宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11月19日、宇宙飛行士候補者の募集を12月20日から開始すると発表した。2008年4月以来13年ぶりの募集で、今回は応募条件を大きく緩和し、学歴や専門分野の実務経験を不問とした。従来応募できなかった中卒・高卒者にも初めて門戸が開かれる。
2021年度末の時点で3年間以上の社会人経験、身長149.5〜190.5cm、矯正または裸眼視力が1.0以上、色覚と聴力が正常で日本国籍を有する者が応募できる。社会人経験の条件として正社員/派遣社員/自営/研究職などの雇用形態は問われないほか、大学院卒の修士号取得者は1年、博士号取得者は3年の社会人経験があると見なされる。
JAXAは緩和理由について「より多くの方に可能性を広げるため、パブリックコメント等を踏まえ、応募条件を大きく緩和しました」とコメントしている。また、従来158cm以上としていた身長制限の下限を149.5cm以上に緩和した理由として、宇宙船の改良や新規開発が進み、身体的要件が緩和できるようになったからとしており、女性の応募もしやすくなった。
気になる給与だが、JAXAの職員としての基本給は約32万円(30才の場合)で、住居手当、通勤手当、特殊勤務手当や宇宙飛行士手当なども付与されるようだ。また、フレックスタイム制度、テレワーク勤務制度なども導入しているという。
募集期間は2022年3月4日まで、採用人数は若干名。書類選考や大学の教養課程相当の一般教養試験、国家公務員の大卒程度試験と同等のSTEM(科学、技術、工学、数学)分野の試験などで選抜された宇宙飛行士候補者は訓練後、国際宇宙ステーションや日本の実験棟「きぼう」、米国の「アルテミス計画」などに従事する予定としている。
アルテミス世代と称される宇宙飛行士に、どのような背景の人材が集まるか目が離せない。
12月1日18時からは、女性宇宙飛行士の山崎直子さん、航空自衛隊出身の油井亀美也さん、全日空のパイロット出身の大西卓哉さんの3人でライブ配信も行ない、公式Twitterに寄せられた質問にも回答する。
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