知っておきたい「防災・災害対策の定番サイト&アプリ」 ハザードマップ、豪雨、洪水、土砂災害、地震、津波……災害リスクを地図でチェック!【地図と位置情報】

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 8月の大雨は各地でさまざまな被害をもたらしたが、これから秋にかけて日本は台風シーズンとなり、引き続き大雨などへの警戒が求められる。そこで今回は、防災の日に合わせ、防災関連で定番となっているウェブサイトやアプリを紹介しよう。

国交省ハザードマップポータルサイト(国土交通省)

https://disaportal.gsi.go.jp/

 ハザードマップに関する各種情報をまとめたサイトで、大きく分けて災害リスク情報を地図に重ねて表示できる「重ねるハザードマップ」と、各市町村が作成したハザードマップへのリンクを掲載した「わがまちハザードマップ」の2つを用意している。

 「重ねるハザードマップ」では、トップページの検索窓で場所を検索すると地図が表示されるので、災害種別を指定することでそれぞれの災害リスク情報を地図に重ねられる。災害種別として用意されているのは、「洪水」「土砂災害」「高潮」「津波」「道路防災情報」「地形分類」の5種類。このほか、「過去の代表的な災害事例」を選択すると、過去の災害の空中写真やドローン撮影による動画などを地図に重ねることもできる。

 「わがまちハザードマップ」では、トップページから全国の市区町村を選択することで、市町村ごとに用意しているハザードマップへのリンクが表示される。全国地図や都道府県地図から災害の種別を選択することで、どの自治体がインターネットでハザードマップを公開しているかがひと目で把握できる。

ハザードマップポータルサイト

重ねるハザードマップ

ハザードマップをインターネットで公開している自治体が分かる

自治体のウェブサイトへのリンクを収録

川の防災情報(国土交通省)

https://www.river.go.jp/

 大雨や台風が起きた際に、川の水位の状況をリアルタイムに配信するサイトで、2021年3月10日にリニューアルした。全国の川の水位や洪水予報・警報、レーダー雨量、ダムの状況や放流通知、河川カメラ画像など、避難判断に役立つさまざまな情報を入手できる。情報は地図や市区町村名から探すことが可能で、自宅周辺などの地点を登録することでその場所の状況を確認できる。

 気象や水害、土砂災害に関するさまざまな情報を並べて一画面で確認できる「情報マルチモニタ」のコーナーも使いやすく、避難情報や川の水位情報、気象情報、ダム情報、河川カメラなどをまとめて見られるので便利だ。この中には気象庁が提供する「キキクル」(後述)の情報も含まれている。

 このほか、水文水質に関する過去の観測データを検索できる「水文水質データベース」も用意しており、雨量・水位ランキングや、過去の水害・被害額のランキングなども検索できる。

川の防災情報

河川の水位計情報

情報マルチモニタ

雨量ランキング

地理院地図(国土地理院)

https://maps.gsi.go.jp/

 防災関連の情報を含むさまざまな情報を地図上に重ねられるウェブ地図サービス。左メニューの「地図の種類」から「近年の災害」を選ぶと、地震や台風・豪雨、火山など近年発生した災害に関する空中写真や衛星データ、デジタル標高地形図、火山基本図などを表示させることができる。また、大規模災害が発生した場合は、国土地理院が被災地で撮影した空中写真などが地理院地図上でいち早く公開される。

 このほか、左メニューの中から「災害伝承・避難場所」を選ぶと、全国の指定緊急避難場所や自然災害伝承碑(過去に発生した災害に関する様子や教訓が刻まれた碑)、震災伝承施設(東日本大震災から得られた教訓などの継承を目的とした施設)などが地図上にアイコンで表示される。

 また、気象庁が提供する「活火山分布」、地震調査研究推進本部が提供する「全国の主要活断層帯」など他機関の情報を重ねて表示させることも可能だ。

8月の大雨の被災地で撮影された斜め写真

自然災害伝承碑

震災伝承施設

キキクル(気象庁)

https://www.jma.go.jp/bosai/risk/

 大雨による災害発生の危険度の高まりを地図上で確認できる「危険度分布図」を提供するサイト。降った雨が地中にしみこんで溜まった量を数値化した「土壌雨量指数」、雨が地表面や地中を通って河川を流れ下る量を数値化した「流域雨量指数」、地中に浸み込まず地表面に溜まった雨の量を数値化した「表面雨量指数」の3つの指数をもとに、雨が引き起こす災害の危険度の高まりを評価し、危険度分布の予測を提供する。危険度の分布は地図上で色分けされて表示されるので分かりやすく、スライダーを動かして時間を遡って危険度分布を確認することもできる。

 提供するのは、土砂災害の危険度分布を表す「土砂キキクル」、浸水害の危険度分布を表す「浸水キキクル」、洪水警報の危険度分布を表す「洪水キキクル」の3種類で、「洪水キキクル」では浸水想定区域を表示させることも可能。避難が必要とされる警戒レベル4に相当する「非常に危険(うす紫)」などへの危険度の高まりをプッシュ通知するサービスもヤフー株式会社やゲヒルン株式会社など民間事業者と協力して提供している。

キキクル(洪水浸水想定区域)

地形入りの背景地図に切り替え可能

Yahoo!防災速報(ヤフー株式会社)

https://emg.yahoo.co.jp/

 大雨や地震などの災害情報をプッシュ通知で知らせる無料の防災アプリ。対応している災害情報は、自治体が発令する避難情報や緊急地震速報・地震情報、津波予測、大雨危険度、豪雨予報、土砂災害、河川洪水、気象警報、火山情報、国民保護情報(Lアラート)、防犯情報などのほか、自治体が発表する防災情報も配信する。プッシュ通知は現在地および国内最大3地点を登録可能で、地域ごとに最新の災害情報や災害の種類ごとの避難情報を確認できる。

 ユーザー同士で現在地における災害やライフラインの状況を共有できる「災害マップ」を提供しており、2021年1月からは、同マップにおいて全国で活動する防災士による危険箇所の投稿受付も開始した。これにより、防災に関するプロの視点で投稿された信頼性の高い情報を確認できる。

 さらに、8月30日からは、水害警戒時の防災行動を支援する新機能「防災タイムライン」も提供開始した。この機能は、自宅周辺の水害による想定危険度をチェックすることが可能で、世帯構成を元に備蓄品や連絡先、避難先の設定・確認なども行える。また、発災時には対象の災害情報にあわせて防災行動を開始するタイミングも知らせる。

 このほか、災害発生時だけでなく、平常時の備えにも役立つ「防災手帳」も提供しており、避難場所リストやハザードマップ、緊急連絡先のリスト、防災用品などの情報や、災害発生時の対処の仕方などを学べるコンテンツを用意している。

Yahoo!防災速報(左)、防災タイムライン(右)

自宅周辺の想定危険度をチェック(左)、防災行動を開始するタイミングを表示(右)

特務機関NERV防災(ゲヒルン株式会社)

https://nerv.app/

 地震や津波、噴火、特別警報の速報や洪水・土砂災害などの防災気象情報を配信するアプリで、ユーザーの現在地や登録地点に基づいて最適化した情報を配信する。天気や台風の予報、雨雲レーダー、地震・津波・噴火の速報、特別警報や土砂災害の情報、河川の情報、大雨危険度通知、国民保護情報(Jアラート)、ダム放流通知など、さまざまな防災情報を受信できる。また、過去3日分の情報を時系列で見られるタイムライン画面を用意している。

 有料のファンクラブ「サポーターズクラブ」を用意しており、月額250円のEプランに入会するとプッシュ通知の登録地点数が3カ所から6カ所に増えるほか、新機能をいち早く利用できる「アーリーアクセス」も利用可能となる。また、月額480円のEEプランでは、開発の裏側や防災に貢献する活動の取り組みなどを紹介する限定コンテンツを閲覧できる。

特務機関NERV防災(左)、タイムライン画面(右)

ウェザーニュース(株式会社ウェザーニューズ)

https://weathernews.jp/app/

 定番のお天気アプリで、大雨や台風などの気象情報に関する最新情報をいち早く入手できる。雨雲の状況や河川の水位をリアルタイムで把握できる「雨雲レーダー Ch.(チャンネル)」および「雷 Ch.」などを用意するほか、防災・減災関連の情報として「地震 Ch.」「津波 Ch.」「台風 Ch.」「警報・注意報 Ch.」「火山 Ch.」「減災Ch.」「ゲリラ豪雨 Ch.」「避難情報」などを提供する。「減災Ch.」では、現在地周辺の災害傾向を診断できる「減災リポートデータベース」や、水害や土砂災害の危険度をチェックしたり、大地震の発生率をチェックしたりできる「減災お役立ちメニュー」などを利用できる。

 雨雲予測については、無料会員では1時間後まで、有料会員は27時間後までの予測情報を250mメッシュ/10分間隔で提供する。また、現在地や指定した地点の過去から今後の雨の強さがひと目で分かるグラフも見られる。このほか、有料会員になると、ゲリラ豪雨を30分前までに通知する「ゲリラ豪雨アラーム」や、30km圏内の落雷発生をリアルタイムで通知する「落雷アラーム」、台風や大雨のピンポイント予測、冠水・浸水予報も利用できる。

雨雲レーダー(左)、大地震の発生率(右)

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