缶詰が好きだ。開けるその瞬間まで中の様子がわからない。まるで福袋のような楽しみがあり、驚きと感動、そして美味しさが詰まっているからだ。
とはいえ大体入っているモノの想像はつくものだけど、最近買った缶詰の中身は1ミリも想像できなかった。なぜなら「お寿司の缶詰」だからだ! 缶の中にどんな風に入っているんだ!?
開けて食べてみたら、これは寿司というよりも……。
・寿司の缶詰だと!?
当サイトではこれまでに数々の缶詰を紹介しており、中澤星児によって主要メーカーの商品はおおむね網羅(もうら)していると思う。
それらの中には、ご飯を閉じ込めた商品もある。サンヨー堂の「牛めし」や吉野家の「牛丼」などがそうだ。
しかし寿司は過去に取り上げていない。っていうか、寿司を缶に詰める発想自体に驚いてしまった。これを見つけた以上は、中を見ない訳にはいかない! とナゾの使命感に駆られて買った次第だ。ちなみに東京・池袋の東武百貨店地下食品売り場で購入している。
販売元は大阪の「壽圭(じゅけい)株式会社」だ。寿司の缶詰『シャリ缶』は全6種あり、今回は鯖・鰻・但馬牛の3種を購入した。このほかに名古屋コーチン・湯葉・鯛がある。公式サイトでの価格は6缶セットで税込6600円だ。
さて、寿司はどう収まっているのか? 寿司と聞くと「握り寿司」をイメージしてしまうんだけど、まさか握りではないよな?
とにかく開けてみよう、まずは鰻からだ。このフタをパッカンして……
パッカン!
寿司! コレは寿司か!? 握りではないと思いながらも、なんだかちょっと残念なような、ホッとしたような……。
そして鯖もパッカン!
但馬牛もパッカン! した。牛は牛丼のように見えなくもないな。
改めて3つをじっくり見ると……寿司というより炊き込みご飯かな?
・これは寿司というより
味は寿司しているのだろうか? 食べてみると、玄米の酢飯はほんのりと甘くて酸っぱい。米粒がプチプチと弾けるような歯ざわりで、噛むほどに甘さが増していく。
鰻も鯖も小さな切り身状で入っている。そのせいか、見た目だけじゃなく味も炊き込みご飯を食べているような感覚に陥る。美味しいんだけど、寿司を食ってる気分ではないかなあ。
3つの中で但馬牛が1番しっくり来た。これがもっとも違和感なく炊き込みご飯を感じさせてくれたからだ。あれ? おかしいな。寿司を食ってるはずなのに ”炊き込みご飯感” に納得している自分がいる。
ということで、お寿司の缶詰は炊き込みご飯だと思って食べるとしっくり来る。味も食感も興味深いので、変わった缶詰を求める人にオススメしたい。