Windows 11「Moment 3」で使える新機能10選 – アップデートされた内容とは

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2023年5月24日、Windows 11はVersion 22H2の大型アップデート「Moment 3」(KB5026446)を公開しました。このMoment 3を適用するとさまざまな新機能が利用できるようになります。そこで今回は筆者が実際にMoment 3にアップデートして、10の新機能がどのようなものかじっくりと紹介しましょう。

Windows 11の「Moment 3」ではさまざまな新機能が利用できる!

Windows 11は常にセキュリティの強化や新機能を追加するアップデートが行われています。

2023年2月に「Moment 2」が公開されたばかりですが、2023年5月24日には、Windows 11 Version 22H2の「Moment 3」をリリースしました。

Windowsアップデートの「累積プログラム(KB5026446)」を適用し、OSビルド番号が「22621.1776」以上であれば、Moment 3のさまざまな新機能が利用できるようになります。

ちなみに、筆者は23年7月8日にアップデートしたため、すでにWindows 11 Version 22H2の累積プログラムは「KB5027231」であり、これをインストールしたあとのOSビルド番号は「22621.1848」となっていました。

Windows Update1
まず、Windows 11の設定から「Windows Update」を開いてアップデートします。Moment 3の新機能を利用するには「Windows 11 Version 22H2の累積プログラム(KB5026446)」以上をインストールする必要があります。23年7月時点ではすでに「KB5027231」となっていました
Windows Update2
アップデートが終わったら、設定の「システム」で「バージョン情報」を開いて、OSのビルド番号が「22621.1776」以上であることを確認してください。これでMoment 3の新機能を利用できます。23年7月時点ではOSビルド番号は「22621.1848」でした

今回の「Moment 3」で追加された機能は、MicrosoftのWindowsブログに詳しく解説してあります。

Windowsのアクセシビリティを中心にしたものが多く、音声アクセスコマンドの強化、タスクマネージャーの改善、時計に秒を表示可能にするといった、非常に細かい部分での改善が見られますので、ぜひアップデートしてみてください。

●Microsoft「Releasing Windows 11 Build 22621.1776 to the Release Preview Channel」は→こちら(英語)

Releasing Windows 11 Build 22621.1776 to the Release Preview Channel
(Image:blogs.windows.com) こちらがMicrosoft「Windowsブログ」ページです。英語ですが日本語翻訳で読めば、今回のMoment 3でどのような新機能が追加されたのかを確認できます(画像はMicrosoft「Windowsブログ」より転載)

【新機能1】日本語でのライブキャプションが可能に!

「ライブ キャプション」とは、パソコンで再生されている音声を、AIが認識してリアルタイムでキャプション(字幕)表示する機能です。

つまり、OSの基本機能として音声の文字起こしが可能となったのですが、そのライブキャプション機能が、ようやく日本語にも対応しました。

■ライブ キャプション機能に対応する言語

中国語/フランス語/ドイツ語/イタリア語/日本語/プロトガル語/スペイン語/デンマーク語/英語(アイルランド、その他の地方英語)/韓国語

たとえば、YouTubeで動画を再生しているときに「Win」+「Ctrl」+「L」キーを同時に押すと、ライプキャプションが起動します。

すると、動画で流れている音声をライブキャプション機能によって、瞬時に字幕として表示してくれるのです。

実際に試してみるとかなり速く正確なので、これならビデオ会議などの記録でも便利に使えそうです。

Windows 11 Moment 3で使える新機能10選【新機能1】1
動画を再生中に「Win」+「Ctrl」+「L」キーを押すと、初回だけ日本語のダウンロードが必要になりますが、それ以降はリアルタイムで音声を字幕表示できます。字幕の表示位置や言語などは設定から変更可能です

【新機能2】音声操作の「音声アクセス」機能を強化

Moment 3では、音声でパソコンをコントロールできる「音声アクセス」機能が強化されました。

すでに、インド、ニュージーランド、カナダ、オーストラリアなど複数の国の英語がサポートされていますが、残念ながらまだ日本語に対応していません。

ただし、すでに設定の「アクセシビリティ」には「音声認識」項目が追加されており、「音声アクセス」をオンにすると英語の言語ファイルをダウンロードすることで、英語での音声認識は利用できます。

もちろん、音声アクセス機能を使うには、事前にパソコンのマイクを事前にセットアップしておく必要があります。

Windows 11 Moment 3で使える新機能10選【新機能2】1
設定で「アクセシビリティ」を開くと、すでに「音声アクセス」や「Windows音声認識」機能は備わっています。現状でも、音声アクセスをオンにして言語ファイルを入手すれば、英語での音声アクセス機能は利用可能なようです
Windows 11 Moment 3で使える新機能10選【新機能2】2
「Windows音声認識」をオンにすると、マイク機能の設定ウィザードが起動します。音声アクセス機能を利用するときは、ここから事前にマイクのセッティングをする必要があります
Windows 11 Moment 3で使える新機能10選【新機能2】3
音声アクセスの設定が終わっていれば、タスクバーの検索欄に「Voice Access」と入力して検索すると、「音声アクセス」を起動できます。ただし、日本語ではまだ利用できません

【新機能3】VPN接続時に青いシールドアイコンを表示

今回のアップデートではネットワークにも小さな変更がありました。それは「VPN」に接続しているときにネットワークのステータスアイコンに「VPN接続」が追加されるというものです。

具体的には、Wi-Fi接続時のアイコンの左肩に青いシールドのマークが表示されるようになりました。

Windows 11 Moment 3で使える新機能10選【新機能3】
VPN がアクティブなネットワーク接続時には、ネットワークアイコンの左肩に青いシールドのマークが表示されます

【新機能4】タスクバーの時計に「秒」を表示できる

こちらも細かい仕様変更ですが、Moment 3ではタスクバーの右側に表示される時計に「秒」を表示することが可能になりました。

これは設定から「個人用設定」→「タスクバー」→「タスクバーの動作」を開き、「システムトレイの時計に秒を表示する」をオンすればOKです。

ただし、「秒」を表示させると消費電力が多くなるそうなので、無理に表示させる必要はありません。

Windows 11 Moment 3で使える新機能10選【新機能4】1
設定から「個人設定」→「タスクバー」→「タスクバーの動作」を開き、「システムトレイの時計に秒を表示する」をオンにしてみましょう
Windows 11 Moment 3で使える新機能10選【新機能4】2
上写真が通常の時計表示、下写真が変更後の時計表示です。設定を変更すると、すぐにタスクバー右側にある時計に「秒」が表示されました

Moment 3ではエクスプローラーのコンテキストメニューにショートカットキーが追加表示されるようになりました。

これはエクスプローラーのなかのファイルなどをマウスで選択した状態で、キーボードの「メニューキュー」を押すと、コンテキストメニューにローマ字でショートカットが表示されるというものです。

表示されたローマ字をキーボードで押すと、そのタスクが実行されます。最初は慣れないかもしれませんが、使いこなせるようになれば意外と便利なのかもしれません。

Windows 11 Moment 3で使える新機能10選【新機能5】1
エクスプローラーのなかにあるファイルなどをマウスで選択した状態で、キーボードの「メニュー」キーを押してください
Windows 11 Moment 3で使える新機能10選【新機能5】2
すると、コンテキストメニューにローマ字でショートカットが表示されるので(上写真)、利用したい機能のローマ字をキーボードで押すと実行されますが、次の選択肢が表示されることもあります(下写真)

【新機能6】タッチキーボードの表示方法を選択可能に!

キーボードが脱着可能な2in1パソコンなどでは、文字入力時にタッチキーボードを表示できますが、Moment 3ではその表示方法を「常にオフ」「キーボードが接続されていない場合」「常に表示」の3つから選択可能になりました。

設定方法は「設定」から「時刻と言語」→「入力」にある「タッチキーボード」を開くと、「タッチキーボードを表示する」で、3つのオプションを選択できます。

Windows 11 Moment 3で使える新機能10選【新機能6】1
パソコンからキーボードを外した状態で利用できるのがタッチキーボードです。Moment 3では、この表示方法を3パターンから選択できるようになりました
Windows 11 Moment 3で使える新機能10選【新機能6】2
「設定」→「時刻と言語」→「入力」→「タッチキーボード」→「タッチキーボードを表示する」で、「常にオフ」「キーボードが接続されていない場合」「常に表示する」の3つから選択できます

【新機能7】コンテンツごとに明るさを変更する設定が可能に!

ラップトップや 2in1パソコンでは、表示しているコンテンツごとにディスプレイの明るさを自動コントロールする機能を自分で設定できるようになりました。

「設定」の「システム」→「ディスプレイ」→「明るさ」を開くと「コンテンツに基づいて明るさを変更する」設定がありますが、ここで「オフ」「常時」「バッテリ使用時のみ」の3つが選択できます。

Windows 11 Moment 3で使える新機能10選【新機能7】
「設定」→「システム」→「ディスプレイ」→「明るさ」→「コンテンツに基づいて明るさを変更する」項目で、「オフ」「常時」「バッテリ使用時のみ」のいずれかを選択できます

【新機能8】「PrintScreen」キーで「Snipping Tool」が起動!

Windows画面のスクショが撮れる「Snipping Tool」は、「Windows」+「Shift」+「S」キーで起動できますが、Moment 3では「PrintScreen」キーを押すだけで「Snipping Tool」を起動できるようになりました。

しかし、ほかのスクショアプリと競合することもあるので、その場合は「設定」の「アクセシビリティ」→「キーボード」で、「PrintScreenキーを使用してSnipping Toolを開く」をオフにすることも可能となっています。

Windows 11 Moment 3で使える新機能10選【新機能8】1
キーボードの「PrintScreen」キーを押すだけで(上写真)、Windows画面をスクショできる「Snipping Tool」が起動します(下写真)
Windows 11 Moment 3で使える新機能10選【新機能8】2
もし、この機能を使わない場合は、「設定」→「アクセシビリティ」→「キーボード」→「PrintScreenキーを使用してSnipping Toolを開く」でオフにできます

【新機能9】タブ表示の上限を20個までに制限 

スナップまたは「Alt」+「Tab」を押したとき、Webブラウザのタブをいくつ表示するかを設定できます。

たとえば、「Alt」+「Tab」を押すと、複数のタブやウインドウを開いていても、タスク切り替え画面が一覧表示されるので目的のタブを見つけやすくなります。

このとき、以前は「タブを表示しない」「最新の3つタブ」「最新の5つタブ」「すべてのタブ」を選択できましたが、Moment 3では「すべてのタブ」がなくなり「20個のタブ」に変更されています。

Windows 11 Moment 3で使える新機能10選【新機能9】1
「Alt」+「Tab」を押したとき、タスク一覧が表示されますが、Webブラウザのタブをどこまで表示するかは、設定から自分で指定できます
Windows 11 Moment 3で使える新機能10選【新機能9】2
タブ表示を変更するには、「設定」→「システム」→「マルチタスク」→「スナップまたはAlt+Tabを押したときにアプリのタブを表示する」で「タブを表示しない」や「3」「5」「20」を選択できます

【新機能10】OneDriveの空き容量を表示可能に!

WindowsではMicrosoftアカウントを登録することで、クラウドストレージ「OneDrive」が無料で5GBまで利用できます。

たとえば、同じMicrosoftアカウントで同期しておけば、会社と自宅のパソコン。あるいは自分のパソコンとスマホ同士でデータを共有できるので、意外と便利です。

Moment 3では、そのOneDriveの容量が確認できるようになりました。確認するには「設定」の「アカウント」を開くだけでOKです。

Windows 11 Moment 3で使える新機能10選【新機能10】
「設定」で「アカウント」を選択すると「Microsoft storage」が表示され、OneDriveの使用状況が確認できます

まとめ

いかがでしょうか? 今回はWindows 11 Version 22H2のMoment 3で利用可能となった新機能を10個ほど紹介しました。

Moment 3では日本語でのライブキャプションが可能になりましたが、それ以外はわりと細かい仕様変更が多い印象です。

しかし、23年7月3日にリリースされた「Windows 11 Insider Preview」Build 23493(Dev)では、Windows 11にAIチャット機能を取り込んだ「Windows Copilot」も導入されていますので、今後のWindows 11の進化から目が離せませんね。

※サムネイル画像(Image:Melnikov Dmitriy / Shutterstock.com

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