年末ジャンボ宝くじで行列しても「夢は叶わない」

アゴラ 言論プラットフォーム

年末恒例のジャンボ宝くじが、昨日から発売開始になったようです。12月24日まで1枚300円で購入可能で、1等と前後賞合わせて、最大10億円が当たります。

東京の数寄屋橋の売り場には、この季節になると長い行列ができます(写真は昨年の様子)。この冬の風物詩を毎年見る度に、何ともやるせない気持ちになるのです。

当たりくじが出やすいと言われる窓口が西銀座チャンスセンターにあるということで、長い行列ができるらしいですが、販売する枚数が多ければ、当たりが多くなるのは当たり前です。

「年末のイベント」として、行列するのを楽しみたいのなら、否定はしません。しかし、寒空の下で行列に並んでも、当選確率が上がることはありません。真剣に賞金を狙っている人にとって、行列することには合理的な理由は無いのです。

確率計算の出来る人であれば、上記のことは当たり前と思うかもしれません。

データを見ると、宝くじ購入する人は収入の少ない人の方が多く、「貧乏人の税金」とも呼ばれています。実際に、宝くじの法律には、その目的を地方財政資金の調達と明記しています。高額の当選という一攫千金の夢を逆手に取って、資金を吸い上げているのです。

このようなことを書くと「庶民のささやかな楽しみを否定するな」とか「夢を冷たく否定するリアリスト」といった批判をしてくる人がいます。

宝くじを買い続けたとしても、高額当選で幸せになれる人よりも、資産を減らしていってしまう人の方が圧倒的に多いのが現実です。だとすれば、もし宝くじを毎年購入するのであれば、その資金を金融商品や暗号資産に振り向けて、資産運用を始める方が賢明です。

少なくとも宝くじよりは、資産を増やして幸せになれる可能性は圧倒的に高くなります。

有名タレントを使った大量の広告で射倖心を煽り、知識のない人から合法的にお金を巻き上げる宝くじは、公営の情弱ビジネスだと思います。宝くじではなく「貧乏くじ」と思った方が良いでしょう。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年11月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。