こんばんは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
各地で豪雨被害と感染症の拡大が続いています。
被害に遭われた方々に心よりお見舞いを申し上げるとともに、引き続き最大限の警戒・感染症対策をお願いできればと存じます。
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さて、メンタリストDaiGo氏のホームレス・生活保護を巡る発言について、本日(14日)にも二度目の謝罪が行われたことで、引き続き注目が集まっています。
【生活保護を申請したい方へ】
「生活保護の申請は国民の権利です。」
生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるものですので、ためらわずにご相談ください。相談先は、お住まいの自治体の福祉事務所までご連絡をお願いします。https://t.co/yKdp1sjS0b
— 厚生労働省 (@MHLWitter) August 13, 2021
言うまでもなく当初のメンタリストDaiGo氏のホームレス・生活保護受給者を蔑視する発言は不適切なものであり、生活保護制度を利用することはなんら恥ずべきことではありません。
私も以前に性的少数者への差別発言をしてしまった際、当事者団体に会いに行き勉強させてもらいました。寄付もされるとのことで、反省すべきは反省し、周囲に良い影響を与える活動をしていただければ。 #NewsPicks https://t.co/blM9k0XJz7
— 音喜多 駿ᾝ1ἷc男性育休取得中(参議院議員 / 東京都選出) (@otokita) August 13, 2021
一方で、現行の生活保護制度にも課題・改善点は山ほどあり、せっかくですからその論点を改めてまとめておきたいと思います。
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現行の生活保護制度は、一言で表せば「狭く深い、抜け出しにくい制度」になっています。
生活保護制度の問題点というと、とかく「不正受給」ばかりがクローズアップされ、勿論ないわけではありませんが、それよりも捕捉率が約2割という低さの方が大きな問題です。
これはつまり、本来は生活保護制度が利用できる人のうち、約8割は何らかの理由で制度利用にたどり着いていないことを意味します。
そして「制度を使いたくない」と一部の人が感じてしまう原因こそが、今回のDaiGo氏の発言のような「偏見を避けたい」というものなわけですね。
またいざ制度を利用しようと踏み出しても、家族の支援が受けられないかの確認や、厳しい資産の処分などを迫られ、行政窓口が時に「水際対策」と呼ばれる厳格なチェックを行うことは広く知られています。
不正受給を防ぎ、限られた税金を本当に必要な人にだけ届けようとする努力は全否定されるものではないものの、「まず親族・家族に頼りなさい」という制度思想になっていること自体も問題です(行政負担も過大)。
私はシングルマザーになり生活ができなくなるくらいになり生活保護申請したら窓口で冷たい対応され帰されました…
そういう冷たい対応受けた場合はその自治体の議員に連絡して対応してもらってください!!
13年前の私にそれを言いたい。
地方議員をもっとご利用ください!#生活保護 https://t.co/01LFjXLXUz
— 三次 ゆりか 江東区議会議員(産後発信) (@MitsugiYurika) August 13, 2021
なお蛇足ですが、私の妻もかつて「若いから」「まだ働いている父がいるから」という理由で生活保護窓口に門前払いされています。
この時、妻は実家とは没交渉で頼れる状態ではなく、自ら命を絶つことも真剣に検討していたそうです。
現行の「狭い入り口」は、同様のケースを多く引き起こしています。
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さらに「狭い入り口」を突破して活用する生活保護制度には、深く抜け出しにくいという罠が待っています。
生活保護から再起を計って働き始めると、生活扶助費の方が給料より高いという逆転現象が生じるため、労働意欲が著しく削がれます。
また基礎年金との関係性で、年金を受給している方より生活保護を受給してしまう方が豊かになってしまうことも広く知られているところです。
こうした制度設計の不備・不合理により、生活を立て直すための一時的な利用が想定されていた制度が、むしろ恒常的で抜け出せない状態を作り出す結果に陥っています。
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藤田文武議員が動画でも解説しています。
こうした課題を解決するために、私たちはベーシックインカムなどの最低所得保障制度を提案しています。
具体的には、生活保護制度における生活費(現金)支給である「生活扶助」の部分はベーシックインカム等に統合し、「医療扶助・住宅扶助」については据え置くことを想定しています。
生活扶助部分は誰もがユニバーサルに受給できるものにすることで、スティグマ(偏見)を払拭し、低すぎる捕捉率という生活保護制度の最大の問題点を解消しつつ、多くの人にとっては「チャレンジのためのセーフティネット」として活用してもらい、労働市場の活性化・経済成長の起爆剤とする。
こうした社会保障制度をシンプルで公平なものに大変革する「日本大改革プラン」は、次期衆院選でもしっかりと訴えていく予定です。
さらなる詳細は、下記のブログもぜひご参照下さい。
私の経済政策に対する考え方〜「日本大改革プラン」とベーシックインカムについて〜(藤田文武議員)
https://fumitakefujita.com/activity/2769
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今回のいわゆる「炎上」騒動が一過性のものに終わるのではなく、支援の広がりや制度改革の議論の端緒となれば幸いです。
図らずも当事者(?)の1人となってしまい、けんすうさんのこの考え方が素敵だなと思ったので、私も選挙区外のホームレス支援団体に些少ながら寄付をさせていただきました。クレジットカード対応をしていた認定NPO法人Homedoorさんへ。広がれ善意の輪!https://t.co/FDxcnafjmX https://t.co/lBLa06kyLt pic.twitter.com/dX7vcrHd4g
— 音喜多 駿ᾝ1ἷc男性育休取得中(参議院議員 / 東京都選出) (@otokita) August 13, 2021
私も寄付しました!
それでは、また明日。
音喜多駿/おときたしゅん
参議院議員(東京都選挙区) 37歳
1983年東京都北区生まれ。海城中・高校→早稲田大学政治経済学部を卒業後、モエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、都議会議員に(二期)。 地域政党「あたらしい党」前代表。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、政治や都政に関するテレビ出演、著書も多数。37歳、二児の父。日本維新の会から公認を受けた参院選にて初当選、参議院議員に。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、日本初のブロガー議員として活動中。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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