焼豚玉子飯を食べさせてください。
四国地方にある愛媛県。柑橘類が有名で愛媛県生まれの100%オレンジジュース、ポンジュースが水道の蛇口から出てくる場所があるなど、なかなかエキセントリックなことをしてくる県である。そこには昔からあるB級グルメ「焼豚玉子飯」というのがあるらしい。テレビや雑誌などで取り上げられているが、もう食べたい気持ちがおさえきれないので食べに行きます。しょうがないです。
今治市にある焼豚玉子飯
タオルで有名な愛媛県今治市。高級タオルとして知られ、手ざわりがものすごくよい。お土産として母に買ってあげていったら喜んでおりました。
そんな今治にあるのが「焼豚玉子飯」というB級グルメである。かつてデイリーポータルZでも10年前に取り上げられていた。
B級グルメグランプリで脚光をあびて、様々なメディアでも紹介されている。有名なものを紹介するのって恥ずかしい気持ちがあるが行ってみないとわからないこともあるだろう。あと、みなさんが思っている200倍食べたいので行きます。ずっと食べたかったので。
まずは発祥の地に行こうと思う。今治駅から歩いて10分弱。白楽天というお店に来た。
焼豚玉子飯は1970年にまかないとして生まれたのがきっかけである。改良され、お店でも提供されたところ、当時のお店近くにあった高校の生徒たちの間で評判となり、今日まで愛されてきた。
店内では、働く人や家族連れでにぎわっており、焼豚玉子飯を食べている人もちらほら見る。ひとくち欲しい気持ちをぐっとこらえてカウンターの席へと座った。
注文をして水を飲みながら待つ。隣の人が「卵めしで」と言っていた。通な頼み方である。気になるのは、ご飯少なめで注文していたことだ。スーツ姿なのできっと働き盛りの男性なのだろう。少なめでお昼の仕事、乗り切れるのか? それとも健康診断が近いのか。自分も来月、健康診断です。
ご飯が見えないほどの目玉焼きとその下にしきつめられたチャーシュー。ボリューム感がすごい。もうオーラが出ている。大御所芸能人のような落ち着きながらも迫力のあるオーラにレンゲを持つ手がふるえる。本当はふるえてない。なんなら落ち着いて餃子を食べた。
最初にごはんと玉子を半分に割り、目玉焼きの黄身を崩してから混ぜて食べるのが通らしい。割るぜ!
黄身が割れた瞬間、おいしそうよりもおめでたい気持ちになった。
よくイベントでくす玉を割る文化があるが、今後のイベント、焼豚玉子飯の黄身を割ったほうがいいと思う。食べられるので。
見た目だけで100点だが、おいしさは200点である。さすがB級グルメで優勝したことのあるグルメだ。
甘じょっぱいタレがご飯と黄身とチャーシューにからみあって、それを口に入れたら、脳のドーパミンが一気にあふれ出た。体中をかけめぐるうまさ、これがそうか、長年求めていた焼豚玉子飯の味か。本能からうまいと感じる味。
この焼豚玉子飯、かなり甘いタレなので後半になると味に飽きる人もいるかもしれない。でも、安心してほしい。そういう人のために調味料がある。
これをかけると少し辛めになる。辛いのが好きな人はこれを少し多めにかけて食べてもいいかもしれない。
やるな焼豚玉子飯。他にも提供しているお店があるので行ってみよう。
今治駅の観光案内所の人におすすめされたのが重松飯店である。ここもおいしいらしい。
店内に入ると壁一面に芸能人のサイン色紙がある。その中に焼豚玉子飯が堂々とあるのが、うまさの自信の証拠だ。
焼豚玉子飯を食べるかとメニュー表を取ったが、セットメニューなるものがあるようだ。その中でも満腹セットという、食べ盛りにぴったりなセットがあったのでそれにした。ちなみに満腹セットをより満腹にしたいので「焼豚玉子飯を大盛りってできますか?」と聞いたら、セットにできないそうだ。残念。
焼豚玉子飯にチャーハン、それにラーメン。中華料理屋の炭水化物が全部出てきた。あと、ラーメンを冷やしラーメンに変更できるので冷やしラーメンにしたが、おぼんの上が食器だらけになって豪華なので大成功である。
焼豚玉子飯がないと思った人、左上にネギが乗ったものがあるだろう。それがトッピングしたらすごいことになった焼豚玉子飯だ。
ただでさえジャンクな食べ物にマヨネーズを乗せてしまったらどうなるのか。あまりのおいしさに心がどっかにいってしまうのではないか。
まずは焼豚玉子飯を食べてみる。焼豚玉子飯の甘辛いタレにマヨネーズのうまさがプラスされ、元々ジャンクな味をしていたものがよりジャンクでたまらない味になった。カロリーのことを気にしたら負けだ。食べるたびに「これはすごい、やばいものを食べている」と興奮がおさえきれない。深夜にこれを食べたら罪悪感と幸せで朝まで寝れないと思う。
全部うまい。ラーメンもうまいし、チャーハンもうまい。うまいものしかないのかこのお店は。
満腹になったのでお会計をしてもらう。店員さんに「大丈夫?足りました?」と聞かれたので「餃子を頼めばよかったです」と言って笑ってお店を去ったが強がりを言った。今、歩くスピードが遅くなるほどお腹いっぱいです。
いやー食べた。じゃあ、腹ごなしにオムライスでも食うか。
オムライスみたいな焼豚玉子飯
次のお店では変わった焼豚玉子飯を食べたい。そう思っている人にもおすすめしたいのが「瀬戸内ちゃんぽん 菜めん」というお店だ。
店名にちゃんぽんの名が入っている通り、ちゃんぽんが名物のお店だが、焼豚玉子飯もある。
おいしそうな焼豚玉子飯がある。これを食べたいが、目的のものは違う。オムライスだ。
ただのオムライスに見えるだろう。実はこれも焼豚玉子飯なのだ。
冬の朝は寒い。布団を何枚もかけて寝るのが最高だ。それはご飯でもそうだ。ご飯の上に、焼豚、とろとろの玉子、ケチャップ。グッドモーニングである。なにが言いたいかと言うとおいしいということです。
オムライスのようではあるが、焼豚の味付けもそこに加わって今まで食べたことのない味に頭が混乱する。本来の焼豚玉子飯のような甘さはないが、これはこれでおいしい。明日のホテルのバイキング、オムレツを食べたいという気持ちになる。
あんかけ焼豚玉子飯
全てのものをあんかけしたいときがあるだろう。そんな人にぴったりの焼豚玉子飯がある。来々軒というお店だ。
中に入るとおじさんがラーメンを食べていた。会計のときに「ここのラーメンはうまいなー」と言っていた。あと、自分のあとに入ってきたおばあさんも「ここのラーメンはうまいからね」と言ってみんなラーメンをほめていた。ちゃんと伝える気持ち、大切にしたい。
マンガを読みながら待つ。料理が出てくるのをゆったりと待つ時間が庶民的なお店での最高の過ごし方だ。普段、読まないようなマンガを読みつつ、しばらく待つとやってきたのがあんかけの焼豚玉子飯だ。
あんかけ焼豚玉子飯。果たしてどんな味なのか。
あんかけの熱さをなめていた。でもうまい。汁だくなのでするする食べられる。焼豚玉子飯の独特の甘うまさとは違う、しょっぱくてうまい王道の中華料理という感じだ。餃子の王将でも出して欲しい。
松山で見つけた焼豚玉子カレー
焼豚玉子飯は今治発祥ではあるが、愛媛県の県庁所在地である松山の飲食店でも提供している。
松山駅周辺のお店でも提供しているので、 今治に行く時間がないけど、焼豚玉子飯を食べたい人は松山で食べよう。
普通の焼豚玉子飯もおいしいが、松山駅にあるカレーショップデリーにはカレーと焼豚玉子飯を合わせたメニューがある。
見つけたときにはドラゴンボールにアラレちゃんが出てきたときぐらいの衝撃を受けたね。 でも、結構食べたのでお腹がいっぱいである。どうする、あるよというのだけお伝えしようか。
分厚くボリュームのあるチャーシューと汗をじんわりとかく辛さのカレー、それに玉子を合わせて食べたら、そんなものをおいしいに決まっているだろう。 お腹いっぱいでもおいしいので、お腹が減っているときに食べたら恋心が生まれてしまう。今はちょっと気になるあの人状態です。
かつては焼豚玉子カレーうどんもあった
ちなみに松山駅の改札を出てすぐのところにあるそば屋では「焼豚玉子カレーうどん」なるものがあったそうだが、今は提供していないようだ。 聞いて頼まないのも悪いなと思い、山菜そばを食べた。こんなにお腹いっぱいで食べる山菜そばは初めてだったので、いい経験をした。