農業現場を支援–ソフトバンク、農業AIブレーン「e-kakashi」の価格下げ、大幅刷新

CNET Japan

 ソフトバンクは10月4日、農業AIブレーン「e-kakashi(イーカカシ)」の機能を大幅に拡充したと発表した。

 また、東京エレクトロン デバイス(TED)の最新端末(ゲートウェイ)の採用などにより、従来は1台約75万円だった端末を税込10万9780円と低価格化した。なお、利用には接続料(月額1078円/1契約)および、クラウド利用料(月額4378円/1端末)が別途発生する。

 また、農作物や栽培方法によっては、端末に加えて温湿度やCO2(二酸化炭素)濃度などを計測するセンサーの購入が必要となる。

 同社によると、国内では少子高齢化や過疎化による農業現場での人材不足が深刻化しており、テクノロジーやデータを活用して、農作業の効率化や生産量・品質の向上、技術継承などを行うことへのニーズが高まっているという。

 そこで2015年から、IoTセンサーを活用して収集した環境データを、植物科学の知見を取り入れたAIで分析し、最適な栽培方法を提案する農業従事者向けの支援サービスとして「e-kakashi」の提供を開始した。

 2015年のサービス開始当時は、子会社のPSソリューションズが提供しており、2019年にソフトバンクへと事業を移管している。

 今回のリニューアルでは、一般的な農業IoTソリューションと異なり、端末にソーラーパネルとニッケル水素電池を搭載し、外部電源への接続が不要な完全独立駆動式に刷新されている(ただし、センサーの種類に応じて、外部電源への接続が必要)。

 これにより、利用者は電源の有無などに左右されず、自由な場所に端末を設置して、ほ場の環境データの収集が可能となった。

 また、幅広い農業従事者のニーズに対応できるように、最適な栽培方法の提案や環境データの分析、各種データ管理などを行う「e-kakashi Navi」「e-kakashi Analytics」「e-kakashi Note」「e-kakashi Recipe Studio」という4種類のアプリを新たに提供する。

 利用者は、栽培ナビゲーションやほ場の環境データの分析結果をスマートフォンやPCを利用して確認でき、目標とする生産量の達成や品質の向上、農作業の効率化などデータに基づく専門性の高い栽培指導などに役立てられるという。

 なお、スマートフォンアプリのe-kakashi Naviとe-kakashi Note、Webアプリのe-kakashi Recipe Studioについては無料。Webアプリe-kakashi Analyticsについては、月額1万1000円(100フィールドまで)の利用料が発生する。

 同社では、今回のリニューアルを通して、より多くの農業法人や農業指導者・研究者、食品・種苗・育種メーカー、メーカーの契約農家などの農業従事者への普及を図り、農業現場の課題解決を支援することを目指すという。

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