デスク周りでデッドスペースになりがちなのが、デスクの下、ちょうど膝の先にあるスペースだ。人は椅子に座る時、必ずしも膝を90度に折り曲げるわけではない。デスクに相応の奥行きがあれば、必ずこの膝の先にぽっかり空いた空間が出てくる。
もし、手持ちのデスクが、この空間に背面からアクセスできる構造であれば、試してみたいのがワイヤーケーブルトレーだ。これはデスク天板の後部に取り付けて、電源タップや余ったケーブルをバスケットに入れる感覚で片付けられるトレーだ。
こうしたケーブル整理用のワイヤーボックスは、ネットで検索するとさまざまな製品が市販されているが、今回紹介するプラスの「Garage」ブランドのワイヤーケーブルトレーは、20年以上もの歴史がある、このジャンルでは元祖といっていい製品だ。
取り付けはクランプ式で、デスクの天板に挟み込んで固定するだけ。いわゆるケーブルボックスのように全面をすっぽり覆い隠す構造ではないため、熱がこもるなどの問題もなく、また設置後の配線の変更も自在だ。コンセントが2列に配置された大型の電源タップをそのまま載せられるなど、収納量も多い。
クランプ式ということもあり、ネジでデスク天板に固定するタイプと違って、取り付け後に左右の位置をずらせるのもよい。特定のファニチャにだけ対応する専用品というわけでもないので、将来的にデスクを買い替えた場合でも、使い続けられるのはメリットだろう。他社製品に比べると高さに余裕があるため、電源タップの口が上を向いていても、設置後の抜き差しは容易だ。
床に這わせているケーブル類をこうしたトレーにまとめるきっかけとなるのは、主に美観の問題が大きいが、ホコリが積もりにくくなるため、電源タップのトラッキング火災の防止に役立つほか、足に引っ掛けにくくなるという利点も大きい。
気をつけたいのは、背面部分が大きく開いたタイプのデスクでないと、取り付けられないことだ。クランプ部を90度回転させて、トレーを反対向きに挟み込めればよいのだが、そうしたギミックは用意されていないので、背面がパネルで覆われたデスクは、利用をあきらめるしかない。こればかりはどうしようもない。
またデスク天板の厚みは1.8~3cmの範囲内で、奥行きが4.5cm必要であることも条件だ。デスク周りの整理整頓に絶大な威力を発揮する本製品だが、購入するにあたっては、自分の環境に適合するか、よくチェックすることをお勧めする。
なお本製品には、今回紹介しているSサイズ(幅39.7cm)のほかに、Lサイズ(幅63.7cm)もラインナップされているが、この手の製品は、買ってみたらデスク天板の突起などに干渉して思っていた位置に取り付けられなかった……というケースがよくあるので、位置を左右にずらせない幅広タイプのモデルは、リスクも高い。個人的にはコンパクトな本製品をおすすめしたい。
コメント