株式会社マーケティングフルサポートは、12月16日の「フリーランスの日」に合わせて実施した「フリーランスの実態調査」の結果を発表した。2023年10月から始まる「インボイス制度(適格請求書等保存方式)」は企業だけではなくフリーランスにも関わってくるが、「インボイス制度を知らない」との回答が36.8%に上った。
調査は、クラウドワークスに登録しているフリーランスを対象に、インターネットにて11月10日に実施。有効回答数は316人。
「インボイス制度」に向けてフリーランスが考えていることは?
現在は、支払額が3万円未満の場合は、帳簿に記載していれば、仕入税額控除が認められている。しかし、インボイス制度が始まると「適格請求書(インボイス)」が必要になる。一方、適格請求書を発行するには、法人・個人ともに「適格請求書発行事業者」として事前に税務署に申請・登録をする必要がある。
このインボイス制度は2023年10月から開始されるが、適格請求書発行事業者の申請受付はすでに開始しているという状況だ。
しかし今回の調査では、「『インボイス制度』の導入に向けて考えていること」との質問に対して、「適格請求書発行事業者になる、または検討中」は5.2%、「制度導入に向けて法人化する、または検討中」は0.7%で、「なにもしない」が18.9%、「これから調べる・考える」が38.4%、「インボイス制度を知らない」が36.8%だった。インボイス制度の開始に向けて行動しているのは計5.9%にすぎず、その一方で「インボイス制度を知らない」が36.8%に上っているという状態だ。
フリーランスの「理想の働き方」は? 何歳まで働きたい?
また、「フリーランスとしての現在の年商」は、「~300万円」が82.0%、「~500万円」が12.3%、「~800万円」が2.8%、「~1000万円」が1.9%、「~1500万円」が0.9%。年商300万円以下が8割以上を占めている。
「あなたにとって、理想の働き方は、次のうちのどれに近いですか?」という質問では、「フリーランスとして現状維持で長く続けたい」が61.1%で圧倒的に多く、「フリーランスとして事業を拡張する」が23.7%、「いずれは、会社員として別の会社に勤務する」が6.3%、「いずれは自ら会社設立をする」が8.2%、「その他」が0.6%だった。
会社員としてほかの企業への就職が理想とする人は6.3%と少なく、フリーランスとして、または起業して独立して仕事を続けることが理想と考える人が計93.0%という結果になった。
このように独立して働き続きたいフリーランスだが、いつまで仕事を続けたいのだろうか。「何歳まで働きたいですか?」との質問では、「年齢に関係なく長く働きたい」が48.1%、「死ぬまで働きたい」が7.0%。フリーランスは、生涯にわたり仕事を続けていきたい人が計55.1%で、半数以上を占めている。その一方で、「なるべく早くリタイアしたい」と答える人も12.3%いた。
この質問では具体的な年齢の選択肢もあるが、「~30歳」が0.1%、「~40歳」が3.2%、「~50歳」が4.1%、「~60歳」が11.1%、「~65歳」が10.4%、「~70歳」が3.5%となっている。一般的に会社員の定年は60歳で、再就職などを考えると70歳までにリタイアする人が多いが、フリーランスは60歳から70歳でリタイアを考えている人は計25.0%だった。