駅直結型のコンビニエンスストア「ニューデイズ(NewDays)」が、いよいよおかしいことになっている……っぽい。どうした、ニューデイズ? お前そんなヤツじゃなかっただろ……?
ニューデイズといえば、JR東日本が運営する超エリートコンビニ。生まれながらにして最高の立地条件を持つ、いわば “ボンボン” である。それなのにどうして……? お前は何が不満だというのか?
・超エリートコンビニ
小売店や飲食店を成功させる条件の1つに「駅チカ」がある。駅から近ければ近いほど多くの集客が見込めるため、例えばあなたが居酒屋を出店する場合、駅チカと郊外のどちらを選ぶだろうか? 答えは言わずもがな、である。
だがしかし、駅チカになるほど賃料は跳ね上がり、実際に駅からすぐそばに出店できるケースは非常に稀。そんな中、駅チカ……どころか駅そのものに店を構えるニューデイズは、さしずめ “大地主のご子息” といったところだろうか。
一方でニューデイズはせわしないロケーションで利用する機会が多いため、必要最低限の商品を購入できればそれでOK。水・お茶・傘……などなど、その時に欲しいものをソツなく買えることが重要で、こちらもそれ以上のことは求めていない。それなのに……。
・荒ぶるおにぎり「スゴおに」
2021年6月1日からニューデイズでは「コンビニおにぎりの常識を変えるおにぎり」、その名も “スゴおに” を展開していることは以前の記事でもお伝えした通り。当初は「のり弁」「生ハム」「Wエビ天」などがおにぎり化した。
しばらく放っておけば お坊ちゃまの気も済むかと思いきや、2021年12月から『スゴおに 豚骨ラーメンにぎりました』の発売を開始したではないか。いやいや「にぎりました」じゃねえんだよ……!
どうやら『スゴおに 豚骨ラーメンにぎりました』は相当気合いが入った商品のようで、公式サイトでも鼻息をフンフンさせている様子が窺える。
「スゴおに限界突破! おにぎりで豚骨ラーメンを表現しました! 豚骨ラーメン風味のご飯で包んだのは、中華麺、チャーシュー、煮玉子、なると、メンマ、キャベツと具沢山の逸品。アクセントに黒胡椒マヨネーズ風味を合わせました」
・なぜか豚骨ラーメンを握ってしまう
らしくないぜ、ニューデイズ? 何が「限界突破!」だ。お前はおとなしく「鮭」「梅」「昆布」だけ握っておけばいいんだよ。お坊ちゃまに何が出来るのか、そこまで無駄に荒ぶるなら確かめてやろうではないか。
というわけで『スゴおに 豚骨ラーメンにぎりました』を購入。価格はおにぎりにしてはやや高額な、1つ320円だ。なお、取扱い店舗は「首都圏・長野・東北(秋田・青森除く)・新潟駅」となっている。
袋の隙間から見え隠れする、中華麺・煮玉子・チャーシューなどなど。確かに発表通り、豚骨ラーメンの要素が1つのおにぎりに詰め込まれているらしい。で、中身を開いてみたところ……。
なんじゃこりゃ。
エリートコンビニらしからぬ、実にダイナミックな仕事だ。こういうことは「ローソンストア100」の得意分野であることはさておき、確かに豚骨ラーメンの要素は満たしていた。で、肝心のお味の方はというと……
意外と豚骨ラーメン(笑)
タレと炊き込みご飯は結構しっかり豚骨ラーメンの味がする。コッテリ濃厚ではないものの「何味?」と聞かれたら「豚骨ラーメン」としか答えるしかないくらいには “豚骨ラーメン味” の再現度は高い。
・再現度は高め
具はメンマと煮玉子がいい仕事をしており、中華麺とチャーシューと「それなり」といったところだろうか。逆にキャベツは「いらないかな?」というのが正直なところ。全体的にキャベツの比重が高いので、青臭さが強くなってしまっていた。
とはいえ、総合的に考えると『スゴおに 豚骨ラーメンにぎりました』はユニークかつ優秀なおにぎりと言っていいハズだ。総重量がおよそ200グラムあることを考えれば、そこまで割高でもないことだろう。
それでもニューデイズがこれをやる必要は全くないと思うが、しばらくはお坊ちゃまの好きにやらせておくことにしよう。同時に発売された『スゴおに 粉もんバーガーおにぎり』(330円)も、ハムカツ・たこ焼き・焼きそばをぶち込んだ荒々しいおにぎりである。
とにもかくにも、しばらくはニューデイズの無茶は続くハズ。みなさんにはどうかこれだけ覚えておいて欲しい。「どうやらニューデイズがらしくない無茶を繰り返しているらしい」と──。
参考リンク:NewDays公式サイト
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.