「幻の絶版本」企画炎上、SFマガジン巻頭に謝罪文 「誌名に恥じないように」と改善誓う

J-CASTニュース

   早川書房は2021年12月27日、25日発売の雑誌「SFマガジン2022年2月号」の巻頭に掲載した「お詫びと展望」とのメッセージを公式サイトに公開した。

   「お詫びと展望」は、SFマガジン編集長の溝口力丸さんの文責で公開された。同誌に掲載予定だった企画に読者から批判が寄せられ中止となったことを受け、再発防止に向けた取り組みなどを紹介している。


  • SFマガジン2022年2月号 公式サイトより


  • 「SFマガジン2022年2月号」の巻頭言「お詫びと展望」

「いま変わろうとせずして、本誌に未来を語る資格はありません」

   文書では、SFマガジンに掲載予定だった企画「読みたくても高騰していてなかなか読めない幻の絶版本を、読んだことのない人が、タイトルとあらすじと、それから読んだことのある人からのぼんやりとした噂話だけで想像しながら書いてみた特集」の企画内容とその後の対応をめぐり、様々な批判が寄せられたとして謝罪している。

「このたびは本企画が、読者および作者の方々への配慮を欠いたままにネット上にて進行し、また迅速な管理対応ができなかったことを深くお詫びいたします。文芸誌としてあってはならないことであり、ご指摘を重く受け止めております」

   早川書房の7日の発表によれば、この特集はSF作家の樋口恭介さんが前編集長の塩澤快浩さんの依頼を受けて企画した。樋口さんはツイッター上で、企画を告知し、編集部とのやり取りなども公開していた。しかし絶版書籍の著者や読者から不快感が示されたことを受け、企画を中止した。

   今回発表された「お詫びと展望」によれば、この件を受けてSFマガジン編集部は、企画の立案や編集活動、SNS上での情報発信に関して、今後の改善に向けて新たなポリシー・ガイドラインの作成を進めていくことになったという。

   溝口さんは今後への意気込みをこう記した。

「いま変わろうとせずして、本誌に未来を語る資格はありません。
SFを冠する誌名に恥じないように、今後一層の精進をいたします」

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