連載の使いこなし編では、自宅Wi-Fiの電波状況を良くする方法を解説している。第91回からは「Wi-Fi EasyMesh」を使って、一軒家や複数部屋があるマンションなどで、快適なWi-Fi環境を構築している。
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Wi-Fi EasyMeshは、対応ルーターであれば、メーカーを問わず相互にメッシュWi-Fiを構成可能な標準規格だ。
これに対応するバッファローのWi-Fi 6ルーター「WSR-5400AX6S」と「WSR-3200AX4S」で、実際にメッシュWi-Fiを構築してみている。
Wi-Fi EasyMeshでは、インターネット回線の接続や、全体のコントロールを行う働きをする「コントローラ」と、電波のエリアを補完して広げる働きをする「エージェント」に分かれていて、個別に設定していく必要がある。
前回は、回線に接続するコントローラとしてWSR-5400AX6Sを設定した。1台のみでインターネットに接続できるこの状態にエージェントを追加して、複数の機器間でメッシュを構築していく。
コントローラにエージェントを登録する
エージェントを、コントローラに追加して登録する方法は、実に簡単だ。
まず、エージェントにするルーターの電源がオフであることを確認する。背面の「AUTO/MANUAL」スイッチは「MANUAL」にしておき、「ROUTER/AP/WB」スイッチを「WB(中継機モード)」に切り替える。そして電源を入れると起動して「POWER」ランプが「緑色」、「WIRELESS」が「オレンジ色」の点灯状態になる。
そこで、コントローラ(こちらの電源はずっとオンのままでOK)とエージェントのLAN端子同士を有線LANケーブルで接続する。製品付属のものを使えばいい。エージェント側も青のWANではなくLAN端子へつなぐ点に注意しよう。
すると、WIRELESSのランプが緑色の点灯状態へと変化するので、設定は完了だ。この操作で、コントローラの設定がエージェントにコピーされる。
緑の点灯ではなく、オレンジの点滅などになった場合、再度電源オフから手順を踏んでやり直してみよう。どうしてもうまくいかない場合には、エージェント側をリセットしてから同じ操作をしてみれば確実だ。
一度設定ができたら、有線LANケーブルを外し、エージェントの電源を離れた場所で入れ直せば、コントローラへ無線で再接続することができる。ここで同様にWIRELESSが緑色の点灯状態になれば、問題なく接続ができている。
もう1つ、WPS(AOSS)ボタンを押してエージェントを追加する方法もあるが、有線LANケーブルを使った方が確実で簡単なので、こちらをお勧めする。
ルーターに加えて、Wi-Fi EasyMesh対応の中継機も追加できる
バッファローのWi-Fi EasyMesh対応機器は、今回追加したようなルーターだけでなく、中継機も選ぶことができる。使っていてWi-Fiの電波エリアにさらなる不満が出てきたら、Wi-Fi EasyMesh対応の中継機を、同様の操作で追加して行けばいい。1台のコントローラに対して、エージェントは4台まで増やすことが可能だ。
最後に、コントローラの設定画面にアクセスして、[無線設定]―[EasyMesh]の項目に[コントローラ]以外に「エージェント」が追加されていればOKだ。ここをチェックしておけば、ちゃんと設定されているかを判別できる。
次回は、Wi-Fi子機をWi-Fi EasyMeshへつないでみよう。とはいっても、特に難しいことでない。そのまま同じSSIDに接続するだけで、エリアを移動すれば勝手に接続先が切り替わっていく。この動きの実際を見ていきたい。