WebView/WebView2)を提供している。われわれはそれを利用して、デスクトップのアプリを構築している」と述べている。

 「われわれは、OSが提供するレンダリングエンジンをベースに、一からデスクトップアプリを構築している。つまり、ウェブサイトレンダリング以外すべて(タブとブックマークの管理、ナビゲーション制御、パスワードなど)を独自に構築しなければならない」

 そのため、DuckDuckGoのブラウザーレンダリングは、Windowsでは「Edge/Chromium」、macOSでは「Safari/Webkit」を利用するとThe Vergeは書いている。

 Weinberg氏は、「Chromeと比べて、デスクトップ向けのDuckDuckGoアプリはクリーンで、はるかにプライベートで、初期テストでは格段に高速であることも明らかになっている」と述べている。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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