新庄を監督に選んだ日ハムの英断 – 毒蝮三太夫

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共同通信社

日ハムの新庄監督、良くも悪くも大当たりだな。就任会見から新庄ショーの幕開けだった。「優勝なんか一切目指しません」とか「監督って皆さん言わないでください。ビッグボスでお願いします」なんて、記事になりやすい、見出しにしやすい、写真に撮りたくなる、映像に映したくなる、そのオンパレードでマスコミを見事に乗せたよね。現役時代は「新庄劇場」なんて言ってたけど、今や「ビッグボスショー」だな(笑)。

日ハムは2019年から3年連続5位と低迷。責任をとって栗山監督が退いた。さあ次どうするってことで球団は考えたわけだ。球団として「試合に勝つ」ことはもちろん重要だけど、もっとトータルに球団として重要なのは「経営で勝つ」ということだと。

チームの強さと入場客数 究極の選択

なにしろスポーツそのものがコロナで大打撃を受けたんだ。無観客試合や入場制限、いまだに尾を引いてるけど、球団にとっては入場者数の激減こそが大問題なんだよ。ちょっと編集部、最近の日ハムの観客数がわかるデータを出してみてよ。

< 北海道日本ハム ホーム試合入場者数 (NPB日本野球機構公式サイトより) >

2017年度 72試合 208万6410人 1試合平均 2万8978人
2018年度 71試合 196万8916人 1試合平均 2万7731人
2019年度 72試合 197万0516人 1試合平均 2万7368人
2020年度 60試合 27万6471人 1試合平均 4608人
2021年度 71試合 54万4818人 1試合平均 7673人

こうして見るとさ、2019年と2020年の落差がすごいね。もちろんコロナの影響だ。試合数が違うから1試合平均の数字を見れば一目瞭然だけど、2019年に2万7千人だったのが、2020年に4千6百人。あまりの落差でクラクラするよ。今年2021年も7千6百人だから、観客数激減問題は現在進行形、深刻なんだ。

そこで究極の選択だ。チームの強さと入場者数、そりゃあどっちも追いかけたいけど、まずどっちを優先するんだってことで、追い詰められた日ハムは後者を優先した。そこでふさわしい監督は誰だっていうんで白羽の矢が立ったのが新庄剛志だった。

言うなれば新庄監督はコロナが生んだ監督だよ。日ハムがコロナに勝つために打った強力なワクチン、それが新庄監督なんだよ。

「経営を強くする」を突き詰めた答えが新庄監督

Getty Images

でもよく決めたよね。「ええっ、あの新庄が監督やるの!?」って思ったもんな。確かに新庄という人は、現役時代は野球センスが光って、奇抜なこともよく似合ってた人気選手だったけど、じゃあ指導者に向いているかって言ったら未知数、むしろ首をかしげるタイプだよ。自分自身の見せ方を引き出すのは得意だろうけど、いざ野球ということで選手たちの実力を引き出し、育てることについては適任かどうかワカラナイ。

だけど日ハムはチームを強くすること以上に、チームの経営を強くすることを選び、それを真剣に突き詰めた。その答えが新庄監督だったんだ。

今みたいに新庄監督が世間に話題を振りまき続ければ、それは大きな広告になる。入場者数は必ず増えるよ。そうすればグッズも売れる。売れるのはグッズだけじゃない。親会社の商品であるハム製品だって相乗効果で売れるだろうよ。入場チケットやグッズの売り上げよりも、そっちのほうが日本ハムという企業にとっては大きいんじゃないかな? 「ビッグハム」とか「ボスソーセージ」とか新商品を出せば間違いなく売れるよ。

それにしても新庄監督は見事にマスコミを乗せたよね。先日の秋季キャンプ視察では新庄監督が連日どんなファッションで現れるのかが注目されてたけど、いったい何を着て現れるのか、それが注目されるなんてハリウッドのセレブと変わんないもんな。

なにしろ、あの歯の白さ。セレブだってあんなに白くないよ。俺も歯を白くするっていうホワイトニング? 前に歯医者さんでやってもらったことあった。でも10日か20日で元に戻っちゃったな。新庄監督の歯の白いのはそれなりに金がかかってんだろ。それが似合うんだからたいしたもんだよ。面白いキャラクターだね。新庄監督は「オモシロイし、ハモシロイ」ってことかな(笑)。

ま、つくづくテレビ的というか、タレントだよな。自分が周りからどんなふうに見えてるか、何を言ったらどう取り上げられるか、それを常に意識している。したたかなんだよ。そういうことってウケるツボを押さえるセンスがないと、単なる独りよがりになってしまうからね。新庄という人は常にウケるツボを押さえているんだから、この「ビッグボスショー」はたいしたもんだよ。