日本橋から宇宙への道を創り出す「TOKYO SPACE BUSINESS EXHIBITION 2021」開催

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 三井不動産株式会社は2021年12月14日(火)~17日(金)、宇宙ビジネスイベント「NIHONBASHI SPACE WEEK 2021」を日本橋で初めて開催する。三井不動産による宇宙関連領域のビジネス拡大プロジェクト「X-NIHONBASHI(クロスニホンバシ)」の一環として開催するもので、14日と15日には宇宙スタートアップ企業や宇宙港設置に取組む自治体、JAXAなど、宇宙ビジネスに関わる約25の企業・団体を集めた「TOKYO SPACE BUSINESS EXHIBITION 2021」を日本橋三井ホールで開催した。

 三井不動産では2004年の「COREDO日本橋」の開業を皮切りに「残しながら、蘇らせながら、創っていく」を開発コンセプトとして、官民地域一体となった「日本橋再生計画」を推進している。「日本橋再生計画」は「豊かな水辺の再生」「新たな産業の創造」「世界とつながる国際イベントの開催」の3つを重点構想として掲げており、その1つである「新たな産業の創造」の注力領域に「宇宙」を設定している。

「NIHONBASHI SPACE WEEK 2021」では、宇宙ビジネス展示会「TOKYO SPACE BUSINESS EXHIBITION 2021」のほか、若きイノベーターを発掘・表彰する世界的なアワード「Innovators Under 35 Japan 2021」、内閣府主催の宇宙を活用したビジネスアイデアコンテスト「S-Booster2021」といったイベントを開催する。

展示の様子

「五街道」起点の街から6つめの街道「宇宙への道」を作り出す

三井不動産株式会社 取締役 専務執行役員 植田俊氏

 「TOKYO SPACE BUSINESS EXHIBITION 2021」オープニングセレモニーでは、まず主催である三井不動産株式会社 取締役 専務執行役員の植田俊氏が登壇。なぜ三井不動産が日本橋で宇宙に取り組んでいるのかについて語った。植田氏は「日本橋は江戸開府とともに5街道の起点、日本の中心だった。イノベーションの伝統が息づく街。三井不動産は、バブル崩壊後の活気が失われた街にかつての賑わいを取り戻そうと再生計画を20年以上続け、将来有望な産業を街で支援してきた」と述べた。

 そして「まずは健康/長寿という社会課題解決のためのライフサイエンス領域の支援と集積を進めてきた。宇宙とライフサイエンス領域はもとより近接領域。2014年から『X-NIHONBASHI』を進めてきた。JAXAほか多くの宇宙プレイヤーに集まってもらった。現在20を超えるプレイヤーが拠点を構えている。連携の機会作りにも努めてきた。来年以降は欧州との連携も進める。今回のイベントも機会づくりの1つ。そうそうたる宇宙スタートアップに参集してもらった。17日まで今週1週間は宇宙イベントを開催し、規模はアジア最大級。ネットワーキングや商談が行なわれる機会を今後も日本橋で作りたい」と語った。

 そして「宇宙はもはや夢ではない。困難かつ壮大な話を聞くたびにジュール・ベルヌの言葉を思い出す。想像できることは必ず実現できる。宇宙ビジネスは地上にもイノベーションをもたらす産業領域。6つめの街道、宇宙への道を作り出す」と挨拶を締めくくった。

国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)理事 石井康夫氏

 続けて国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)理事の石井康夫氏は「JAXAは『X-NIHONBASHI』をきっかけに三井不動産と協力を開始した。さらに日本橋エリアから宇宙産業の裾野を広げようとしている。変化の激しいなかで海外からも最先端で活躍している企業や団体が参加するイベントで時宜を得た企画だと思っている。化学変化が生じて宇宙ビジネスが盛んになることを期待している。この企画が宇宙ビジネスの盛り上がりとともにさらに継続することを祈念している」と挨拶した。

各社協調で宇宙ビジネスの高速立ち上げを目指す

Space BD株式会社 代表取締役社長 永崎将利氏

 出展社からは、衛星ローンチサービスを手がけるSpace BD株式会社と、 スペースデブリ(宇宙ごみ)除去サービスの開発に取り組む株式会社アストロスケールの2社が登壇。

 まず、Space BD 代表取締役社長の永崎将利氏が「日本橋は宇宙ビジネスの一大拠点。我々にとっては大変ありがたい。Space BDは『X-NIHONBASHI』オープンからご一緒している。主力ビジネスである衛星打ち上げサービスについてはJAXAとの提携のもと50機を超えてシェアを伸ばしている。国際宇宙ステーション『きぼう』実験棟を使った新規ビジネスも進めている。やればやるほど無限の可能性と広がりを感じる。いっぽう宇宙は予見性が低い課題もあり、一社でできることは少ない。それぞれの強みをもった会社が協調することが重要で、こういった場が非常にありがたい」と述べた。

株式会社アストロスケール 創業者兼CEO 岡田光信氏

 アストロスケール 創業者兼CEOの岡田光信氏は「今回のイベントに『ビジネス』という単語が入っていることがとても重要。宇宙というセクターが商業に立っていくことを体現するのがこのカンファレンス。宇宙セクターにもいろいろある。ロケットや衛星、基盤技術の提供など様々なセクターがある。各社の名前を見ただけでワクワクする。私はもともと宇宙とは関係ない領域にいて、業界に入る時に日本の宇宙開発の歴史を調べたところ、糸川英夫教授のペンシルロケット開発から世界で4番目の人工衛星『おおすみ』の打ち上げまでわずか15年だった。今はもっと速いペースで事業開発しなければならないと感じた。今後2年、3年でもっと大きくなっていく。アストロスケールは衛星が活動するためのJAFのようなサービスを目指している。宇宙開発が持続できるように頑張っていきたい」と述べた。

JAXA 宇宙飛行士 野口聡一氏

 JAXA 宇宙飛行士の野口聡一氏もゲスト挨拶として登壇。野口氏は「このロゴマークはロケットのフェアリングをイメージしている。時と場所と人が重要。今年は様々な民間宇宙ビジネスが花開いた年。乗り物はSpaceXのクルードラゴン、AmazonのBlueOrigine、いま現在、前澤友作さんと平野陽三さんが宇宙にいる。普通の人が宇宙に行く画期的な例。長い訓練なしにどんどん宇宙に行けるようになる。日本人が4人宇宙に行ったのは今年(2021年)が初めてで、2021年にこのイベントが行なわれることは素晴らしい。日本橋は日本の中心だった。これからここが宇宙ビジネスの中心になる。日本橋が宇宙への道になる。人と人とのつながりがビジネスにおいては重要。産業界とJAXA、アカデミアの世界が一体になって宇宙ビジネスを推し進めていく」と述べた。

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