「Wi-Fi EasyMesh」のバックホールに注目、バッファローのWi-Fi 6ルーターなら有線化も【自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!】

INTERNET Watch

 連載の使いこなし編では、自宅Wi-Fiの電波状況を良くする方法を解説している。第91回からは「Wi-Fi EasyMesh」を使って、一軒家や複数部屋があるマンションなどで、快適なWi-Fi環境を構築している。

前回に続き「Wi-Fi EasyMesh」を使って、自宅Wi-Fiのエリアを広く快適にしている。今回はバックホール回線の電波をチェックする

「自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ! 使いこなし編」連載記事一覧

ちょっともったいない? 双方を接続する帯域で狭い方が使われるバックホールの通信

 前回までで、バッファローのWi-Fi 6ルーター「WSR-5400AX6S」と「WSR-3200AX4S」を使ったWi-Fi EasyMeshの接続設定を完了した。

 有線LANケーブルを使うと、コントローラの設定をエージェントへ簡単にコピーして接続でき、増設も同じ手順で簡単にできる。Wi-Fi EasyMeshの設定さえ済んでしまえば、後は通常と同じ感覚で、広いエリアのWi-Fiを利用できてしまう。

バッファローのWi-Fi 6ルーター「WSR-5400AX6S(写真左奥)」と「WSR-3200AX4S(写真右前)」で、Wi-Fi EasyMeshの接続設定を完了

 さて、第91回では、やや上位のモデルで5GHz帯が160MHz幅の通信に対応する「WSR-5400AX6S」と、通信が80MHz幅までの「WSR-3200AX4S」の組み合わせについて「ちょっともったいない」と解説したが、これが実際どういうことなのかを見てみたい。

 こちらの記事でも使った、Wi-Fiの電波を可視化できる「WiFi Explorer Lite」というmacOS向けのツールでチェックしてみると、使用中のチャンネル幅が判別できる。注目して欲しいのは5GHz帯だ。

 接続用SSIDを見ると、WSR-5400AX6Sの160MHz幅と、WSR-3200AX4Sの80MHz幅の2つの帯域が表示されていることが分かる。

Wi-Fi EasyMeshで使用中のSSIDを検索して表示した状態。5GHz帯に注目して欲しい

 さらに、コントローラとエージェント間で通信を行う“バックホール”と呼ばれるSSIDを表示させてみると、80MHz幅で接続していることが判別できる。これは、詳細設定の[無線設定]―[EasyMesh]―[Backhaul SSID]から設定可能だ。

詳細設定でバックホールのSSIDを設定可能

5GHz帯が同じ通信速度のモデルを合わせるのがベスト

 通常、バックホールの通信は、双方を接続する帯域のうち狭い方が使われるので、ちょっともったいないというワケ。5GHz帯が160MHz幅のモデル同士なら、バックホールにより高速な通信を割り当てられる。同じ性能のモデルで合わせるのが、ベストな選択と言えるかもしれない。

バックホールのみを表示させてみた。80MHz幅で接続されていることが分かる

 こういったバックホールの問題を根本的に解決したいとき、各部屋に有線LANケーブルが敷設されていれば、これを活用するといい。バッファローのWi-Fi EasyMeshでは、コントローラとエージェントのLAN端子同士を有線ケーブルでつなぐと、バックホール回線として優先して使われるようになる[*1]

[*1]……ほかのメッシュWi-Fi全てが有線LANをバックホールにできるワケではないので注意。例えば、TP-Linkの「OneMesh」は無線接続のみだ。たとえWi-Fi EasyMeshでも、バッファロー以外のメーカーの製品なら確認が必要だ

コントローラとエージェント間を有線LAN接続すると快適

 有線LANをバックホールにすると、コントローラとエージェントのWi-Fiエリアが重なっていなくても構わない。電波の届かない離れた部屋間でも、有線LANケーブルで接続されてさえいえば、移動後の再接続がスムーズに行われる。

LAN端子同士を有線LANケーブルで接続すると、「エージェント」として「有線」で接続していることが確認できる

 部屋数が多い広めの家なら、各部屋(や各階)へ有線LANケーブルを敷設しておき、エージェントを設置するととても快適だ[*2]

[*2]……各部屋間の壁内に、CD管やPF管というチューブ(フレキなどとも呼ばれる)を用いて配線をしておくのがベスト。広めの間取りや3階建てなら、新築や壁をはがすリフォーム時には必ず検討しておきたい。これさえやっておけば、配管の中を通すだけでケーブルの交換や増設できる

 今後もWi-Fiでは、より高い周波数が使われることになり、近距離での高速通信が行われることだろう。そのときにも、このように有線LANと組み合わせた環境があれば、さらに便利だ。

概要の解説を同じ図だが、有線LANケーブルのバックホール接続のイメージ

Source