テレワークが認められることも多くなってきた現在のワーキングスタイルだが、自宅、オフィス、オンライン、オンサイトを状況によって使い分けるハイブリッドワークへと仕事のスタイルは変化しつつある。そんな状況下において、ヘッドセットやUSBカメラは必須となっている。もちろん、カメラもマイクも付いているノートPCでオンライン会議などに参加することはできるが、そこには意外にも多くの問題が横たわっているからだ。
オーディオブランド「Jabra」によるビジネスマンへの調査によれば、実に42%もの人がオンライン会議の発言が聞き取りづらいと解答していることがあり、スムーズにコミュニケーションが取れているとは言いがたい状況がある。ビジネスを成功に結びつけるためには、そのコミュニケーションをサポートしてくれる周辺機器を使用することが思いの外に重要なのだ。
Jabraと言えばBluetooth黎明期に高品位ヘッドセットとして名を轟かせたブランドだ。その輝きは現在も衰えていないばかりか、企業向けデバイスとして他の追随を許さない。
なぜなら、Jabraの製品は品質が高いのはもちろん、組織の中で運用する際のサポートコストや製品のライフタイムサイクルを通じたコストを低減するなど、企業にとって重要なポイントを押さえているからだ。
“低コスト”と言ったとき、単に価格が安いことを想起しがちだが、Jabraの製品は価格に見合うだけの品質を備えた上で、“運用コスト”を抑えるための工夫も随所に盛り込まれている。
主力製品はオペレータ向け、あるいはオンライン会議向けヘッドセット、会議用カメラ、それに会議室向けのスピーカーマイクで、今回はこれらを試用してみたが、そのいずれもが納得の品質を備えていた。
利用者が使いたくなるクオリティで社員のやる気もアップ
試用したのはオンイヤーヘッドフォン型のワイヤレスヘッドセット「Evolve2 75」、4K解像度かつAI機能をハードウェア実装したUSBカメラの「PanaCast 20」、それにワイヤレス、ワイヤード兼用の会議用ポータブルスピーカー「Speak2 75」だ。
まず、オンライン会議でのコミュニケーションの質を高めるため、前述のようにヘッドセットやUSBカメラの質が悪いと、商談やプレゼンの場面で相手のイメージを損ねるという調査結果がある。確かにカメラ品質の違いによる通話相手の印象面の違いを感じることもあるが、その点、「PanaCast 20」の被写体認識、被写体の肌色を適切な明るさ、色に補正する機能などは十分に合格点だ。
一方で懸念すべきは、マイクの品質だろうか。聞き取りにくかったり、背景にある生活音などが混入することがあるなどマイクの品質は、たとえ悪かったとしても、自分自身では気づけないことがほとんどだ。それは、コミュニケーションをとっている相手が聴いている音でしか判別できないからだ。しかしその点でも、「Evolve2 75」、「Speak2 75」は使用してみた結果、納得できる品質を出してくれる。
運用管理コストの引き下げは、機器の選定、運用を行う部門、担当者にとっては重要だが、実際に使う側としては製品自身の使い心地や音質など、ユーザー体験の高さを求めたいものだ。それがあれば、社員のやる気もアップすることだろう。
一括導入の企業向け製品は、購買担当者にとってわかりやすい機能に力を入れる一方で、製品の質感、あるいは音質や画質といった部分に関しては蔑ろになりがちだ。しかしJabraの製品はいずれも、たとえコンシューマ向け製品として販売されていても、自ら進んで選びたくなるほどの音質、画質を備えている。
長時間使っても快適な装着感を実現したヘッドセットとスピーカーフォン
「Evolve2 75」、「Speak2 75」が備えるマイクは、複数のマイクが捉える音声信号を分析し、話者の声を適切な音質で捉えつつ、背景の音を沈めてくれる優秀なものだ。同種の機能を謳う製品は数多いが、元々が通話用のヘッドセットを得意としてきたJabraだけに、音声ピックアップの質はピカイチだ。
さらに「Evolve2 75」に備わるブームマイクは、物理的に口元から離すために上にはね上げると、自動的にミュートされる仕組みになっている。音声のミュートが感覚的にも明らかであるためミュートし忘れによる事故を防ぐことが可能だが、個人的にはさらに気に入ったのは装着感と音質だ。
本製品に関しては、ヘッドバンドの作りがよく、側圧の強さが適切、さらにイヤーパッドの形状記憶フォームが接触する耳の負担を抑えてくれるため、実に快適だ。このイヤーパッドは音の吸収特性も良いため、幅広い帯域の音を適度に遮断してくれる。オフィス内など暗騒音がある程度大きい環境でも、会議内容に集中できるはずだ。
音質も帯域全体に歪みっぽさがなく、クリーンで付帯音が抑えられた音である。音楽用として評価しても、特に大きな不満が出ないだろう高音質で、整えられた音質は長時間の会議でも疲れにくい。
高性能スピーカーフォンの「Speak2 75」は、どんな場所でも複数のメンバーが囲んでオンライン会議に参加できる優秀な音質と機能を実現していた。人間の声と背景ノイズを上手に分離するため、たとえば音楽が背景で鳴っているような環境でも会議に参加する人の声を抽出し、明瞭に相手へと送出してくれる。
たとえば複数の参加メンバーが会議室におり、会議室と会議室を結ぶ「ハイブリッド会議」が普及していく昨今の状況に合わせ、スピーカーフォン越しに複数の人が同時に話していても、お互いの発言を妨げないようにフルデュプレックス音声の仕様になっており、対面で話しているかのような聞こえ方になっている。
さらにボイスレベルノーマライゼーション テクノロジーを採用しており、声の大小やスピーカーフォンまでの距離に関わらず、参加者各々の声を最適な大きさに調整してくれる。また、素早く発言者にマイクを向け、雑音を除去してクリアな音声を届ける、ビームフォーミングマイクを搭載。話者の発言をよりクリアに届けてくれる。
このほかにも「Jabra Speak2 75」は「マイク品質インディケーター」搭載しており、通話品質が本体周囲に配置されたリング状のLEDカラーのインジケーターで表示される。スピーカーそのものも人の声に合わせ聞きやすく調整されており、通話品質が本体周囲に配置されたリング状のLEDカラーのインジケーターで表示されるなどの細かい配慮も嬉しい。これならば、クローズドではないスペースであったとしても、複数の人間が会話に参加できるはずだ。
この製品ならば、配布された社員は喜んで使いこなしてくれるだろう。ユーザー自身が使いこなそうと思ってくれるかどうかは、大きなポイントだ。
スマホの内蔵カメラに迫る「PanaCast 20」で会議相手に好印象を与える
最後に「PanaCast 20」について触れておきたい。
最近のノートPCには、ほぼカメラが内蔵されている。それなのに、「わざわざ周辺機器としてカメラを接続する必要があるのだろうか?」と思う方もいるだろう。その疑問に答えてくれるのが「PanaCast 20」の高い画質であり、スライド資料を表示しながら、自分の表情もワイプで載せることができるピクチャーインピクチャーモードなどの機能にあるといえる。
「PanaCast 20」は超広角レンズで被写体を捉え、自動的にズームやパンをする「インテリジェントズーム」機能が備わっている。同様の機能は他社製でもみられるが、「PanaCast 20」はこの機能を内蔵する半導体チップに搭載している。このため接続するPC側に特別なソフトウェアがなくとも、カメラ単独で機能してくれるのだ。
ピクチャーインピクチャーモード機能を利用する場合など、ハードウェアの設定を変更する場合は設定アプリケーションが必要だが、基本的な機能はUSBケーブルで接続さえすれば、WindowsでもMacでも即座に機能を使いこなすことができる。
画質に関しては「1300万画素CMOSセンサー」、「4K動画」といった数字はもちろんすばらしい数字だが、それ以上の価値や使い勝手の良さがこの製品にはある。
重要なことは暗所でのノイズが抑えられ、オフィスに比べて暗いことが多い自宅でもクリアな画質が得られるのか、理想的ではない光源下でも効果的に自動露出、自動ホワイトバランスが働くか、話者の顔を適切に認識し肌を健康的にみせてくれるか、そして売り物のひとつであるインテリジェントズームが意図通りに動いてくれるか、といった実質的な使用感だろう。
そしてそれらは全て、最新のスマートフォンやタブレットが持つインテリジェントなAI機能付きカメラの性能を超えるレベルで動作してくれる。全てはAI機能搭載の専用LSIに詰め込まれているため、どんな端末でも均質に動作してくれることは言うまでもない。
さらに、USBカメラはディスプレイパネル上に置くためのギミックが付けられていることが多いが、本品もスマートな形で同様の機能が盛り込まれている。複雑な稼働部をもつギミック部分と本体が、重厚な作りの筐体に身を包まれていることは、業務に使う製品としては安心感がある。
PCに接続した時から100%のパフォーマンスで機能する
さて、これまで見てきたこれらのオーディオやビデオの周辺機器では、機能が特定のアプリやドライバソフトウェアに組み込まれていることが少なくない。しかし、多くの従業員が共有するデバイスの場合、特別なソフトがなければ動作しない機能は使いにくい。
Jabraの製品は、機能を柔軟に追加・更新できるようにファームウェアを組み込んで、それはあたかも”ハードウェア自身の機能”のようにしている。このことにより、だれもがJabra製品を使用するだけで、質の高いクオリティでのオンライン会議を実現することができるのだ。
その上で専用アプリを用いれば、ピクチャーインピクチャー機能に切り替えて使用することも可能だ。ただし、こちらもPC上のソフトウェアで処理しているわけではない。カメラ内蔵のチップが処理してくれるため、PCに処理負荷をかけることなく動作する。
つまり、Jabra製品に一貫しているのは、デバイス利用者の知識やスキルに依存せず、繋がった瞬間から100%のパフォーマンスで機能すること。端末と接続さえできれば、想定された機能を確実に使いこなせるという信頼感は企業向け製品としての大きな利点だ。
また、Microsoft TeamsやZoom、Google Meetなどの認定を受けている点も強調しておきたい。今後もこれらのオンライン会議システムがアップデートされていくだろうが、その過程において接続トラブルに陥る可能性を排除してくれる。実際に業務の中で接続できない、音声の品質が悪いといったトラブルが発生する可能性はあるが、その際にアプリケーションとの互換性を疑う必要がなくなるため、問題に迅速に対応することができ、問題の原因を特定しやすくなるだろう。
今回取り上げたこれら3製品はともに、コンパクトに収納できる軽量なケースが付属しており、ワイヤレス接続の2製品にはUSB Type-Aポートがあれば挿入するだけで接続できるドングルが付属する。ドングルもスマートに格納できる仕組みだ。スピーカーは有線接続用のケーブルは本体に巻き付けるようデザインされている。
何気ない工夫に聞こえるかもしれないが、実はこうした設計、仕様のひとつひとつがデバイスを管理する部門の手間を省いてくれる。
多くの従業員が使いこなさねばならないことを考えれば、こうしたひとつひとつの工夫や配慮が運用上の手離れを改善する。“誰が使っても同じように機能”し、さらに“必要なハードウェアセットがバラバラにならない”ようにするからだ。
たとえばワイヤレス製品の場合、Bluetoothで接続すればドングルは必要ないだろうと考えるかもしれない。しかしうまくつながらなかった場合、そこには何らかのサポートが必要となる。USBドングルならば、それをコンピュータに挿入するだけで使い始めることが可能だ。そして、この付属ドングルを紛失するなどのトラブルを未然に防ぐため、必要なハードウェアを機能的に収納できる専用ケースが用意されている。
ハードウェアを導入するコストは購入価格だけではない。利用シナリオ全体を通しての“トータルコスト”を引き下げることが肝要だ。Jabraの製品は、消費者に積極的に選んでもらえるデザインや音質など品位の高さを備えつつ、しかし企業内での運用を熟慮して作られているのだ。
導入コストに劣らない製品スペックで感動体験を
このようにJabra製品は企業向けならではの管理・導入コストを下げ、結果的に製品のライフタイムサイクル全体のコストを下げ、さらにデバイスを社内で再配置する場合なども容易だ。とりわけ一括の大量導入ではその商品設計ポリシーが生きてくる。
実際の製品体験という意味でも、コンシューマ製品とも純粋な音質、画質などの面で競合できるだけの魅力的な製品に仕上がっている。この両方をおろそかにしていないことが、Jabraが提供する製品の価値と言えるだろう。
単に機能面での評価であれば、書類上のスペックシートや担当者のプレゼンだけでも十分かもしれない。しかしJabra製品に関しては、実際に使ってその品質の高さを確認することを勧めたい。そうすることで、必ずや納得いく使用感を確認できるからだ。なお、Jabraブランドを展開しているデンマークGNグループの日本支部であるGNオーディオジャパンでは、企業向けに各製品のトライアルプログラムを提供している。書類上だけの違いにとらわれず、その優れた品質を実際に体験してみてはいかがだろうか。
カタログ上での違いを比べるのは簡単だ。しかし、それだけでは本当の違いを感じることはできない。読者の皆様も、トライアルプログラムを通じて、その優れた品質を実際に体験してみてはいかがだろうか。