ルールを知らないボードゲームを勘で遊ぶとどうなるか

デイリーポータルZ

↑すでに全然違う。

ボードゲームは、デザイン豊かなコマやボードとワクワクするようなルールで、我々を楽しませてくれる。今回、コマやボードだけを見て、ルール説明を一切読まずに遊んだらどうなるのか、やってみた。

ルールを自分たちで考えるということ。

昔、トリビアの泉というテレビ番組で、「野球を知らない人々に野球道具一式を持って行ったら一週間後にどんな遊びができるのか」という検証をしていた。アフリカのとある村に野球道具一式を渡し、一週間後にできた遊びは「片足で跳ねながら捕虜を取り合う遊び」だった。「同じ道具でもこんなに違う遊びになるのか!」と興味深かった記憶がある。

これと同じ体験がボードゲームでも出来るかもしれない。ボードゲームのコンポーネント(コマやタイルやボード)を見て、説明書を読まずに自分たちでルールを想像して遊ぶ。一体どんな遊びになるのか。

実際にやってみた。

当サイト編集部石川さん、ライターの三土さん、乙幡さんに被験者として協力してもらった。

実はこの撮影は3人がDPZ19周年企画で1時間歩き続けた直後であり、体が疲れているのにここから頭も使わせてしまい大変申し訳ない気持ちでいっぱいである。

最初に遊んでもらうのは天下鳴動というボードゲーム。戦国武将として日本全国の城を奪い合う陣地取りゲームだ。ゲームマーケット大賞2018年の大賞作品で、運と戦略のバランスが絶妙で評判が高い。

昔の日本地図のボードに兵のコマを置いて行って城を奪うゲーム。

読者の皆さんには正しいルールをざっくりとお伝えしておこう。

ゲーム序盤は軍の配備である。サイコロ3個を同時に振り、2個と1個に分ける。2個の出目の和が城の番号を表し、1個の出目の半分(端数切捨)の兵コマ(四角いコマ)を置く。
軍の配備が終わったら、城の番号が小さい順に国ごとの勝者を決める。例えば、5の国では、最も兵コマの多い黄色が城の番号と同じ5点を獲得。2位の青色がその半分の2点を獲得。そして、1位は2個、2位は1個の援軍(白の四角いコマ)を隣接する国に置く。

援軍という仕組みがこのゲームの戦略性を格段にアップさせる。時に援軍によって順位の逆転が起き、しかもそれが連鎖していくのだ。

ともかく、このゲームのポイントをまとめると、

  • 陣取りゲーム
  • 四角いコマは兵を表す
  • サイコロ3つを同時に振って2個と1個に分ける
  • 白いコマは援軍として用いる

さて、 このゲームのルールを知らない3人に、ルールを考えながら遊んでもらう。(筆者はルール知っているので3人の様子を観察する。)

ルールを1ミリも知らない人の考える「天下鳴動」

三土:これ日本なんだ。清州城とか小田原城がある。
石川:丸い数字を丸い枠に置くんですかね。数が一致しているので。
三土:かしこ~い!
石川:そして兜の形がプレイヤーのコマなんじゃないですか?
三土:じゃあ俺、今川!
乙幡:小早川!
石川:じゃあ織田もらいます。
※武将の名前はゲームに出てきません

セッティング完了。ここまで奇跡的に合っている。

三土:とりあえずサイコロを振ります。3。

ボードの右下にはこんな表記が。置ける兵士の数を表す。

三土:3なので2個のコマをもらえるんだ。俺は青なので青いコマを2個もらいます。とりあえずこれでターン終了です
全員:(笑)
石川:コマは兵士なんじゃないですか?なので、みんな最初からコマを持ってるんじゃないですか?
乙幡石高(こくだか)の可能性もある。いや、兜があるから兵士か。

「城の防御力」の発明

三土:…わかった。城の数字が防御力を表しているんですよ。例えば数字が12の城は、コマを12個置いたら落とせるんですよ。なので俺は数字が2の徳山舘に2個置きます。

早くも徳山舘を落とした三土軍。

全員:(笑)
石川:これでもう城を1個取った…。
乙幡:こんなあっさりしたゲームでいいのかよ。
石川:奥が浅い感じがしますね。

「四角いコマが兵を表す」「サイコロの出目によって配置する兵の数が決まる」という重要なポイントを押さえているが、「城の防御力」という謎の概念により、深みのないゲームが生まれつつある。

すごい勢いでクソゲーが出来上がっていく。

石川:私はサイコロの結果が4なので、2個の兵を三土さんと同じところに置きます。すると、三土さんと私で2対2なので相殺されます。もともとあったコマは場に戻る
乙幡:場。

突然の「相殺ルール」が追加され、再び徳山舘は城主不在に。

この調子でターンを進めるものの、「取っては相殺され」を繰り返し、一向に局面が変わらない。一気にクソゲーの気配が漂ってきた。このままだと終わらないのでヒントを追加する。

サイコロを3つ同時に振ってください。

ほり:ちょっとヒントを出します。サイコロを3つ同時に振ります。
三土:なんで3個あるのかなと思ってました。
石川:じゃあ最大9個の兵が手に入るのか…。
石川:…っていうかこれ何?

ここで石川さんが兜のコマに着目する。

全員:(笑)
三土:たぶん、兜は居城を表しているんですよ。

居城ルールの発明により、首里城に城を構える石川軍。

ここからどんどんルールが追加されていく。

京の発見

三土「天下鳴動」ですから、京に攻め上がるんじゃないですか?
乙幡:確かに、京だけ囲ってある

京は二重の四角で囲われている。実は先ほどの読者向けルール説明では省略しましたが、特殊カードに出てきます。今回は特殊カード無しでプレイしてもらっています。

三土さんによる「京の発見」により、ゲームの勝利条件が設定され、ゲームっぽさが出てきた。もちろん全然違いますが…。

石川:思ったんですけど、ここに道があるじゃないですか。つまり「移動」の概念がありますね。

よく見ると島と島が道でつながっている。本来これは「援軍」を適用するためのものだ。

三土:そうか。好きな場所にコマを置くんじゃなくて、1マスずつ移動していくんじゃない?
乙幡:どこかでかち合うと戦(いくさ)が起きるんだ。
乙幡:じゃあ、攻め込むか!来れるもんなら来てみろ!

小田原城を拠点としつつ、清州城に攻め入る乙幡軍。

もはやオリジナルの上洛ゲームに進化した天下鳴動。世はまさに群雄割拠の戦国時代。一同は戦いながら京を目指すことに。しかし、依然としてクソゲー感は否めない。

点とは…?

三土:ほりさんもう少しヒントください…。
ほりコマが兵力を表すのは合っています。
三土:京を攻めるゲームですか?
ほり:勝利条件は京ではなく、点をたくさん取った人の勝ちです。
石川:点…?知らない概念だ。城を1個とったら1点にしますか?
三土:そうしましょう。

ここで石川さんがまだ使っていないチップに手を付ける。

これも先ほどの説明で省略したのですが、刀のチップがあります。兵力が同数の場合には刀のチップで決着するルールがあるのです。

石川:この刀は戦利品ということにしますか?城を落とすと貰える。
三土:城の倉庫にある備品ということですね。
石川:というわけでこの城に攻め込んで、刀をゲットと…。

自分で考えたルールをさっそく適用し、刀4本を手に入れる石川さん。
さらに、白いコマは「もともと居た敵」というNPC的な役割で配置され、ゲームはいよいよ混迷を極める事態に。

これが俺たちの天下鳴動だ!

ほり:あの、いい感じにゲームを終わらせてくださいね…。
乙幡:これ終わるのか?終わるって何だ…。
三土:やっぱり戦うんじゃないですか?
石川:兵を自由に動かせるから、後から攻めるのが有利すぎる。
三土:わかった!サイコロに応じて動かせる数が決まるんだ。​​​​​​
石川:そして負けたコマは死んで完全に失われるんですね。
乙幡最後まで生き残った人の勝ち
石川:そんな消耗戦みたいなことあります?
三土:でもいったんそのルールでやってみますか。
乙幡:戦うついでに城の数字のチップも取りますか?
石川:それが点数ってことですね。

いよいよゲームが固まってきた。これが俺たちの天下鳴動だ。

  • 各軍、四隅のいずれかの国に最初の拠点を築き、すべての兵コマを置く
  • サイコロ3つを同時に振り、出目に応じた個数の兵コマを、隣接する国に動かす
  • 城の数字と同じ個数の兵コマをその国に置くと、城を落としたことになり、その城のチップを貰える
  • 同じ国に色の異なる兵コマが置かれた場合は、すぐに戦になる。最も多くの兵コマを置いた軍の勝利で、負けた軍の兵コマは場から除かれる
  • 白い兵コマは敵軍であり、最初から置かれている
  • 誰かひとつの軍が全滅した時点で、獲得している城の点数の合計が多い軍の勝利

できた!これで遊ぼう。

俺たちの天下鳴動で遊ぶ。

徳山舘を拠点とし、米沢城に進軍する三土軍。小田原城からすでに進駐していた乙幡軍を兵力で上回り、戦に勝利。4コマ分の乙幡軍兵は帰らぬ存在に。
しかし、乙幡軍、すぐさま反撃を開始。軍勢は6コマで、5コマの三土軍を上回り、米沢城を奪還。

こうして乙幡軍と三土軍が米沢城をめぐる総力戦で消耗している間に、漁夫の利的に石川軍が勢力を伸ばしてくのであった。うーん、やっぱりクソゲーだ…。 

三土:僕、米沢城で対消滅していくだけじゃないですか。

三土軍が徳山舘から本州に出るには米沢城を通らねばならず、乙幡軍によってどんどん摩耗していく。気の毒である。
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答え合わせ

さて、一応のルールが出来たので、本当のルールを3人に伝える。

ほり:では答え合わせします。本当のルールをお伝えします。
乙幡:すっごく知りたい。
三土:これを超えるルールがあるんですか?

ほり:兜は自分が何色かを示すだけのものなので、手元に置きます
三土:まじかよ。

ほり:サイコロを3つ振ったら、2個と1個に分けます。2個のサイコロの合計の城に1個のサイコロの数の半分の兵を置きます。
三土:なるほど~!城の数字が2から12までということに意味があったのか。気が付かなかった~。
ほり:こういう感じでどんどん兵を置いていきます。
乙幡:わりと静的に進むゲームなんですね。

前半はとにかく兵コマを置いていくのが正解だった。

ほり:ここからが戦のフェーズで、数字が小さい城から順に順位を決めていきます。そして、1位と2位の軍は隣の国に援軍を送ります。
三土:うわー。援軍は絶対わからん。
石川後の方ほど援軍の影響が大きくなっていくんですね。
ほり:そうやってどんどん連鎖していくのが面白いゲームです。

ほり:合っているところもありました。「コマが兵を表す」「各国に兵を置く」「コマの多さで戦の結果を決める」「城のチップを獲得し点数を競う」「白いコマは特別扱い」「道の概念」などは正解です。まあまあ惜しかったです。
乙幡:ヒントはいろいろあったよね~。

最終的には惜しかった。これは3人がボードゲームを取り囲むいい写真です。

海底探検!

次にやってもらうのは海底探検というゲーム。海に潜り宝を持ち帰るゲームだ。途中で酸素が無くなると死ぬ。ギリギリを攻める駆け引きのゲームだ。ゲームマーケット大賞2015年の大賞作品である。

こちらも読者の皆さんに正しいルールを簡単に伝えておく。

宝を数珠つなぎにして、すごろくの要領でコマを進めていく。
プレイヤーは自分のいるマスの宝を獲得することができる。宝を獲得したマスはブランクのチップで置き換える。また、プレイヤーは頃合いを見計らって「引き返す」と宣言。
潜水艦には全員共通の酸素があり、誰かが宝を持っているとその分酸素が減っていく。酸素が尽きる前に帰艦しないと、宝を持ち帰れずに息絶えてしまい無得点となる。

ここで気を付けたいのが、「自分が持っている宝の数だけサイコロの出目を減らす」というルール。上の例ではサイコロの出目の合計は3だが、宝を1個持っているので 3 – 1 = 2マスしか進めない。よくばって宝を持ちすぎるとスピードが落ちて帰艦に失敗するのだ。

ポイントをまとめる。

  • 宝を数珠つなぎにしたすごろくゲーム
  • 酸素が尽きる前に帰艦しないとダメ
  • 宝の数だけ全員共通の酸素が減る
  • 宝の数だけスピートが落ちる

さて、シンプルなコンポーネントを3人はどう扱うのか。 

これが私たちの海底探検だ!

結論から言うと、全然違うゲームになった。まず、初期配置である。

もう違う。全然違う。

 興味深いのが、正しい遊び方とは視点の向きが違うことだ。

彼らは机の面を海底に見立てた。ここに潜水艦で降り立ち、迷路のような海底遺跡を探索するようだ。

 これはこれで面白そう。

本来ブランクを示す「×」のチップが、十字路を示す「+」のチップとして利用されているのが面白い。

海底遺跡に探検者のコマを配置し、サイコロの出目の分だけ探検者を移動させ、宝を手に入れるゲームのようだ。 すごろくという意味では合っている。いい感じ。

しかし、行き着いたのはまさかのバトルロワイアルゲームである。

宝のチップの取得と引き換えに迷路を切り離す。運悪く取り残されると行動範囲が大幅に制限されてしまう。急に残酷性が出てきた。

石川:そこで宝を取っちゃうと、動けなくなる。
三土ボンバーマンじゃないですか。
乙幡:頭わるっ。

使ってない要素がある

何はともあれ、ゲームっぽいのができた。

三土:この解釈でいいとして、潜水艦はどうします?

一番大きい要素をまだ使っていない。

全員:(笑)
乙幡:盛大に積み残しましたね。
石川:これは最初の盤面を作るときに使うんだと思いますよ。 

よくわからないが、潜水艦の赤い丸を動かしながら、最初の迷路を作っていくらしい。全然よくわからないし全然違いますが。

答え合わせ

ほり:いやぁ出来ましたね。答え合わせしましょう。
石川:今回はかなりいい線行ったんじゃないですか?
ほり「チップをつなげて盤面にする」という発想は合ってます。
乙幡:えー!すごい。
ほり:ただ、「×」のチップは最初は使わないです。
三土:まじで?
全員:(笑)
ほり:潜水艦からチップを繋げていきます。
全員:あ~!

美しいグラデーションになる。

三土:だんだん色が濃くなっていくんですね。
石川:そういうことか!
乙幡:デザインにヒントがあったのか!
ほり:サイコロを振って、すごろくのように進めます。止まったマスの宝を貰う場合は代わりに「×」のチップを置きます。
石川:「×」は通路じゃないのか。
ほり:で、宝を持っていると、潜水艦の酸素が減っていきます。しかも、宝の数だけサイコロの出目を差し引きます。プレイヤーは好きなタイミングで「引き返す」と宣言します。酸素がゼロになる前に潜水艦に戻らないと死にます
三土:なるほど~!
石川:宝をいっぱい持っていても死んだら無駄なんだ。
三土:よくできてる。
乙幡:おもろい。 

せっかくなので正しいルールで1ラウンドだけやってみたが、全員帰艦できず失敗。みんなよくばりだ。

実際にはこれを3ラウンドやるので、より戦略性がある。リードしている人はわざと宝を抱え込んで酸素の減りを早くするのだ。 

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カロムをやる。

最後に、カロム(キャロム)というボードゲームで遊ぶ。これについては筆者もルールを知らない。ルールを知らないまま、この日のためにヤフオクで競り落とした。年季がすごい。

木枠の1辺は60cmもある。デカくて重い。撮影のために自宅からレンタル会議室まで運び、筋肉痛が一週間続いた。
箱に入っていたコンポーネントたち。色とりどりのおはじきのような丸いアイテムと、小さいサイコロと、赤・緑・黄の円錐状のアイテム。もちろん説明書は読まない。

ルールこそ知らないが、テレビで「滋賀県彦根市で異様に人気のあるゲーム」として紹介されているのを見たことがある。

これはきっとおはじきだ。

私も参加してルールを想像するが、とにかく要素が多すぎる。

石川:なんかビリヤードっぽいですね。
ほり:わからなすぎてイライラしますね。
三土:模様がバックギャモンにも似ていますね。
ほりおはじきだと思うんですよ。この模様の上にセッティングするんだと思います。

バックギャモンみたいな模様を発射台に見立てておはじきを並べる。

ほり:並べるとおはじきが余りますね。いやだな…。
石川予備じゃないですか?
ほり:予備の概念が我々を戸惑わせる。
三土:特別な色のおはじきが4色ある。ひとり1個じゃないですか?
ほり:確かに。配りましょう。

それっぽくなってきた。

石川:自分を表す色が2個あるのは気持ち悪いですが…。
ほり:あとはちっちゃい円錐のアイテムをどう使うかですね。
石川:おはじきの上に乗るんじゃないですか?人生ゲームみたいに。

乗った!まあまあ不安定だけど。

 石川:で、結婚するとこうなる。

石川さんそれは完全に人生ゲームです。
石川さんから、積んだサイコロをおはじきで崩す案が提案されるが、すぐに却下される。

おはじきを確信

ほり:でも絶対はじくとは思うんですよね~。
乙幡:ほら、だってここにバンドが。

劣化してカチカチだが、ゴム製のバンドがある。衝撃を吸収するということだ。

やっぱりおはじきだ。その線で考えよう。

その後も検討を重ねるものの、納得のいくルールが生まれない。埒が明かないので、いろいろ無視しておはじきで遊ぶことにした。まず、各自がサイコロを振り、特別な色のおはじきの位置を決める。

ほり「サイコロが1個余りますけど。」石川「それは予備ですね。」

 三土:あとは思い思いにはじくんじゃないですか?

どーん!突然はじき出す三土さん。

全員:(笑)
石川:自分の色を覚えておかなきゃですね。

ついに戦いが始まった。一人一個の特別な色のおはじきを指ではじき、相手のたくさんあるおはじきを落とすゲームである。

一周して再び三土さんのターン。

三土「これもう攻め落とせますね。」

石川:場外に出たので、三土さんは負けですね。
三土:負けですね。
乙幡:厳しい。

色が多すぎてわからなくなる

続いて乙幡さんのターン。

だいぶ慣れてきた。

ほり:乙幡さん、それ僕のです。
全員:(笑)
乙幡:色が多すぎてわかんなくなる(笑)

結局、我々の導き出したゲームは、おはじきとビリヤードを融合させたようなゲームだ。相手の色のおはじきをポケットに落としていく。しかし小さい円錐の使い道は最後まで分からなかった。

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だいたい合ってた。

満を持してカロムの説明書を読む。まず、説明書の表紙には衝撃の事実が書かれていた。

「43種類のゲームができます。」だと???

いかにもこれはカロムだが、他にも「ボーリング」「バックギャモン」「チェス」など全43種類のゲームができるようだ。 

そして、カロムではサイコロや円錐を使わない。まさかの「使わない」が正解だったのだ。円錐はボーリングなどで使う。

43種類の中でも、最初に書かれている「スタンダードキャロム」が、もっともスタンダードなカロムであろう。

正直、この説明書だけでは不明な点もあり、あとでインターネットでも調べた。しかし、説明書と全く同じルールのものは見つからなかった。おそらく、時代とともにルールがマイナーチェンジしており、この「スタンダードキャロム」はかなり昔のルールなのだろう。(このあたり詳しい方は教えてください。)

以下では、この説明書に記載のルールを我々なりに解釈したものを解説する。

まず、おはじきを円形にならべ、①の人から順に白いおはじきを角からはじく。
2周目以降は、自分の担当する辺のシュートライン上の好きな位置に白いおはじきを置き、自分の担当する色か黄色・橙色・鼠色のおはじきを狙う。

その他、落としたおはじきの色の組み合わせでボーナス点が加算されるなど、なかなか複雑だ。ちなみに、自分のはじいたおはじきがポケットに落ちたり飛び出したりした場合は減点。即負けではない。

我々の考えた「おはじきとビリヤードを融合させたようなゲーム」というのはだいたい合っていた。すごい。

そして現在のカロムについてインターネットで調べたらもっとシンプルでわくわくするようなルールだった。スーパーカロムというものもある。カロムの世界は奥が深そうだ。

発想次第であらたな遊びが待っている。

ルールを自分で想像するというのは、なかなかない体験だ。脳のふだん使わない部分をフル稼働させたような気持ちで、妙に疲れた。(協力してくれた3人はこれを3つもやったので3倍疲れたと思う。ありがとうございました。)

しかし、これは面白い体験だ。どんなものも遊び方は1つじゃないので、どんどんオリジナルの遊び方を考えていけばよい。発想次第であらたな遊びが待っている。カロムのコンポーネントなんか遊び方が43種類もあるのだ。

そしてカロムの44個目の遊び「おはじきを長く回した人の勝ち」を考え出した人たち。

 

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