NHKの五輪開会式の放送が酷すぎて、世界への配信もさることながら、とくに、日本に在住する各国の人がこれ見たらひどく気分を害すると思われるものが多かった。NHKはきちんとチームを組んで原稿を検討したのだろうか。幹部もこれはチェックすべきだった。
イランをアラブの国とNHKが紹介。これは、本質的な理解不足であってバッハ会長の言い間違えなんかとはまったく違う失礼千万。イランが誇り高きアーリア系であり、主としてスンニー派のアラブ諸国と対立しているという国際情勢のイロハも知らない人が台本書いたのだろうか。
日本を「中華圏の一員である」と紹介するくらい失礼だ。バッハ会長が単なる言い間違いで日本と中国を間違っただけで怒り狂っていた人がいたが、これは言い間違いでなく、それとは比較にならない非礼だ。
それに限らず、NHKの各国の紹介がひどくネガティブな話が多すぎ。在日のその国の人はひどく傷つくと思う。
コロナの感染拡大がひどいだの、内戦で混乱がつづいているとかいうのがメインとはひどい。こういうときは、良いことだけいっておけばいい。せいぜい、軽く困難にふれるのが限度だ。たとえば、国体の入場行進で、「○○県ではコロナが急拡大し医療が崩壊状態です。また、知事の選挙資金疑惑をめぐって議会との対立が続いており・・・・」とか絶対にアナウンスしないだろう。
それから、次期開催国、フランスのマクロン大統領がいたはずだが、登場せず。ほかの国の行進のときには、VIP席にいる各国代表の姿を映していたし、フランスの前のアメリカは、バイデン夫人であることを紹介していたが、マクロンの姿はなく紹介もなし。
しかも、次期開催国フランス選手団の入場が始まるとすぐにカメラは、その後ろに控える日本選手団を映しその紹介を始める始末。
そもそも、天皇陛下も少なくとも昨日のところまで、バイデン夫人とは単独会見しながら、国家元首であるマクロン大統領は12人いっしょくたの集団会見だけ。皇太子時代の最後の年に陛下はフランスを訪問し、ベルサイユ宮殿で晩餐会をマクロン大統領に、皇太子であるにもかかわらず、国賓クラスの厚遇を受けたのにどうしたのだろうか。
五輪開会式で日本の天皇が出席したのにアメリカの大統領夫人より下の扱い受けたり、国営放送がスルーしたら大騒ぎすると思う。
もう「おもてなし」なんてどっかに捨てたらしくて日本人として恥ずかしい限り。
開会式の聖火ランナー最終走者は大坂ナオミというのは、早々に五輪参加を表明したのが少し不自然で、もしかしてと思った。最後の段階で大阪選手の試合日程が変更され、旗手でないし、となれば聖火リレーで最終ランナーがそれに近い扱いの可能性は高かった。1人でないかもとは思ったが。
国内的には日本語も話さないこともあり、しっくりこない人もいるだろうが、世界に対しては格好はついた。保守、左派(偽リベラル)入り乱れてのねじれ現象が起きたのだろうか。
しかし、日本社会の普通の外国人に対する理不尽な扱いはひどい。そっちの改善でもって対外イメージの改善をすべきだ。意味がなく厳しすぎるコロナ対策での出入国、日本の世論対策しか考えない選手団への今回の扱い、白鵬やバッハに対する排外主義的攻撃など不愉快極まる。